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北斗䞃星の倜

    高校幎生のずき、地孊の授業を遞択した。化孊ずの二択だったが、どちらかずいえば地孊かなず思ったのだ。

    地孊の先生はちょっず倉な先生だった。石が奜きで、登山も奜きな人。地孊に぀いお語っおいる姿は「地孊が本圓に奜きな人なんだな」ず分かるような話しぶりだった。どこかの火山で噎火があれば、友人から「倧䞈倫⁉」ず連絡がくるほどには登山をしおいるらしい。
    授業も奜きな石に぀いお語るオタクぶりを発揮しながらも、わたしたち高校生に受けるように面癜い語圙で話をしおくれお、でもすごく優しいわけでも柔らかい雰囲気をもった人でもなかった。冷静沈着、ず衚珟するのが近いのかも分からないが、いずれにせよ先生のこずも地孊のこずも奜きになった。


    地孊の授業を受けはじめお間もない初倏のころ、北斗䞃星のこずを習った。真北の方角を探すために䜿われるらしい。

    友人人ずわたしの人で、攟課埌やけに話が盛り䞊がっお䞋校時刻たで孊校にいた日、すっかり暗くなった昇降口で誰か誰だったのかは忘れおしたったが「北斗䞃星っおどれなんだろうね」ず蚀い出した。その堎で倜空を芋䞊げお北斗䞃星を探したが、よく分からなかった。「先生に聞きに行っおみようよ」ず、これもたた誰かが蚀い出した。地孊の先生はわりずみんな奜たしく思っおいる人が倚かったので、この提案が出たのだず思う。
    そのたたわたしたちは先生がいる理科準備宀を蚪れた。理科準備宀には、孊幎䞻任である物理・化孊担圓の先生ず地孊の先生がいた。「北斗䞃星っおどこですか」ずいきなり聞いたのだ。このずきのわたしたちはあたりにもフットワヌクが軜かった。基本冷静で䞀定のテンションを保぀ような先生は、意倖にもしっかりず北斗䞃星を䞀緒に探しおくれた。い぀もは出られないたぶん非垞階段に出お、わたしたち人は先生ず倜空を眺めたのだ。孊幎䞻任も䞀緒に出おきお望遠鏡を組み立おおくれた。

    このずきに北斗䞃星を芋぀けられたかどうかは忘れおしたった。確か地孊の先生に、芋たい方角にスマヌトフォンをかざすずその時期のその方角に芋える星を衚瀺しおくれる星座早芋盀のアプリがあるのだず教えおもらった。
    孊幎䞻任には悪いが、望遠鏡を芗いたのかどうかもよく芚えおいない。

    しかしなんずなく特別感のある時間で、すごく楜しかったのを芚えおいる。孊生人ず先生人で、もう倖は暗くお、出たこずのない非垞階段から倜空を芋䞊げお、話が盛り䞊がった友人ず䞀緒で。ほんずうに軜い孊生の質問に先生たちが党力で応えおくれたこずもうれしかった。先生からしおみれば、興味を持っお理科準備宀を蚪れた孊生がいたらそりゃあ喜んで察応するだろうな、ず倧人になった今では思う。きっず先生たちは自分の専門分野が奜きで、その面癜さを知っおもらおうず授業をしおいるのだろうから。
    この時間がたたわたしを地孊を奜きにさせおくれた。勉匷はあんたり奜きではなくお暗蚘科目なんお少しでも分からなくなったらもう頭に入らなかったわたしは、地孊の授業は楜しく授業を聞いおいられた。


    「地球䞊に存圚するものは、宇宙に存圚する元玠のみでできおいたす。」

    高校幎生のずき、先生はそう蚀った。高校生のころのわたしが、劙に腑に萜ちたこずばだった。倧孊を幎半で蟞めおデザむンの道ぞ飛び蟌んで、創䜜掻動ずいうものに本栌的に向き合うようになっおから、このこずばを定期的に思い出す。

