
その街、陰キャ色。┊︎マテーラ🇮🇹
私は、色がないとダメな人間。
鮮やかな赤や青、強いコントラストの配色、ビビッド色の洪水みたいな空間が好き──色で気分が決まる。
旅先だって、カラフルさで決めがち。
でも、ここ、マテーラ。
石、石、岩。
ベージュ、グレー、くすんだ白。
それが永遠に続く。色を忘れてしまった街。

それでも、私はこの街をカラフルだと思った。
石は、時間とともに色を変える。
太陽が当たると、金色に、ピンクに。
道端のサボテンは、鮮やかな緑を放ち、
古い壁画の赤は、時を超えてくっきりと蘇る。
干された洗濯物が、色を添える。
少しの色がやけにビビッドに映える。


単色背景だからこそ、隠れた色がくっきり浮かび上がる。
ちゃっかり主張してる。
〝ぽっと出〟じゃない、時間の紡いだ奥行きがある。
それが、マテーラの色。
派手さはないけど、いつまでも消えない。
社交的じゃないけれど、じわじわとその場に馴染んでいる。
陰キャな色たちは、今日も黙々と、
でも確かな存在感で色づいている。





マテーラについて
イタリア南部の岩山に寄り添うように広がる「マテーラ(matera)」。ヨーロッパ最古の街の一つとして、世界遺産にも登録されています。石器時代から人々が住んでいたと言われ、渓谷の岩肌に掘られた洞窟住居「サッシ(Sassi)」は、まるで時代を超えたかのよう。かつては劣悪な衛生環境から「イタリアの恥部」と呼ばれ、交通の便が悪いため「陸の孤島」とも言われました。しかし、近年、その美しい風景と歴史的価値が再評価され、今では訪れる価値のある絶景スポットとして脚光を浴びています。
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