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ゆっくりと

    ロドリゴ

    ゆっくりと流し込んでいた。

    開店前の店先で、作業用のつなぎの服を着た
    三人のおじさんたちがいた。
    ひとりは腕を組み、
    もうひとりは両膝に手をおいて中腰になっている。
    二人は店の前の小さな溝を見つめている。
    その二人は空気で合図するように、
    溝の入り口にいるバケツを持ったおじさんに、
    目を向ける。

    バケツの中は、混じりものがない、灰色のツヤツヤしたペースト状のものが入っていた。

    バケツを持ったおじさんは、二人に目を向けたあと、すぐに溝に目を移した。

    そして、バケツからゆっくりと静かに流し込んだ。

    小さな溝にそそがれた灰色のペーストは、
    表面が滑らかでキレイに水平に保たれていた。
    溝のなかは、日差しも反射するほどに透明感があった。

    流し込んだあと、三人に目を合わせ、同時に小さくうなずいた。

    わたしは頭の中で、スタンディングオベーションをした。三人はタキシードを着てレッドカーペットを歩いた。

    そんなことを、通り過ぎる間ずっと頭に浮かべていた。

     
     
     
    映画と本が好きです。 山田ズーニーさんの「17歳は2度くる」ではないけれど、 いま、3度目の17歳と数年を迎えています。 ズーニーさんのように、まっすぐな文章を書く練習をしています。 静かな出来事を、そのまま書いています。

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