
バリ島│炸裂ガムラン演奏に心酔(テジャクラ)
先週、バリ島の北部ブレレン県テジャクラ村にあるムラジャンで数年に1度の大きなオダランがありまして。
奉納演奏を間近でじーーーっくり鑑賞してきました。
いやぁ、ゴンがクビャルしまくってましたよ(詳細は後述)。迫力満点!胸が高鳴り、心が弾みました。
伝統楽器ガムラン好きさんに、ほんのりお裾分けです♪
🏵️ ガムランについて
Gamelanとは、インドネシアの伝統楽器による合奏です。
2021年12月15日にユネスコ無形文化遺産として登録されました。
その他、改めて書きますね。
かーなーりー長いですが、読むと動画が倍楽しめるかと。
すでにご存じで、「よう喋らはりますなぁ」とおっしゃる京男女は次の項目へお進みください。
◆ 中部ジャワ発祥のガムラン
中部ジャワ発祥で、ジャワ語の「叩く」「打つ」を意味するGamelが語源とされています。
古代ジャワ神話によると「神々を呼び出す合図」として作られたそう。
のちにジャワでは宮廷儀式や王様への芸術的な娯楽として、優雅で品のあるスローテンポが主流となりました。スパのBGMでよく使われてますね。気持ちよく眠くなるやつ。
さらに、西ジャワ・スンダや東ジャワ・マドゥラ、バリ、カリマンタン、ロンボクなど様々な地域へ広がって各地で発展を遂げました。
◆ バリで発展したガムラン
バリ島では宗教儀式や神々への奉納に欠かせない演奏で、ジャワに比べるとアップテンポです。寺院ではもちろん、結婚式や葬式でもガンガン叩きます。
ただしスロンディンはジャワの影響を受ける前からあり、バリ島固有の楽器とされています。
15世紀以前から存在していたとされる古いタイプの「Gamelan Wayah」は鍵盤楽器が主体で太鼓を使用しません。
最古のスロンディンをはじめ、グンデル・ワヤン、バレガンジュール、アンクルン、ガンバンなどがあります。
16~19世紀に生まれたとされる「Gamelan Madya」は、太鼓と鍵盤楽器が使われています。
ゴン・グデ、プレゴンガン、バテル・バロン、ガンブーなど。
20世紀に出現した新しいタイプが「Gamelan Anyar」。もっとも顕著な特徴の1つが太鼓などの叩き合いです。
今、主流のゴン・クビャルをはじめ、ゴン・スリン、ジェゴグなどがあります。
かつて、ジャワとバリのガムランの違いを知らず、マッサージ中に聞いた音楽が気に入ってCDを買ったところ、アップテンポすぎて全然リラックスできなかった思い出(笑)
◆ ゴン・クビャルはダイナミック演奏
先述のとおり、現在、バリ島内で数多く演奏されているのはGong Kebyarです。
ゴン・グデをベースに、1915年頃北部ブレレン県で生まれました。出始めた当時、圧倒的な斬新さと素晴らしさに魅了され、一気にバリ島全土へ広がったそう。これまでの伝統的なスタイルを凌駕したとまで言われています。
ガムラン楽器の1つにコブ付きの大きな銅鑼があり、それはGongという名称です。
が、ここでいうGongはバリ語で「集まる」という意味です。集まって奏でる。2人以上の合奏。
ひとりじゃないって~素敵なことね~(急に天地真理)。
Kebyarはバリ語で「ダイナミック」「力強い」という意味で、日本語では「爆発」「閃光」と訳されることが多いです。
でもね、私的には「炸裂」が一番近いかなと。爆弾・砲弾・花火などが激しく弾け飛ぶ、比喩的に感情や才能・人気などが一気に激しく表にあふれ出る、パフォーマンスや作品が強烈な印象を与える、みたいな。
その名のとおり、音の強弱やバリエーションが豊富で、メロディやテンポが急激に変化し、高度な演奏技術が求められます。
【参考】(インドネシア語)
・ISI BALI:バリ文化を守るガムラン・ゴン・クビャル
・ブレレン観光局:ゴン・クビャルの歴史
各楽器の説明はこちらを参考にどうぞ。
🏵️ 今回の奉納演奏・舞踊
「炸裂ガムラン?つべこべ言わず、どんなもんか見せてみーや!」とおっしゃる殿方。それは正論です。百聞は一見にしかず、ならぬ、百語は一聞にしかず。
ゴン・クビャル発祥地、北部の演奏を見てこいやー!(急に高田延彦)
◆ 演奏
この日は、いぶし銀のベテランセニマンを中心としたグループ編成で、ルマジャンが数人混ざっていました(ちなみに一部の重鎮はマエストロといいます)。
演奏は、なんとトータル8時間!午後4時から深夜0時まで。途中ご飯とお茶休憩以外はほぼ演奏しっぱなし。私は10時半までの6時間半でドロップアウトしました。彼ら、前日も翌日も叩いてたそう。どんだけー?!
