
ディズニーも全面協力。難病の子どもたちのための「もう一つの夢の国、Give Kids The World Village」
世界には、まるで魔法のような場所が実在します。
2025年、私たちは難病の子どもたちの願いを叶える国際的ボランティア団体「Make-A-Wish(メイク・ア・ウィッシュ)」を通じて、フロリダにある『Give Kids The World Village』を訪れました。
当時、この場所について日本語で調べても情報はほとんど出てきませんでした。
そこは、難病と闘う子どもたちの「願い」を叶えるために作られた、愛と笑顔に満ちた場所。私たちが体験したことを必要としている人に届けたくて、日本ではまだあまり知られていないこの温かな村について、皆さんに共有させてください。
【Give Kids The World Village】
フロリダ州キシミー、オーランド国際空港から車で約30分の場所に「Give Kids The World Village(ギブ・キッズ・ザ・ワールド・ビレッジ)」はあります。
ここは、招待された難病の子どもたちとその家族が、1週間の幸せな時間を過ごすために作られた特別な施設です。
【Give Kids The Worldのはじまり】
設立のきっかけは、白血病を患っていたエイミーという女の子の「オーランドのテーマパークへ行きたい」という願いでした。
ホテル経営者のヘンリー・ランドワースは、彼女の願いを叶えるために滞在先の準備を進めましたが、当時は手配に時間がかかりすぎ、エイミーの願いは叶わないまま彼女の短い生涯は幕を閉じてしまいました。
公式サイトには、こう記されています。
“This unfulfilled wish inspired the hotelier to make a vow that no child in need would ever be failed again.”
(この叶わなかった願いをきっかけに、彼は「助けを必要とする子どもを二度と失望させない」と誓ったのです)
この強い想いから、1986年に非営利団体「Give Kids The World」が設立され、1989年にこのビレッジが誕生しました。
このプロジェクトには、設立当初からウォルト・ディズニー・ワールド・リゾートが公式パートナーとして全面協力しています。
ヘンリー氏がエイミーの願いを叶えようと動いた際、ディズニー側も即座に協力体制を築いたという歴史があります。
以来、ここはディズニーも認める、難病の子どもたちのための「もう一つの夢の国」として歩み続けています。
2026年現在、敷地面積は89エーカー(東京ドーム約19個分)にまで広がり、168棟のヴィラ(コテージ)が立ち並んでいます。
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ビレッジに入ることができるのは、招待された家族と関係者、ボランティアスタッフのみです。
周囲は自分たちの境遇を理解してくれる人々や、同じような状況にある家族ばかり。
そのため、周りの目を気にすることなく、心穏やかに過ごすことができます。
到着後はオフィスでチェックインを行い、スタッフの案内で宿泊先のヴィラへ向かいます。
スタッフが、かわいいリストバンド型の鍵を子どもの腕に付けてくれます。
そして、ウィッシュチャイルドがオートロックの鍵を開け、ドキドキしながらドアを開きます。
中は広々とした清潔な空間でした。
ダイニングで施設案内やルールの説明をしていただいた際、とても印象に残った言葉がありました。
「最後の日、部屋を出る時に掃除をしないでください。」
最後の最後まで、家事などの日常を忘れ、夢の国を味わってほしいという素敵な気遣いに感動しました。


名前が書いてありました


世界中から招待された家族は、施設内のすべてのサービスを無料で利用できます。
この夢のような運営を支えているのは、世界中から集まる寄付と、年間延べ3万人以上のボランティアの方々の存在です。
ヘンリー氏の誓いに賛同した多くの企業や個人の善意が、この村のすべてを形作っています。
ビレッジでの滞在を何より特別なものにしているのは、そこで働く人々の溢れるような優しさです。
レストランはセルフサービス形式で、70歳を超えるベテランボランティアの方々が「これも食べるかい?もっと入れるかい?」と穏やかな笑顔で迎えてくれます。
お米が恋しくなると思っていたけど、夕食が中華の日もあり、レパートリーが豊富なことに驚きました。
朝食時には、お願いするとパークへ持っていくランチ作りを手伝ってくれます。
トレーを持って歩くのが難しい小さな子どもや介助が必要な子には、高校生くらいの若いボランティアが優しくサポートしてくれます。
いつもは子どもたちのお世話でドタバタの食事も、とても穏やかに過ごせました。

