
こんぶ姫、竹林を売る(連載・9)
9.見落としていた契約条件
この記事では、こんぶ姫こと私が、フルタイムの仕事と家事をしながら、長年所有していた竹林を売却するまでの過程を書いています。
同じように「負動産」を抱える方が、何から始めればよいか、また注意すべき点を考えるヒントになれば嬉しいです。
前回は、「売渡承諾書」にサインしたこと について書きました。
今回は、見落としていた契約条件 について書きます。
■「この契約、本当に進めて大丈夫ですか」
「売却承諾書」を返送してまもなく、A社より契約書案がきました。
残念なことに、氏名をはじめ数字や日付など、
基本事項が誤字脱字だらけで、添削すると真っ赤になるほど。
「………あああああもううっっっ!!!イライラする!!!」
頭を抱えながら、清書しました。地味に労力がかかった作業でした。
契約書案には、測量が不調に終わった場合の費用や、地中埋設物が見つかった際の撤去費用について、いずれも売主負担と明記されています。
念押しするように、赤字でコメントが添えられていました。
「どの契約においても売主負担で行うのが通例です」
一方でBさんとのやり取りも続いており、契約書案を見て言いました。
「この契約、本当に進めて大丈夫ですか」
■ もう一度、リスクを見よ
「何度もお伝えする形で恐縮ですが――」
という書き出しで始まったメールには、はっきりと書かれていました。
この内容では、測量がうまくいかなかった場合、それまでにかかった費用は売主負担。
地中障害物が見つかった場合の撤去費用も、原則として売主負担。
しかも、それは「例外なし」。
それでも私は
「でも、契約解除できる条文があるし……」と思っていました。
契約書案には、
「費用が高額になる等により困難な場合は、協議により本契約を白紙解除できる」
という文言が入っていたからです。それにより、「最悪の場合でも、途中で止められるなら大丈夫では」と、考えていました。
しかし、Bさんの考えは違いました。
■ 契約解除できても、費用は残る
Bさんから返ってきたメールは、かなり長文で、契約の構造を一つずつ整理しながら説明してくれました。
「地中障害物の撤去費用が高額となった場合は、取引自体が白紙になる可能性があります」
ここまでは、私の理解と同じでした。
問題は、その次です。
「その場合であっても、測量費用・伐採伐根費用は売主負担として残ります」
つまり、契約が解除できても、費用がゼロになるわけではない、ということでした。
測量や伐採には、それなりの費用がかかります。
「それは最初に、A社からもらった見積額ですよね」と指摘すると、
このような回答が来ました。
「今回の撤去費用の見積もりはすべてA社で作成しているため、
裏付けがあるとはいえません。
自分に損がでないように、作成していると思いますよ」
淡々とした文面でしたが、頭の中で、何かがつながり始めていました。
私は何か、間違えたかもしれません。
次回に続きます。
■ 注意事項
あくまで個人の体験談です。土地ごとに事情は異なるため、ご自身のケースは必ず専門家にご相談ください。
私は不動産業者や、法律の専門家ではありません。
プライバシー保護のため、具体的な土地の情報・金額・関係者については記載いたしません。