traveria approach!!! 〜北九州を眺めたら〜 ③
あらすじ
今回の旅は、鉄道オタクで旅にカメラを持ち歩く れな、ゆいなの部下で現役ランナーとして全国のマラソンでサブ3に挑み続ける かの、
昔見た景色を探して旅で訪れた場所をスケッチブックに描く みうみの3人で、福岡県北九州エリアに訪れました。
少し時間が空いたかのは九州の街中を走り、新幹線や特急ではなく、普通列車に揺られて小倉から博多間を旅します。小倉でかしわうどんを頂き、スペースの世界が広がる広大な工場地帯を走り抜け、どんどん街中の景色が広がるのは見落としてしまいそうなものを見つけられた気がします。
観光地旅だけが全てじゃない。
みんなとなら旅の時間が何倍も楽しくなる。
そんな非日常旅をお届けします。
本編はこちらからです↓
窓の外を流れる景色を横目に、カバンの中から白色の絵の具を取り出してみると…
目の前が真っ白に染まっていきます。
…なんで?白に染まっているのだろう?
遥か遠くに赤色の絵の具が広がり始めた時、
「みうみーん?みうみーん?」
どこかから声が聞こえて来ました。
はっと思うと目の前にはれなさんがいました。
「みうみん。ま〜た頑張りすぎているんでしょ?」
「そんなことないですよ!ちゃんと寝てるはずです」
「まあ、頑張るのは良いけど、ちゃんと寝た方が良いよ。寝落ちしてたし…」
私は苦笑いをしてしまいました。
皆さん、こんにちは
私、みうみっていいます。
今日は、れなさんと新幹線で、とある場所へ向かう途中、現実なのか夢なのか分からない夢を見ていたみたいです。
「もうすぐ着くみたいだから、しまった方が良いと思うよ」
目の前の机には、スケッチブックと2Hの鉛筆が置いています。
そう言えば、絵の具は持ち歩いてないのに、
どうして出てきたのだろう…?
考えてもよく分からないので、とりあえず鞄にしまいました。
「今回は、彼女に会うのを楽しみにしていたんだよね!」
「私も久しぶりなので、ワクワクしています。そう言えば、お姉ちゃんも行きたかったって
ずっと言ってるんですよね」
「それ、私も聞いたよ。そもそも忙しい上に、長距離移動はちょっとって感じだったけど、それだけ部下に会いたいって言ってるような感じだよね」
れなさん、ちょっとその感覚は分からないかもです。
私たちを乗せた新幹線は、とある駅に到着しました。
「みうみん、やっと着いたね!」
「今回は、何時間くらい乗ってたんだろう…」
「確か…5時間くらいかな?」
「想像よりも乗ってますね!」
「飛行機だともっと時間短縮出来たのに、取れなくてごめんね」
「全然、気にしないでください!私は、れなさんとの旅の時間を楽しみたいので、早く行きたいとかそういうことにはこだわってないです」
「想像以上に予約埋まってて、何かイベントあるのかなって調べたけれども、特に何かあるっていうのは無さそうなんだよね〜」
新幹線もいつも以上に混雑しているような感じがしますが、それよりも久しぶりに会うあの人のことを考えると、こころがわくわくしています。
とその時、グループチャットのメッセージが届きました。
確認してみると、りおさんからでした。
『今日は、ホンマに行きたかったんやけど、大事な仕事が入ってもおて、行けんでごめんな〜!3人旅の思い出話、また聞かせてな〜!』
「みうみん、どうしたの?」
「りおさんから、『本当は私も行きたかった〜!』ってメッセージが届いてて…」
「りおっちらしいよね!最近、関西組2人で仲良いみたいだから、今回も来たいっていうのも分かるような気がするんだよね」
と話していると、またメッセージが届きました。
また、りおさんからかな?