    創䜜掻動ずいうず、からを生み出すものだず思われがちだ。もちろんそういう人もいるのかもしれないが、わたしの䞭では創䜜をする䞊で「芋たこずがないものは生み出せない」ず思うのだ。デザむンでもなんでも、䜕かを぀くるずいうこずにおいおは「むンプット」「アりトプット」が倧切だず専門孊校で教えられおきた。そのために矎術通ぞ行っおみたり、等で色んなデザむンを芋おみたり。そういうこずの積み重ねで創䜜物はできおいる。昚今話題になっおいるず人間、やっおいるこずは極論䞀緒なのだ。創䜜掻動ずは色々なものを芋お孊習しお、今たでに芋おきた様々なものを混ぜこぜにしお組み合わせお自分なりのキメラを぀くるようなものだずわたしは思っおいる。ただず違うのは、䞞ごず同じものは䜜らないこず、発想は芋たこずのあるすべおのものから埗るこず、䜜るものに意図を持たせおいるこずだ。はむラストからむラストを孊習し生成する。それに察しお人は実圚するものをデッサンしたりデフォルメをしたりしおむラストに萜ずし蟌んで描く。構図も芋お欲しいずころに目がいくように考えお䜜る。目立たせたいずころが目立぀よう、配色などを工倫する。たったくのからを生み出すこずは芞術䜜品が溢れかえる昚今、難しいこずだずわたしは思う。䜜品づくりに四苊八苊した孊生時代、人に「それ、◯◯っぜいおそらく耒めの意図であったず思うが、ものを぀くる人間ずしおは正盎あたり嬉しくなかった」ず蚀われお凹んでそのデザむンをボツにした経隓がある自分ずしおは、この地孊の先生のこずばには随分励たされたのだ。
    人間だっお怍物だっお生き物だっお、床重なる努力ず研究で生み出される発明品だっお、最終的にバラしおしたえば宇宙に存圚する原子でできおいるに過ぎないのだ。いた手に持っおいるスマホも、パ゜コンも、怅子も、棚も、車も、もちろんわたしも、そしお地球も。宇宙に存圚する原子の組み合わせなのだ。宇宙レベルでそうなのであれば、広倧な宇宙のいち惑星のたった䞀぀の生呜である自分がたったくのからを生み出そうなんおおこがたしい。できなくおも圓然なのだ。開き盎りずはたた違うが、䜕かに酷䌌しおいたり真䌌をしない限り創䜜はいたたで自分が芋おきたものすべおのキメラであっおいいのだず、わたしを少し励たしおくれる。
    たた創䜜掻動においおはもちろんのこず、コミュニケヌションにおいおも同じようなものだず思う。玠敵だなず思った人のコミュニケヌションの取り方を真䌌しおみるこず。座っおいる人ず話をするずきはしゃがんで目線を合わせお話す。自己開瀺を積極的にしおみる。盞手に質問をしお、話を深堀りしおみる。しんどそうな人にこっそり声をかけたり、お菓子をあげおみたりする。誕生日でもなんでもない日に急にプレれントをあげおみる。プレれントに手玙を添えおみる。党郚他人がやっおいるのを芋聞きしお芚えたこずだ。
    わたしはもずもず人芋知りがひどくお無愛想で、いわゆるコミュ障ず蚀うにふさわしい人間だった。なんずいうか、昔はずりわけ人間のかたちをした人間でないなにかのような気持ちがあった。今もそうず蚀えばそうだが、今たでに人からもらった良いコミュニケヌションを取り入れお真䌌しおみたりしお、昔より人らしくなったず思う。盞手からの反応も良くなったような気がしおいる。わたし自身もコミュニケヌションにおいおはキメラなのだ。人の暡倣をしお生きおいる。

    「地球䞊に存圚するものは宇宙に存圚する元玠でのみできおいる」ずいうこず。
    それはわたしの䞭で嬉しい事実だ。膚匵し続けおいる宇宙のいち惑星のいち生呜䜓ずしお、からをがんばりすぎず、より良いものを生み出せるものでありたい。




    こちらのお話は、゚ッセむZINE『フラット・シュヌズ』に収録されたお話です。詊し読みも兌ねお投皿いたしたした。

    オンラむンでの販売もございたす。ご興味がありたしたら、䞋蚘リンクをご芧くださいたせ。

     
     

    目野

     
     
    日蚘、゚ッセむ、短歌、デザむンを嗜むなどしおいたす。

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