
あの夜、夫に「何が一番大切なの?」と聞かれた話
朝活を続けられるようになったきっかけを、以前の記事で少し書いたことがあります。
「そんな生活の中で、あることが起きました。(この話はまたいつか書こうと思います。)」
あれから、ずっと書けずにいました。
でも今なら、書ける気がしています。
2025年の夏、私はSNS案件の詐欺に遭いました。
当時は、生ごみ処理機の紹介をインスタやライフスタイルメディアで発信していて、たくさんの方に見てもらえるようになっていた頃でした。
そんなある日、TikTokのDMに案件の依頼が届いたんです。
生ごみ処理機を提供してもらい、インスタに3回投稿する。報酬は10万円。
今思えば、フォロワー1000人以下のアカウントに高額案件が届く時点でおかしかったんですよね。
でも当時の私には、そのおかしさが見えていませんでした。
やり取りはとても丁寧で、契約書も交わしました。
ちょうどお盆の帰省中で慌ただしく過ごしていたこともあり、冷静に考える余裕がなかったんです。
そして気づいたときには、70万円を振り込んでいました。
最初は誰にも言わないつもりでした。
自分のお金で被害に遭ったんだから、自分で何とかしよう。そう思っていたんです。
でも、家族には生ごみ処理機が届くことを話していたので、何もなかったことにはできませんでした。
それに、私の様子がおかしいことにも気づいていたみたいで。結局、全部を話しました。悔しくて、情けなくて。涙が止まりませんでした。
ひととおり話し終えたあと、夫が静かに口を開きました。
「副業って、そんなに必死にやるものなの?」
「毎晩遅くまで起きてるし、子どもたちを寝かしつける時も座ってるし。せめて寝たふりしたら?」
「そんなにお金に困ってるの?」
「何のために副業してるの?」
責めているわけではありませんでした。ただ、心配していたんです。その声のトーンで分かりました。返す言葉がありませんでした。
そういえば、息子にはいつも聞かれていました。
「ママ、今日は一緒に寝れる?」
でも私の答えは、いつも同じでした。
「ごめんね…」
そして夫は、最後にこう聞きました。
「何が一番大切なの?」
その瞬間、一瞬言葉が出ませんでした。
少しして、私は答えました。
「子どもたち。家族。」
その言葉を口にした瞬間、気づいたんです。
目の前には可愛い子どもたちがいて、支えてくれる家族がいる。
十分幸せだったはずなのに。
私は何を追いかけていたんだろう。
そう思いました。
次の日、警察へ行きました。
振り込め詐欺救済法の手続きも行い、約8か月後に4万円が戻ってきました。
66万円の勉強代でした。
あの夜、夫と話しながら、ぼんやり思ったことがあります。
このままの毎日を続けたくないな、って。
睡眠を削って、家族との時間を削って。
いつも何かに追われながら生きていた気がしました。
必死に生きるんじゃなくて、毎日を楽しみたい。
そう思ったのは、あのときが初めてだったかもしれません。
それからは、21時に子どもたちと一緒に寝るようになりました。
副業の時間を確保するために、自然と朝早く起きる生活になっていきました。最初は全然起きられませんでした。
それまでの私は、仕事が終わるまで寝ないのが当たり前。睡眠を削ることに慣れてしまっていたんです。でも少しずつ、朝起きられるようになりました。
朝は驚くほど頭がクリアでした。
夜よりも作業が進む。
通勤電車で寝ていた時間も、気づけば有効に使えるようになっていました。
そして不思議なことに、副業の幅も少しずつ広がっていきました。
収入も自然と増えていきました。
必死に時間を削っていた頃に欲しかったものが、少しずつ手に入っていったんです。
昔思い描いていた理想。
子どもや家族との時間も大切にしながら、自分で使えるお金もある暮らし。
それが気づけば、少しずつ現実になっていました。
詐欺に遭ったことは、本当にショックでした。
まさか自分が、と思ったし、立ち直るまでにも時間がかかりました。
66万円は大きな代償でした。
でも、あの問いかけがなければ、きっと私は気づけなかったと思います。
今も「ごめんね」と言いながら、子どもたちより仕事を優先していたかもしれません。
あの夜は、間違いなく私の人生の転換点になりました。
そして今日も私は、21時に子どもたちと一緒に寝ます。