
昼下がりのワインと映画とすももについて
昨日、金曜日の夜は久々に夫と外食をした。帰り道に寄ったスーパーで、熟したすももに2人とも目を奪われて迷いなく購入した。
今朝、冷蔵庫から冷えたすももを取り出してひと口。みずみずしく、キンキンに冷えたすももは口の中でとろっと甘味が広がる。と同時に、私はある映画を思い出す。ジム・ジャームッシュの『パターソン』だ。
『パターソン』の中に、Willam Carlos Williamの詩が出てくるシーンが私は好きだ。
This Is Just To Say
BY WILLIAM CARLOS WILLIAMS
I have eaten
the plums
that were in
the icebox
and which
you were probably
saving
for breakfast
Forgive me
they were delicious
so sweet
and so cold
私が明日の朝ごはんに、とわくわくしながら冷蔵庫にいれておいたすももを、夫が夜な夜な起きてきて、こっそりと、ひとつ、またひとつ、と気づいたらすべて食べてしまった。朝、私がいつもより少しだけ早く起きて、冷蔵庫を開けると、あるはずのすももが姿を消していて、代わりに申し訳なさそうな顔をした夫がチラチラこっちを見ている...という情景が目に浮かぶ。(現実では、どちらかというと私と夫の行動は逆であることが自然だが...)
食べ物の恨みは根強い。とはいえ、冷蔵庫のすももを食べちゃった、許してくれ、おいしかったんだ、とっても甘くて、とっても冷たくてさ。なんて言われたら、思わずくすっとしてしまうだろう。すももは甘くて冷たいものに限る。そのすももは甘くて冷たくて、良かったなと思う。
夫と、すももとワインを味わいながら、久しぶりに『パターソン』を観た。
思えば、登場人物のパターソンとローラは、私たち夫婦とそっくりだ。きっちりしていて坦々とルーティンの日々を過ごす男性と、毎日違うことをしたい自由でクリエイティブな女性。現実主義な男性と、たくさんの夢をみる女性。既存の自分の居場所を大事にする男性と、自ら自分の世界を広げていく女性。ローラを愛する男性と、パターソンに愛される女性。
価値観は似ていて、性格が違うからこそ、夫婦は生活を共にしつつ、味わい深い人生を過ごせるのかもしれない。
そんなことを思った休日の昼下がりでした。
ちなみに、犬のマーヴィンの代わりにうちには猫のゴロリがいるのも似ているポイントでした。