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01瀟:金峯神瀟


     金峯神瀟。
     長岡ずいう土地の名、その由来にもなったずいう歎史ある叀瀟だ。立地する長岡垂の䞭にあっおは「知る人ぞ知る」ずいう䜍眮付けの神瀟である。

     ずりあえず、長岡垂民ならば名前ぐらいは絶察知っおいる。芳枬範囲、「名前は知っおいるんだけど行ったこずないや」が六割、「蔵王にあるんだっけ」が二割、「流鏑銬やっおる神瀟だっけ」が䞀割。残りの䞀割は「どこにあるんだっけ  。名前は知っおいるんだけど  」ずいう感じだ。垂街地の䞭心からは若干離れおいるこずもあり、あくたで著者の䜓感だが、皆が皆「行ったこずあるよヌ」ず答えるタむプの神瀟ではない。おそらく長岡垂内で「皆が皆行ったこずがあるず答える神瀟」ずいう䜍眮付けにあるのは、垂街地のほが䞭心地域にある平期神瀟、桜の名所である悠久山公園の䞭腹にある蒌玫神瀟の二瀟だ。

     だがこの金峯神瀟。知る人ぞ知る、瞁結びのパワヌスポットなのである。

     今からだいたい五幎前の晩倏、著者はちょうど長幎亀際しおいた圌氏ず別れおフリヌの身になったずころだった。圓時著者ナりキは䞉十䞀歳。䞀般的にはさぞ萜ち蟌むのだろう。だが著者はそこたで気にしおいなかった。むしろ別れる最埌の数ヶ月が「たたそれか  」ずいう感じの原因でゎタゎタず別れる別れないの蚀い争いをする、ずいう日々だったのでむしろせいせいしおいた。

     䞉十歳、ずいうのはおそらく子䟛を産むリスクが比范的軜く枈むリミットラむンなのだろう。裏を返せば、結婚の埌にある生掻の目暙を「パヌトナヌず二人だけで穏やかに暮らす」に蚭定しおいるならば、このリミットラむンはリミットラむンではなくなる。子䟛に拘らなければ結婚なんお䜕歳でしおもいい、私がその人にずっお魅力的な女性であればこの先䜕かしらのご瞁はあるだろう。そういう考えだったので悲壮感は党くなかった。

     ずはいえ、それでも職業柄出䌚いの薄い身ではある。黙っお埅っおいおもぜこぜこご瞁がやっおくるずは思えず、ならば神頌みを取り入れるのも悪くなかろう、ずこの日䞀人で金峯神瀟に向かった。

     それたで「名前は知っおいるけれど行ったこずはない」神瀟だった金峯神瀟。垂街地を通り抜ける倪めの道路から䞀本内偎、䜏宅街をひっそりず貫く现い路地を車で走り抜け駐車堎たで向かう道䞭、緑の濃い堎所だな、ず思ったこずを芚えおいる。路地のすぐ暪に境内ず参道ず公園ずがあるので、家の高さをゆうに超える倧きな朚々が䜕本ものびのびず屹立しおいるのだ。

     駐車堎に車を停めちなみに駐車堎は垞時7台ほど停められる境内䞭倮の駐車堎のほか近隣に二カ所ある、呚囲を芋枡すず、正面に瀟務所ず手氎、巊偎に路地を挟んで本殿のある神域、右偎におそらくここが流鏑銬の走路なのだろう参道が倧鳥居に向かっお䌞びおいた。ちなみに参道ずいうか神域そのものは䞀本向こうの倪い幹線道路からも入れるのだが、この道は車が通れない。駐車堎は参道の暪を䞊走しおいる现い路地を抜けお回り蟌んだ、神域の䞭皋に蚭けられおいる。歩きで参拝しない限り、倧鳥居をくぐっお参拝する機䌚はないかもしれない。

     参道の巊右には䞀般䜏宅。倧鳥居の内偎なのだからここは䞀応神瀟の境内だろうに、面癜い。神瀟の境内の䞭に䞀般䜏宅が普通にある、ずいうのも珍しい気がする。元々は神職さんの䜏たう䜏宅だったのだろうか。あるいは珟圚もこの蟺りに神職さんがお䜏たいなのかもしれないが。

     手氎に向かうず色鮮やかな花々が氎面を埋め尜くすように浮かんでいた。たるで手氎を䜿ったフラワヌアレンゞメントだ。これもなかなか芋ない。

     ちょうどこの時期はコロナ犍の最初の時期で、第䞉者同士が共有するほが党おのものが撀去されるか消毒しなければ䜿えなくなっおいた頃だった。このあおりで手氎も䌑止になっおいたのである。だが、この時期、倧倚数の神瀟でただ柄杓を撀去したり氎を止めたりするぐらいの察応で終えるずころを、手氎に花を浮かべお参拝者を迎える金峯神瀟の趣向は、「ようこそ、いらっしゃい」ずもおなされおいるようで心が和んだ。

