
「丁寧な暮らし」はトッピングで。
ひとり暮らしを始めたばかりの頃、
丁寧な暮らしに憧れて、電子レンジを持っていなかった時期がある。
「温めたいときは蒸籠を使いましょう」
「そもそも、その都度料理を作れば温かいままで食べられます」
そんな暮らし玄人な考え方が、なんだかとても格好よく見えて
まだそんなに家事スキルもないうちから
形だけ丁寧な暮らしを真似て、そのときは大失敗。
蒸籠をきちんと乾かさず、濡れたまま放置して、カビこそ生えなかったものの、変色させてしまったこともあるし
そもそも慣れない家事と仕事でいっぱいいっぱいなのに、その都度料理するなんて無理。
手っ取り早くレンチンしたい!!と心底思い、結局そのときはレンジを購入し、蒸籠も使いこなせずに捨ててしまった。
それ以降、何度か引っ越しを経験して、そのたびに家具・家電の入替は発生したけれど、レンジは必需品として暮らしの中に君臨し続けていた。
が、ちょうど一か月ほど前に、突然レンジが故障。
スイッチは反応するのだけれど、スタートボタンを押しても「ブオーーーン!!」と異様に大きな音がするだけ。
あまりの異音に愛犬も吠え出すし、そもそも食べ物が温まらないのだ。
すぐに買い替えたかったのに、そのときは体調不良真っ只中で、買いにも行けないし……。
(わたしも夫も、家電は実物を見て買いたい派で、ネット注文は不可なのです…。)
そのままずるずると体調不良が長引いたせいで、はからずも電子レンジなし生活を送ることに。
けれど、これが意外と、今のわたしにはしっくりきていて、
昔は早々に挫折したレンジなし生活が、今回はストレスなく続いている。
体調が戻った今は、むしろ買いに行くほうが面倒くさいくらい。
温めはどうしているかというと、基本は蒸し器。
蒸籠の失敗は今も引きずっているので(笑)、ステンレス製で、手入れが楽な蒸し器を使っている。
水を沸騰させなければいけないから、温めに時間はかかるのだけれど、今はそれも手間には感じない。
昔に比べて、市販の冷凍食品を買うことが減ったのと、作り置きもあんまりしなくなったのも、今回はちょうどよかったのかもしれない。
ご飯は元々お鍋で炊いているので、一合炊きをして、夫とその都度食べきってしまえばいいし。
食パンなんかは冷凍しておくことが多いけれど、蒸し器で蒸せば解凍はできる。
表面をカリカリに仕上げたいときは、少し手間だけどフライパンで焼き目をつけている。

食べるときにパンくずも散らないので
我が家はむしろこのスタイルで食べる食パンのほうが好き。
たまに、家でフォカッチャを作ることがあるのだけれど、そのときもエアオーブンで簡単に焼けるし
洋菓子は手作りすることがないので、レンジだけでなくオーブンも必要ない。

パンだけでなく、おかずも作れてすごく便利。
お惣菜の揚げ物をこれで温め直すと
衣がカリッカリ&余分な脂もカットできるので、一石二鳥です◎
振り返ってみると、昔は「丁寧な暮らし」というイメージ・型に、
自分を無理やり合わせようとしていたのだと思う。
でも、それって結局、「他人軸」な暮らし方でしかなくて
自分の心地よさ、やりやすさを二の次にしてしまいやすいし
そうなると居心地の悪さや暮らしにくさが積み重なって
暮らしを楽しむ気持ちすら持てなくなっていってしまう。
昔は失敗に終わった「レンジなし生活」が、今回は不便ではなく、
むしろ愛おしい工夫として馴染んでくれたのは
わたし自身が色々な試行錯誤を経て、今の自分の生活のサイズや、
「ちょうどいいな」「これでいいじゃん」と
納得できるやり方を少しずつ積み重ねてきたから。
要するに、今の暮らしの土台にあるのは「自分軸」で、
その上に「レンジなし(丁寧な暮らし)」というトッピングが乗っているから持続する、ということなのだろう。
自分軸の暮らしに必要な一貫性は、「何をするか」ではなく「どう在るか」。
そのときの自分が「いいな」と思えるなら、捨ててもいいし、取り入れてもいいし。
そんな余白を残しておくと、毎日は少し楽しくなる。
ちなみに、わたしは別に
レンジを使わないこと自体にこだわりを持っているわけではなので
今後またほしくなったら買い直すと思うけど……
まぁ、それはそのとき考えるとします。笑
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