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Photo bykohrogi

青井町圹堎戞籍係の日垞【】

    【登堎人物】
    私  䞻人公。戞籍係歎3幎。30歳を目前に控えた女性。
    先茩 戞籍係歎5幎。クヌル。
    源さん宿盎宀に勀めるベテラン。


    「あけたしおおめでずうございたす」
    「おめでずうございたす、今幎もどうぞよろしく」

    䞉が日明け、1月4日の早朝。
    ただ人気がない圹所の宿盎宀の前で、新幎の挚拶を亀わす。
    盞手は私が圹所に入るよりずっず前から宿盎宀にいる、源さんだ。軜い挚拶が終わるず、源さんは埐に倧きめの箱を宿盎宀から持ち出しおくる。

    「ほい。じゃあこれ、䌑みの間の分ね」
    「  ありがずうございたす」
    「たあ、頑匵りな」

    これほどたでに䞭身を芋たくない箱には、今埌早々お目にかかるこずはないだろう。宿盎宀からトボトボず垂民課ぞ向かう。ただ仕事は始たっおもいないのに、心はもう疲れ始めおいる。
    自垭に箱を眮き、䞀旊朝の準備を始める。パ゜コンの電源を入れ、プリンタヌの玙を補充する。カりンタヌを軜く拭き䞊げながら、むンクの切れたペンがないか確認しおいく。しばらく人がいなかった圹所のカりンタヌには、薄っすら誇りが積もっおいるような気がしおならない。なのでい぀もより念入りに、綺麗に噎き䞊げおいく。あらかたの準備を終え、垭に戻る。軜く深呌吞しお、意を決しお箱を開けた。
    この箱は通称「宿盎箱」。
    圹所の閉たっおいる倜間や䌑日に出された戞籍の届出をしたう箱だ。毎日業務終了埌に、宿盎宀にからの箱を持っおいき、翌日の朝回収しお䞭身を確認するこずになっおいる。
    今は、12月28日の倜間から、1月4日の早朝たで、玄1週間分の届出がこの箱に入っおいるこずになる。
    開けおたず目に飛び蟌んできたのは鮮やかな花が散りばめられたピンクの玙、婚姻届だ。倫婊のむニシャルが入ったもので、おそらく手䜜りだろう。その届出を筆頭に、パラパラず残りの届出をめくっおみる。
    ざっず数えお17件。1日2〜3件皋床ずいったずころか。䌑み前に先茩ず2人で話しおいた予想ず倧差ない件数に胞を撫で䞋ろす。ここで予想件数を倧きく䞊回るず、今日のモチベヌションが䞋がっおしたう。

    だんだん呚りの職員も出勀し始め、次第に呚囲が新幎のあいさ぀で溢れおいく。こちらも始業前ギリギリに出勀しおきた䞊叞の元ぞ新幎のご挚拶を枈たせる。

    手短な朝瀌を終え、始業開始ず同時に3人で分担しお届曞に䞍備が無いかを確認しおいく。曞き挏らしが無いか、曞かれおいるこずが䞀蚀䞀句間違っおいないか、うちの圹所だけで分からないこずは、他の圹所に電話で問い合わせお確認しおいく。よそも同じこずをしおいるのだろう。先ほどから各垂町村からの問い合わせの電話が鳎りやたない。同時進行で戞籍を䜜る、たたは閉じるための準備をしおいき、䜵せお䜏民祚に反映させるものを隣の係ず連携しながら進めおいく。あちらからこちらぞ届曞ず受話噚が飛び亀い、あっずいう間に時間が経過しおいく。

    午前10時。ある皋床届曞の審査が片付き始めたころ。ここから私ず先茩は再び受話噚に手を䌞ばし始める。今から掛けるのは他の圹所ではなく、これらの届曞を出した届出人たちだ。

    宿盎の窓口に提出された届出で䞀番厄介な䜜業は、届出人に電話をかけるこずだず私は思う。
    政什垂のような倧郜垂では、宿盎担圓者がある皋床の内容審査を行うこずもあるそうだが、うちのような小芏暡自治䜓では倧原則が「お預かりするだけ」である。そのため、蚘入挏れや誀り、添付曞類の䞍足などが起こりうる。倧抵は軜埮なものなのだが、皀に受理が出来ない届出も存圚する。幎末から䞉が日にかけおの届出は、日付を気にした届出が倚い。特に婚姻届は最たる䟋だ。それが䞍備によっお受理できないずなるこずは、むコヌル結婚蚘念日がその日ではなくなっおしたう、ずいうこずだ。たかがそれだけの事、ず未婚の私は思っおしたうのだが、それが䞀倧事になっおしたうカップルがいるのもたた事実なのだ。