と思い開いてみると
『れなさん、みうみさん、今どちらいらっしゃいますか?私は、新幹線の改札出たところにいます』
「もしかして、かのさん待たせてる?」
グループチャットのメッセージを遡ると…
「かなり早く着いてたみたいですね」
れなさんと私は、急いで改札口を目指しました。
「通知に気付かず、メッセージを見てませんでした。かのさん、本当にごめんなさい」
九州の玄関口、小倉駅の改札口を出ると、かのさんが待っていました。
「れなさん、みうみさん、遅かったですね」
「かのさん、メッセージ見てなくてすみません」
「全然気にしないでください〜!時間ができたお陰で、少し走れたので〜!」
だから、この格好なんだと理解しました。
「かのさん、初めまして。私、れなと申します。ゆいなんからいろいろ聞いてるよ」
「れなさん、やっと会えましたね。転勤前にお会いしたかったのですが、なかなかタイミング合わずでしたね〜」
れなさんとかのさん、いい感じだな〜!と思っていると、
「ちょっと着替えて来ても良いですか〜?
流石にこのままだと気まずくなってしまいますので」
と言い残し、かのさんは一旦行ってしまいました。
「れなさん、お姉ちゃんからどれくらい聞いていますか?」
「ゆいなんから……と言うより、りおっちからなんだよね。住んでるところが近いみたいでさ、よく会って語り合ってるみたいだよ」
あのメッセージはそういうことか…
と思っていると、かのさんが戻って来ました。
「お待たせしました〜!早く行きましょう♪」
私たちは、新幹線…ではなく、在来線の改札口を通り抜けました。
「かのさん…じゃなくて、かのちゃんって読んでも良いかな?」
「ぜひ、そう読んでもらえると嬉しいです〜!」
「れなさん、そういえば、まだご飯食べてないですよね?」
「ごめん、みうみんに言うの忘れてたけど、今からこの駅の名物を食べるよ!」
「私も楽しみにしすぎて、朝から何も食べずに走ったので、お腹ペコペコです〜」
改札を抜けて進み、とあるホームへ向かいました。
「目的地はここだよ!」
目の前には、かしわうどんと書かれたお店があります。
「小倉名物かしわうどん。九州に来るたびに、ここに立ち寄るのがルーティンになってるんだよね」
「私は、いつも改札階のうどんなので、ホーム上のお店は初めてです〜!」
そういえば‥‥前に見かけたような……
「みうみん、前に見たことあるって思ってるでしょ?ここは、大分や宮崎に行った時に、通り過ぎているよ」
やっぱり、見たことあるのは間違ってなかったんだ。
「でも、あの時は、時間がなくてスルーだったから、今回やっと食べられるのは嬉しいよ!」
「私も、久しぶりに九州旅行ができて、美味しいものたくさん食べたいですね〜!その分いつも以上に走る原動力にするのです!」
私も、かのさんみたいに、気合いを入れられるようになりたいです。
「お腹すいたので、早く食べたいです」
「そうだね!」
私たちは、券売機でかしわうどんをそれぞれ購入し、券を渡しました。
「れなさんは、九州来るのはいつぶりなんですか〜?」
「私は、1月ぶりかな?」
「確か、大分と宮崎に行った時ですよね!」
「みうみん、正解だね!あれから出張もあまり無くて九州来るのは久しぶりかも?かのちゃんはどう?」
「私は〜1年ぶりくらいです。前回もマラソン大会に参加するために来ました〜!」
かのさん、もしかして‥‥
と思っているうちにかしわうどんが順番に完成して、それぞれの前に置きました。
いただきます とこころの中で言うと、早速うどんを頂きました。
「このうどん、出汁が効いていて、普段食べている出汁と全然違います」
「確かに、東と西で出汁が違うのは有名だから、私たちがのイメージするものとは違うかもしれないね」
「関西に転勤になってから気づいたのですが、
関東は濃いめで、関西は薄味が主流みたいですね〜!りおさんがこの前、『東の出汁は、濃すぎて飲めへん(笑)』って言ってました〜!」
「3人とも東出身だもんね!その地域の特徴が食べ物に反映されてるよね!」
「そういえば、かしわって何のことですかね?」
「かしわは、鶏肉のことらしいよ!やっぱりうどんは出汁が命だね!」
れなさんが、西の出汁にハマっているみたいです
あっという間にうどんを完食し、お店をあとにしました。
