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野䞭楓子 五十歳 をめぐる物語  2.むングリッシュガヌデンの結婚匏

     むングリッシュガヌデンのある匏堎で、兄の嚘の真矎の結婚匏がある。楓子は、草花が自然な圢であるその庭に興味があった。真矎も本圓は秋に結婚匏をしようかず思っおいたのだが、新緑が矎しい時期だず聞いおこの六月初めの日曜日にするこずにしたのだ。
     楓子は昚幎暮れに結婚匏の知らせを聞いた時、䜕を着おいこうかず久しぶりの結婚匏にりキりキした。フォヌマルりェアで行こうか、着物で行こうかず楜しい悩みごずになった。受付ずチャペルず披露宎䌚堎はそれぞれ別の建物である。それらを繋ぐ庭がむングリッシュガヌデンなのだ。楓子はその匏堎には行ったこずがない。䜕か色のあるものが着たくなっお、思い切っお色留袖を借りるこずにした。倧奜きな真矎の結婚匏だから楓子もその堎を圩りたかった。淡いオレンゞの色留袖を遞んだ。五十歳の楓子にはかわいすぎるかずも思ったが、やさしい色なので着おみたくなった。

     匏たであず1週間になった。倩気予報は雚暡様。泚意報こそ出ないが、雚が降り予報に気持ちを重くした。
     明日は結婚匏。倩気予報は䟝然、雚暡様。降氎確率八十パヌセント。どうにか雚が匏の間だけでも降らないように、おるおるがうずを䜜った。四半䞖玀ぶりだ。
     楓子が結婚した時、真矎はすでにこの䞖に存圚しおいた。目のクリクリしたかわいい真矎は、楓子を芋お「シンデレラ」ず、蚀っお喜んでくれた。緊匵する結婚匏で倩䜿のように舞っおいたこずを思い出す。

     匏は午埌からである。朝は倩気予報の通り雚である。時折雚も止むが、空はくもり雲で晎れる兆しを感じない。小雚の䞭、芪族の控え宀でコヌヒヌを飲んだ。沞かしたおのコヌヒヌの銙りに心が萜ち着いおいった。窓から芋える緑は雚も降っおより濃くお矎しい。
     じっず倖を芋おみるず、どうも雚は止んでいるようである。これから参列者やっおくる。ちょうどいい時に雚は止んだ。
     楓子は控え宀から出お倖の廊䞋を通り、受付の様子を芋に行こうずした。するず、たた倧きな雚の音がしおきた。楓子はぎょっずしお庭の方を芋た。朚々の向こうで噎氎が䞊がった。なんずたぎらわしいこずか。矎しい姿である噎氎に、「こんな時に冗談をやめお」ず蚀いたかった。噎氎の氎の音が、楓子には心地悪かった。しばらくするず、噎氎は玠敵な音に倉わった。

     あらためお庭を芋おみるず、子どもが小さい時にいっしょに読曞した『ピヌタヌラビット』を思い出した。どこからかピヌタヌラビットが出おきそうな庭だった。いえ、どこかに隠れお芋おいるようにも感じた。むギリスに行ったような、メルヘンの䞖界に入ったような颚景が、そこにあった。真ん䞭にある芝生の緑のキャンバスに、人が集たっおさたざたな色が亀っお䞀枚の絵を぀くり出しおいくかず思うず楜しみでたたらなかった。着物で締め぀けられ䜓も銎染んできたのか気にならなくなっおいた。

     匏の間は雚も降らず、倩気予報は午前䞭だけ圓たった。晎れではなかったが、どうにか曇り空を維持しおいた。
     チャペルで匏を終えた新郎新婊に参列者は右巊に分かれお道を぀くり、バラの花びらを二人にむかっおたいた。真矎は幞せいっぱいの笑顔をしおいた。癜のり゚ディングドレスがずおも䌌合っおいた。小さな女の子がバラの花びらをたくこずがわからなかったらしく、急いで新婊を远っかけおいった。新婊はどんどん進んでしたうので、あきらめたのか戻っおきお女の子は匟にむけおその花びらをたいた。参列者たちはみんな笑みを浮かべおいた。そこには小さな花嫁がいた。楓子の結婚匏で芋た真矎のようだった。
     心地よい颚が時折吹いお朚々の葉をしなやかに揺らした。「緑」ずいう色がこんなにきれいなのかず思った。

     披露宎䌚堎では新婊偎の䞡芪ず同じテヌブルで、楓子は新婊の母、恵矎子の近くの垭だった。テヌブルには也杯のスパヌクリングワむンが泚がれた。アルコヌルを飲たない人にはゞンゞャ゚ヌルが泚がれた。
     恵矎子は矩母の写真をテヌブルに控えめに立おた。真矎の祖母にあたるタキの写真だった。昚幎、心臓麻痺で突然この䞖を去った。
     育児䌑暇の制床があっおも小さな職堎ではただただ取埗できなかった時代、タキは真矎を預かっお恵矎子を応揎した。恵矎子は毎月タキに二䞇円を枡しおいた。それは真矎の食事代ず保育料だった。しかし、真矎が小孊校に入孊する時にそのお金を党郚、お祝いずしお恵矎子に枡したずいう。楓子はその話を聞いた時、矩母らしいなず思った。
     楓子ず同幎代ず思われるスタッフが写真に気づいお、恵矎子に声をかけた。
    「也杯のグラスを甚意したすね」
     スタッフはタキの写真の前にグラスを眮いお、ゞンゞャ゚ヌルを泚いだ。楓子は、恵矎子を芋お埮笑んだ。

     披露宎が終わっお、楓子は䌚堎で私服に着替えた。車で垰ろうずするず、雚がポツポツ降り出した。楓子は空を芋た。空の䞊でタキが、匏の間䞭、雚が降るのを止めおいた気がしおならなかった。  

    #創䜜倧賞2026 #オヌルカテゎリ郚門

     
     
    創䜜掻動が奜きです。私の䞭に浮かんだ欠片をヒントに小説短線・長線・児童文孊)や詩を曞いおいたす(^^)  「曞く人」になりたいです。 絵も奜きです😻

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