食べ物や飲み物を部屋まで届けてくれるサービスがあるほか、アイスクリームショップやカフェも併設されています。
朝から晩までアイスクリームが食べ放題です。「朝食にアイスクリームを食べてもいい」というルールは、子どもたちにとって特別です。
8種類のフレーバーがあり、シェイクにすることもできます。




【充実した施設とイベント】
ビレッジ内には、子どもたちが楽しめる設備が凝縮されています。
メリーゴーランド、車椅子のまま乗れる乗り物、ウォーターパーク、遊具、園内を走る汽車やバス。
ゲームコーナー、鉄道模型、映画館、実験室。毎週ハロウィンやクリスマスのイベントも開催されます。
そして、ディズニーキャラクターが遊びに来てくれます。

でミッキーミニーと写真撮影会


さらに、看病で忙しい両親のためのデートタイムが設けられたり、寝る時間を伝えておくとディズニーのキャラクターが部屋まで「おやすみ」の挨拶に来てくれたりと、家族全員に寄り添ったおもてなしが用意されています。
滞在中の家族には、家族の選んだテーマパークの入場券が贈られます。
私たちは、ディズニー・ワールド、ユニバーサル・スタジオと、シーワールドを贈っていただきました。
入場券に加え、待ち時間が体の負担にならないよう優先的に案内される「スペシャルパス」が贈られます。
また、マジック・キングダム内には「Make-A-Wish」などの願いを持つ子ども専用のラウンジ(Wish Lounge)が用意されています。
冷房完備の屋内空間には、軽食・飲み物、TV・DVD・ゲーム・本などがあり、
移動や遊びの合間に、静かに休憩できる貴重な場所となっています。
そして、パークから帰るときの寂しい気持ちがなくなるよう、毎日部屋に戻ると「お帰りギフト」が置いてあります。
海賊の変身セットや、ディズニーのフィギュアやぬいぐるみ。毎日たくさんありました。
そのギフトで遊びながら寝る準備をして、翌日を楽しみに、かわいいお部屋で寝る。
最高の夢の国です。

ビレッジ内にある「奇跡の城(Castle of Miracles)」は、訪れるすべての子どもたちにとって大切な場所です。
子どもたちは自分だけのオリジナルの星を作り、それを「奇跡の城、スタータワー」の天井に飾ることができます。
星はタワー内の制作スペースで作ることも、自分の部屋で作ることも可能です。



2025年時点で、天井を彩る星の数は13万2千個を超えました。飾られた星は、子どもたちがここで過ごした幸せな時間の証として、いつまでも輝き続けています。
その場所を離れる時、いつでも戻ってきていいよ、というパスポートや、塔に飾ったものと同じ星。そして、住んでいる地域にあるアミューズメントパークの無料チケットなどを贈っていただきました。
「Give Kids The World Village」で過ごした時間は、私たち家族にとって一生忘れることのできない、奇跡のような日々でした。
日本ではまだ、この施設の存在は広く知られていないかもしれません。けれど、ヘンリー・ランドワース氏が誓った「子どもたちを二度と失望させない」という強い想いは、今もフロリダの空の下で輝き続けています。
世界には、こんなにも優しさに満ちた場所が実在すること。そして、今この瞬間も、誰かの願いを叶えるために動いている人々がいること。
この村で受け取った溢れるほどの優しさに触れ、私も誰かの心を灯せるような温かい人でありたい。そう思いました。
この場所で教えてもらった無償の愛を、今度は私なりの形で、誰かへと繋いでいこうと思います。
この記事を通じて、この温かな村の存在が一人でも多くの方に届き、いつかどこかで、誰かの希望の光になることを心から願っています。
※この記事は2025年時点での私たちの体験に基づいています。施設の内容やサービス、イベントなどは時期や状況によって異なる場合がありますので、最新の情報は公式サイト等でご確認ください。
「関連団体」
Make-A-Wish Japan
https://www.mawj.org/
Make-A-Wish Canada
https://makeawish.ca/
Give Kids The World
https://www.gktw.org/
《フロリダでの体験記》
出発前の絶望を「勇者の証」へと変え、そして「普通である必要なんてない」と、前を向くことができた旅の記録を綴っています。
多くの方に共感いただき、コングラボードをいただいた大切な記録です。ぜひあわせてご覧ください。