「かしわの味が出汁に出ていて、お汁も全部飲みました〜!」
「れなさんが全て飲むこと、珍しいですね」
「まぁ、その時の状況によるかな?りおっちは、どこに行っても頑張って飲んでるみたいだけど」
「りおさんらしいですよね。確かこの前もラーメンのお汁を飲み干してた気がします」
「私も、見かけました〜!」
と話しているうちに、電車がやってきて、乗り込みました。
「とても混んでるみたいですね……」
「休日の昼間っていうのもありそうだね」
「私、普段この区間、新幹線か特急に乗ってることが多いので、普通列車で行くなんてとても新鮮です〜!」
「ここは、鹿児島本線と言って、特急だとソニックって列車が運行されてるよ!ソニックは、
白いソニックと青いソニックがあって……」
れなさん、好きな鉄道になると早口でついていけないです……
「れなさんって、好きなものになると夢中になってしまうのですね〜!私も、走ることになると同じ感じになってるかもしれないです〜」
「りおっちもこの前、なってたよね!オタクかマニアか言い合ってたし」
「私は〜マニアですよ♨️」
「みうみんもオタクだよ!」
「オタク……じゃなくて、マニアですー♨️」
「みなさん、それぞれ好きなものがあって素敵ですね〜!」
電車は街中を抜けて、少しずつ田園風景が見えるようになってきました。
「かのさんは、わざわざ九州まで来られたのですか?」
「実は、明日福岡県内でのマラソンイベントにエントリーしていて、まさか行くタイミングで
れなさんとみうみさんもどこか旅行するって聞いて、タイミングが良いなって思ってたんです〜!」
「そうだったんだね!まさかピンポイントで福岡県って聞いた時に、久しぶりの九州に行けるー!って即決したんだよね!」
また、行き先知らなかったの私だけみたいです。
「先日、れなさんから、『うどんとのんびり旅行こう』って来た時は、香川県に行くのかな?って思ってました」
「その話、りおりおさんから聞きました〜!
琴平で、2人とうどん作って、追っかけられたって言ってた気がします〜!」
「正確には、少し違ってて、偶然一緒にうどん作って、偶然、金毘羅宮で会ったんだよ」
「そうだったんですね〜!なぜだか分かりませんが、勘違いしてたみたいです〜」
りおさんが本気出すと、何だかよく分からなくなります。
ふと窓の外を見ると、田園風景が広がっている……
と思いきや、いつもと違う景色が見えました。
「みうみ〜ん?ここはどんなところ?って顔してるよ!
ここは、官営八幡製鐵所の創業をきっかけに発展したみたいだね!
北九州の工場地帯が広がるエリアで、
立地も良くて、石炭や鉄鉱石が集まる場所としめ、重化学工業の発展に伴い、日本近代化に貢献したみたいだよ」
「れなさん、いろんなことに詳しいのですね〜!」
「特に鉄道関連となれば、気が済むまで調べちゃうんだよね!」
やっぱりれなさんは凄いな〜!と思いながら窓の外を眺めると、今度はスペースワールドという文字が目に飛び込んできました。
「ここは、スペースワールド駅と言って、
もともと八幡製鐵所の跡地の一部にスペースワールドという遊園地があったから駅名になってるみたいだよ!駅名って、なかなか簡単に変えられるわけじゃないし……」
「れなさん、スイッチ入ってますよ〜!」
「ごめんごめん、そんなつもりじゃなかったんだけどね」
かのさんとこの感覚分かり合えてる気がします‥‥
「ちなみに私、何年前か覚えてませんが、スペースワールド行ったことあります〜!」
「そうなんですね!れなさんは行ったことありすか?」
「私は、何十回もこの場所を通過してるかな?」
さすが、鉄道担当だ!とかのさんと目を合わせてました。
電車はどんどん進み、工場地帯を抜けて、住宅街を感じる風景が見えるようになってきました。
「私、小倉から博多間は、新幹線しか乗ったことなくて、誘ってもらってなかったら、この景色も見れなかったんだな〜って思うと、特別な体験をしてるみたいです〜!」
「なかなか1人だと行きにくいところや、誰かと行くと普段感じられないことを感じられるって気がしますし、今回、かのさんとご一緒できて私も嬉しいです」
「特急列車も走っているけど、時間もあるんだしって思ってあえてローカルな旅を選ぶのも魅力的だよね!」