     氎みくじも手氎の近くに眮かれおおりすごく気になったが、たずは参拝だろうず境内に向かった。金峯神瀟は駐車堎ず本殿のある境内が现い垂道で分断されおいる。おそらく元々は隣の公園も合わせお䞀぀の敷地だったのだろうが、時代の倉化に合わせお必芁最䜎限の现い道を通した結果こんな構成になったのだろう。だが、道を通す蚈画が出たずき、ここは神瀟の境内だ、道を通すなんおずんでもないず蚀い匵るこずはいくらでも可胜だったはずだから、必芁最䜎限の敷地を確保できるならいいですよず蚀わんばかりに垂道が敷地を分断しおいる金峯神瀟さん、なかなか鷹揚。

     道を暪断しお、本来なら鳥居の前で䞀瀌するずころだが本殿の敷地入り口に鳥居がない。ずりあえず敷地の手前で䞀瀌しお境内に入る。近くにあるこども園の児童が先生ず䞀緒にきゃあきゃあず境内で遊ぶ声がしお華やかな空気だ。
     参道を進むず、本来なら狛犬がいるべきずころに銬の像が䞀察あった。流鏑銬を奉玍する神瀟であるず知らなければ面喰らいそうだが、流鏑銬奉玍を行うず知っおいる身には「らしいなあ」ずいう感じ。しかし、この像はなんず呌ぶべきなのだろう。狛銬 たさかねえ。ちなみにこの䞀察の銬の像は青銅補。か぀お地元の名士が奉玍したもので、足元の台に由来がプレヌトで刻たれおいる。
     さおおき、本殿を芋䞊げる。目の前にでんず䜇む叀めかしい本殿は、嚁厳はあるが、芪しみやすさも感じさせるタむプのお瀟だった。神瀟ずいうのは空気から「居䜏たいを正せ、ここは神域であるぞ」ず圧を䞎えるタむプず、ひたすら芪しみやすく街の䞀郚ずしお溶け蟌むタむプがあるず著者は思っおいるのだが、金峯神瀟さんは間違いなく埌者。
     ずりあえず癟円をお賜銭箱に入れおお祈り。願い事は「心穏やかに生涯を共に過ごせる人ず“巡り合わせお”ください」。神瀟の暪手に蔵王堂城址ず暩珟様のお堂もあるようだったがこれは倱瀌ながらスルヌしお、瀟務所で瞁結びのお守りだずいう鈎の根付けを賌入し、その日は垰宅した。

     そうしお出䌚ったのがきょんさんなのかっお そう思ったのなら、残念ながらそれは倧間違いだ。

     この日の参拝の埌、著者は地元の団䜓が䞻催の街コンに参加した。そこで確かに「心穏やかに生涯を共に過ごせそうな人」ずは“知り合った”のだが、その方ずはご瞁がなかったのである。
     確かに“巡り合わせお”ほしいずしか蚀わなかったけど、そうじゃない!! そうじゃないんです!!
     金峯のかみさたああああああ、ず思わず頭を抱えおしたった。

     で、著者はその埌どうしたか。我ながらタフな性栌だず思うがぞこたれなかった。街コンの数日埌、金峯神瀟さんに改めお願掛けに䌺ったのである。
     錻息も荒く再床駐車堎に車を停めた著者を、金峯神瀟の本殿は「お、おう、いらっしゃい」ずいう雰囲気で迎えおくれた。再び敷地倖で䞀瀌しお境内に入り、本殿の前で「確かに先回もその埌玠敵な人に巡り䌚えたしたけど出䌚うだけじゃダメなんです、心穏やかに生涯を共に過ごせそうな人ず“ご瞁を結んで”ください」ず倧真面目にお祈りしお著者垰宅。神様に怒られるんじゃないかっお そうでもない。少なくずも金峯の神様に限っおは。きょんさんず知り合ったのはその䞀ヶ月埌だった。

     無事にきょんさんず亀際が始たり、付き合い始めおしばらく経ったころ、きょんさんず二人で金峯神瀟ぞお瀌参りに䌺った。二人でお賜銭を賜銭箱に奉じ、そこできょんさんに二回の金峯神瀟詣の話をするず、「䞍思議な話だねえ、そんなこずもあるんだね」ず感心した顔で本殿を芋䞊げおいた。
       こういうずころが著者ず生掻を共にできる所以なのだろう。ちなみに著者の友人たちにこの話をしたずころ、口を揃えお「文句蚀いに二回目の参拝に行くずころが匷すぎる」ずいう呆れの反応が返っおきた。正盎この反応のほうが正垞だず思う。
     それが党くなかったきょんさん、私ずは盞性が良いのだろう。

     確かにこの人ずなら心穏やかに生涯を共にできそうです。良いご瞁を結んで頂いおありがずうございたす。本殿の前で、きょんさんず䞊びながら深々ずお瀌をお䌝えした。

     ずもあれ。長岡垂の瞁結びスポット、金峯神瀟。こず瞁結びに関しおは本っ圓にめちゃくちゃ面倒芋の良い神様であらせられたすので、良いご瞁に恵たれたい方は詊しに参拝しおみるのも䞀興かず思いたす。ただし、くれぐれもお祈りの内容は吟味しおください。たた、無事にご瞁がたずたったら、どうか䜕かしらの圢で、お瀌参りも忘れずに。


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