
道の途中にて咲く19
Chapter19「30歳の、僕②」
僕はネタ合わせに、少し遅れて到着した、
痛み止めで調子も良い。
『ごめん!ちょっと遅れたわ!』
と言う僕に、中田が
「珍しいな遅刻、コーヒー頼んどいたで」
どうやら何もバレてはいない、
名安は早速、
「この展開で、内容どんなん考えた?」
とすぐネタ合わせは開始された。
大きい単独ライブが近いのもあって、時間に追われているのは明らかだった、
僕の頭も体も、ゴミ屋敷みたいで、
でもその中で家主だけが、わかるスペースがあり
そこは聖域で、不自然な程に綺麗に保たれてる一角だ、
それが無くなれば、僕はもう終わりだと思う、
誰からも必要とされる事は無くなるだろう。
その聖域に置いておいた、発想を大切に話した。
『展開そのものを変えよう。』
ネタ帳を睨みつけていた、
中田の視線を僕が独占した、
「いや、展開はこれでいこうって話しやったやん。
内容思いつかんかったってこと?」
当然の意見である。
しかし、僕は自信があった、
なぜならこれはきっと、僕の経験則の全部だ。
中田と名安なら、きっと僕の想像通り、
あるいはそれ以上に出来るはず、
僕はコーヒーで少し唇を濡らし、思い付いた全てを話した、
中田も名安も、各々自問自答している。
沈黙を破ったのは、中田だった、
「めちゃくちゃアリやな、ちょっと大変やけどその展開で作るか。」