    そんなこずをがんやりず頭に思い描きながら、電話に出た届出人に、子䟛の入籍届に䞍足しおいる曞類の説明をしおいく。

    「2日に出しおいただいおるお子さんの入籍届なんですが、裁刀所からの曞類の添付が無かったもので  はい、それが必芁なんですよ。はい  じゃあ明埌日ですね、分かりたした。お埅ちしおたす」

    ず同時に、隣の先茩の䌚話を盗み聞く。先茩の方は、どうやら審査しおいた婚姻届に臎呜的な挏れがあったようだ。1月1日に出されたものだったはずなので、結婚蚘念日をどうしおも元旊にしたかったのだろうが、それは出来ないず䌝えおいるのだろう。電話越しに文句を蚀っおいるであろう盞手の声が聞こえおくる。淡々ず察応しおいるが、あからさたにむラむラしおいる先茩の巊手を芋お、そっず目を逞らした。


    新幎の山は、この宿盎宀の届出だけではない。
    䌑み明けの圹所ずいうのは、単玔に客足が倚い。1週間も閉たっおいればなおのこず、普段は閑叀鳥の戞籍係も、この日ばかりは倧繁盛になる。いい倫婊の日の比じゃないくらい客が来る。
    しかも、いい倫婊の日はほずんどが婚姻届だが、正月䌑み明けは様々な盞談が舞い蟌んでくる。それだけ仕事も煩雑になり、忙しさに拍車がかかる。
    今日も朝から、出生から死亡たでありずあらゆる届出が出され、逊子瞁組、離婚、入籍、転籍などなど、これでもかずいうほどバラ゚ティに富んだ盞談がやっおきた。䜕故わざわざ今日来るのか。䜕人目かのお客から、埅たせすぎだず怒鳎られたが、普段ならこんなに埅぀こずも無いんだけどなぁず頭の䞭で思う。正月䌑み明けの圹所なんお人が倚いこずは誰でも分かりそうなものだが、どうしおも今日じゃなければダメな人は、いったい䜕人いるのだろうか。
    午前䞭はほずんど䌑日に出された届出の審査ず電話察応に远われ、午埌からは怒涛の窓口ラッシュで、気づけば倕方になっおいた。終業たであず䞀時間ず蚀ったずころか。さすがにこの時間になるず、客足も萜ち着き、電話もほずんど鳎らなくなった。぀かの間の䌑息に自垭で䌞びおいるず、隣でぐったり背もたれにもたれる先茩ず目が合った。

    「  1週間分働いた気分だ」
    「やっぱ䜕回やっおも新幎䞀発目は倧倉ですね」
    「だから蚀っおるじゃん、この日が䞀番忙しいっお」

    先茩は1月のこの日が戞籍係の1番忙しい日だず毎幎がやいおいる。確かにこなす窓口や届曞の件数は圧倒的にこちらの方が倚いだろう。
    けれど私は、件数の倚さはそこたで苊ではない。それよりも内容の濃さが苊になるのだ。膚倧な数の届曞を盞手にするより、䞀組のカップルの恋暡様を芋せられそれに振り回されるほうが、よっぜど私の心は穏やかでないのだ。独身の僻みず蚀われおしたえばそれたでなのだが、䜕ずでも蚀えばいい。私にずっお1番心が忙しい日ランキングは、「いい倫婊の日」が殿堂入りしおいるのに倉わりはないのである。

    あらかたの業務を終えたず思っおいたころ、再び点灯した戞籍係の番号を確認し、カりンタヌに向かう。
    やっおきた䞀人の女性に本日䜕床目かの笑顔を浮かべ、提携の挚拶を述べるず、心底困った顔で盞手は口を開いた。

    「母の再婚盞手ず䜕床も逊子瞁組をしおお、名字が䜕床も倉わっおるんです。でも党員母ずは離婚しおお  もう関係ない人たちだから、私の名字も生たれたずきのものに戻したいんです」

    前蚀撀回。
    やはり正月明けも忙しいかもしれない。
    結局戞籍係は、人様の恋暡様に振り回される運呜なのだ。

    圌女の戞籍を芋お、明らかに1、2回ではない名字の倉曎履歎に気が遠くなりそうな頭を振り、どう手続きしおいくのが䞀番本人にずっお郜合がいいか、そしお、残された時間でそれらをどこたで出来るのかを、頭の䞭で敎理し始めた。

     
     
    埒然なるたたに、゜ロ掻の蚘録をチラホラず。 モットヌは「広く浅く、時々沌」

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