「それは、れなさんの趣味じゃないですか〜!」
「違う‥‥とは言えないけど、何よりも私だけが楽しめる旅じゃなくて、みんなと感じる旅にしたいからさ、あえて選ぶ時もあるよ」
「れなさんの感じる旅って、どのようなことだと思いますか〜?」
「旅は、観光地を訪れることだけが全てじゃないし、普段は新幹線を利用していて、たまには特急とか普通電車とかに乗って移動するのも旅だと思うよ!みうみんはどう?」
「私は……まだ見つかってないような気がします……」
「そうなんですか?私、てっきりれなさんやりおりおさんと風景旅するのが好きなのかな〜って思ってました〜!」
風景‥‥旅‥‥
「勘違いだったら〜すみません!」
「みうみんは、昔見た風景を探すために旅をしているんだよね」
「それは、そうなんですけど……」
「そんなにすぐに決めなくても良いのではないですか〜?私も決まってないような感じですし〜!」
「かのさんは、ランニング旅なんだと思ってました」
「そうかもしれないけど、大会に参加するために旅をして、その場所の巡るだけでは何か足りないのかな〜?って、最近思うようになったんです〜!」
「かのちゃんも旅スタイルも素敵だけれども、
少し違うことをやってみたくなるよね!」
その時、外を見ると、川の水面が一瞬光ったような気がしました。
「もうそろそろ、香椎(かしい)駅に着くみたいだね!なかなか特急だとスピードを出している区間だからみうみんとかのちゃんもなかなかこんな機会が頻繁にあるわけじゃないから、この時を楽しんだ方が良いよ」
見えている景色は、都会かもしれないけれども、いつも暮らしている関東と比べると何かが違うことは感じていました。
ただただ必死になりすぎて、これまでの旅で見落としているものをれなさんやりおさん、かのさんやお姉ちゃんが教えてくれたいたんだ。
どうしてこんなにも気がつけてなかったんだ……
「れなさん、かのさん、ありがとうございます。大切なことを見つけることが出来ました」
「みうみん、いきなりどうしたの?
ってみうみんらしいんだから♪」
「みうみさんの今回の旅の絵、楽しみにしていますね〜!」
あっという間に、博多に到着し、乗車時間は1時間30分がこんなにも心に刻まれる時間になるとは思っていませんでした。
夕日が沈み、暖かな夜空が広がり始める頃、
私たちは、屋台が立ち並ぶ通りを歩いていました。
「博多といえば、屋台ですよね〜!なかなか1人で行くのはちょっと‥‥って思っていたので、お二人と一緒で心強いです〜」
「確かに、この場所に女子1人でってなると、ハードルが高いですね」
「大丈夫!!!何かあったらどうにかするから!」
「れなさん、少し目が泳いでますよ」
「大丈夫だよ!」
れなさんが少し心配ですが、さまざまある屋台の中から選んだのは……
「やっぱりラーメンですよね〜!」
「私もラーメン食べたいと思ってました」
「じゃあ、ここで決まりだね」
屋台ラーメン屋に入ると、店主の方が暖かく迎えてくださり、私たち3人は、同じラーメンを注文しました。
「九州といえば、長浜ラーメンだね!とんこつラーメンのお店が立ち並ぶこのエリアで、ラーメン巡りをするのも楽しめそうだよね!」
「このエリアで女子1人では、出来なさそうですね」
「そんな時は、みんなで行けば、どうにかなりそうじゃないですか〜?」
「確かにそうだね!ぜひ次も付き合ってね」
と言っている間に、ラーメンが目の前に届きました。
いただきます。
細麺にとんこつのスープがとても合い、
あっという間に完食しました。
屋台をあとにして、駅への帰り道
「やっぱり本場で食べるラーメンは美味しいですよね〜!」
「私も、そう思います」
「次はどこのラーメン食べに行こうかな?」
「れなさん、まだ食べられるのですか?」
「もうお腹いっぱいだよ!次はどのラーメン食べるために旅をしようかなって考えてたんだ」
れなさん、ラーメン好きなんですね!
「私、この近くのホテルに泊まるので、
こちらで失礼します〜!」
「かのさん、明日のラン、楽しんでくださいね」
「終わってからも気をつけて関西に帰るんだよ」
「お二人も、良い旅を〜!」
見るもの全てが輝く、この北九州で、
私たちの思い出は、スケッチブックの中に描いていました。