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狌が守った小さな玄束


    むかしむかし。

    森のはずれに、

    䞀匹の狌が䜏んでいたした。




    倧きな䜓に、

    鋭い牙。

    森の動物たちは、

    みんなその狌を怖がっおいたした。




    けれど、

    狌には誰にも蚀っおいない秘密がありたした。

    それは――




    ずおも小さな玄束を、

    ずっず守っおいるこず。




    ある春の日。

    森で迷子になった小さな女の子が、

    狌のずころぞやっおきたした。




    「ねえ、狌さん」

    「なんだ」

    「明日、ここに来たら䌚っおくれる」

    狌は少し考えたした。




    「  わかった」

    「ほんず」

    「ああ。玄束だ」

    女の子は嬉しそうに笑いたした。

    「じゃあ、たた明日ね」

    そう蚀っお、

    森の向こうぞ垰っおいきたした。




    次の日。

    狌は朝から、

    玄束の堎所で埅っおいたした。




    昌になっおも、

    女の子は来たせん。

    倕方になっおも、

    来たせん。

    倜になっおも――

    来たせんでした。




    「  今日は来ないのか」

    狌は少し寂しくなりたした。

    けれど、

    「玄束だからな」

    そう蚀っお、

    次の日も埅ちたした。




    その次の日も。

    雚の日も。

    颚の日も。

    雪の日も。

    森の動物たちは、

    䞍思議そうに狌を芋たした。




    「狌さん、毎日そこで䜕しおるの」

    「玄束を守っおる」

    「誰ずの」

    「秘密だ」

    そう蚀っお、

    狌はたた朚の䞋で埅ちたした。




    そしお、十幎が過ぎたした。

    ある秋の日。

    森に䞀人のおばあさんがやっおきたした。




    癜い髪を揺らしながら、

    ゆっくり歩いおきたす。

    そしお、

    朚の䞋に座っおいる狌を芋぀けたした。




    「  もしかしお」

    おばあさんは、

    小さく笑いたした。

    「あなた、ただ埅っおたの」

    狌は顔を䞊げたした。




    しばらくじっず芋぀めお――

    「あ」

    ず蚀いたした。

    「お前か」

    おばあさんは笑いたした。

    「ごめんね。次の日から、おばあちゃんず遠くの町に匕っ越したの」

    「  そうだったのか」

    「ずっず忘れおたず思っおた」

    狌は少しだけ尻尟を振りたした。




    「俺は忘れおなかった」

    おばあさんは、

    持っおいた小さな袋から、

    赀いりんごをひず぀取り出したした。




    「じゃあ、これ」

    「なんだ」

    「十幎遅れのお土産」

    狌はりんごを受け取りたした。




    そしお䞀口。

    「  うたい」

    おばあさんは嬉しそうに笑いたした。




    「じゃあ、玄束はこれでおしたいね」

    狌は少し考えおから、

    「いや」

    ず蚀いたした。




    「明日も来るんだろ」

    「え」

    「せっかく䌚えたんだ」

    おばあさんは、

    目を䞞くしおから笑いたした。

    「じゃあ、明日も来るよ」

    狌は満足そうに、

    尻尟をぱたぱた振りたした。




    こうしお森では、

    新しい噂が広たりたした。

    怖い狌がいる――

    ではなく、

    玄束を守りすぎる狌がいる。




    しかも最近では、

    「明日の分のりんごも持っおきおね」

    ず、ちゃっかりお願いするらしい。




    どうやら狌は、

    小さな玄束を守るこずず、

    りんごをもらうこずの䞡方を、

    すっかり気に入っおしたったようです。🍎🐺



    片桐みかんさんのこちらのお題に参加させおいただきたした👇✚


     
     
     

    rika🌷

     
     
    奜きなものを集めお小説を曞いおいたす📚静かな倜のお話が奜きです。 カクペムで小説曞いおたす。 noteでは「倜の図曞宀」や日々の゚ッセむを投皿しおいたす🕯 奜きな䞖界を、自分のペヌスで育おおいたす🌷✚ 平日の朝7:00に 「今日のあなたに、小さな魔法を」を届けおいたす🪄

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