メインコンテンツへスキップ
見出し画像

50年の窓 第25章

    第25章 WG01、Gウイルス完成
    カレンはロシアの手法をベースにベクターウイルスを使って、遺伝子を書き戻す方法を模索していた。
    豚を使った実験で、受精前から出生までのいくつかのタイミングで、ベクターウイルスと接触させその結果を比較し最適化を求める実験を繰り返した。その結果、ベクターウイルスは思いのほか期待通りに機能することが明らかになったが、受精卵が細胞分裂を繰り返し、細胞数が1万を超える頃から遺伝子書き換えの結果が全細胞に及ばなくなることを確認し、確実に結果を出すためには対象細胞が1つだけの時、つまり受精卵に働きかけることが最大の効率を得るようだと理解した。

    また、胎児をGウイルスに接触させる具体的な方法を検討すると受精卵への接触は、性交時にGウイルスカプセルを膣に挿入するだけで済むがそれ以降の処置では受精卵が子宮に治ってからでは大きな手間がかかるので、問題がない限り、その手法で進めることとした。

    カレンの率いるWG01は、感染者家族で希望者の協力を得て、性交時のGウイルスカプセル挿入による人体実験を行い、11か月後誕生した新生児の細胞サンプルで遺伝子の書き戻し機能確認が実用のレベルにあることを確認した成功した。

    しかし、母親は感染者であり、遺伝子書き戻しの後再度感染者である母親から再感染する可能性を考えると、母親はWG04での感染者のウイルス固定化が済んでいる必要があることが明らかである。

    今回の遺伝子書き戻し手法は原理的には亜種が子を出産する場合にも適応可能である。従って、亜種を現在存在する者で食い止めることが期待できる。しかし、現在の亜種の最高齢が12歳であり妊娠という実験は不可能であり未確認ではあるが、亜種の子を人に戻すことも可能であると期待される。
    カレンは、引き続きWG04(感染者の非感染源化)の支援に入る。

    <次記事等へのリンク>
    第26章 火星へ、第2陣
    目次

    #創作大賞2026
    #エンタメ原作部門
    #マンガ原作
    #好奇心
    #オントロジー
    #長編小説
    #SF小説



     
     

    saito

     
     
    1972年慶應義塾大学大学院修士課程修了。商用インターネット等通信事業開発。交換機開発で前島密賞等受賞。 金沢工業大学大学院客員教授、慶應義塾大学SFC研究所上級研究員、湘南ビーチFM局CEO、FM軽井沢局長などを歴任。 2020年より好奇心や意識をテーマにした執筆活動を推進中。

    あなたへのおすすめ