超絶な速さで叩くコテカン=同じ楽器同士2パートに分かれて、互い違いにリズムを刻む演奏です。この速さでよく間に入るなぁと。激しく強く、急に弱く、ふたたび強く。なのに音が混ざらない。
クンダンがリーダーで、よく見ると肩や手で合図を出しています(特に向かって左側のおじさん)。調和が大事なので、指示出しが必須なんですよね。
チェンチェンも手抜きなし。おじいちゃんでも上手い。私が叩いたら絶対に間違う自信があります(え?自信?そこ?)。
超ショートで恐縮です。最後の終わり方を観てほしくて。
この速さなのにピタッと揃ってるんですよ。
長時間演奏につき、楽器を交代しながら叩きます。
上手い方はどの楽器を担当しても上手いです。先ほどの太鼓の達人は、1人で叩くトロンポンも優雅に奏でてらっしゃいました。なぜかつねにしかめ面でしたが(そういうお顔つき)。
もう1人、目が離せなかったのは、この曲で太鼓を叩いてた左側のおじさん。ウガールも、4人で叩くレヨンも見事でした。時々体全体でリズムをとって、楽しそうでしたよ。憧れる~。
◆ 舞踊
舞踊は午後6時開始。マトゥランがいったん終わってからでした。
1.ルジャン・デウォ
周りは「ルジャン・デウォ」と言い張るんですが、私が知ってるのとは曲も踊りも異なりまして…。なんのルジャン?複数の種類があるんですよね。誰か教えて。
2.バリス・グデ
後ろにいた小さい子たちが可愛かったです。一生懸命!
3.ルジャン・レンテン
こちらは私が知ってる曲と踊りでした。
実は数日前に義姉から「踊らない?」と声かけてもらったのですが、事前にYouTubeで確認したところ、前半はともかく、後半まったく記憶なし…習ったはずなのに!なので辞退しました。
美人さんが多く、いろんな意味で恥をさらすところでしたよ。あっぶね。
◆ 総評
いやぁ、長時間観てても飽きないほど、楽しく幸せな時間でした♡
一般的に、ベテランのセニマンはゆっくりめの曲を丁寧に合わせて、ルマジャンは速く強く粗削りに演奏します。
主観で大変恐縮ですが、たとえば…
ウブドの名楽団スダマニは、とても美しい音色で空間を彩ってくれます。
スカワティのグンデル・ワヤン名手のブダ氏一族は、息をのむほど素晴らしい呼吸感があります(2025年阿佐ヶ谷バリ舞踊祭で来日)。
バドゥアン村のジマット氏一族は、ガンブーなど古典芸能の演奏に秀でています(私の師匠のご一家)。
ギャニャール県は、全体的に芸術性が高いです。
が、北部ブレレン県にはブレレンの良さがあります。
このグループはいい大人たちが時に荒々しく、メリハリをつけつつ、豊かに奏でてくれました。そりゃ心奪われますって!
若手が加わって、将来を見据えたバトンが次々渡されるはず。そう思うとおばちゃん、涙出てくらぁ。いや、外国人が余計な心配しなくても、脈々と伝統文化が受け継がれていくことでしょう。いいなぁ。すごいなぁ。
では、ごきげんよう🕉️
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