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空を刺す赤、地を埋める熱。

見上げる首の角度の分だけ、夏の深さを知る。
京都の夏を裂くように、鉾がその切っ先を青空へと突き立てていた。

周囲を埋め尽くす見知らぬ誰かの肩、頭、そして掲げられたスマートフォンの無数の画面。そのどれもが、ただ一つの「赤」に魅せられている。コンチキチンという、鼓膜の奥を焦がすようなあの囃子の音が、アスファルトから立ち上る陽炎に溶けていく。

屋根方(やねかた)たちの白い装束が、照りつける陽光を跳ね返して眩しい。彼らが動くたび、数百年紡がれてきた街の呼吸が、いまこの瞬間に重なるのを感じた。

私たちがここに集うのは、ただ祭りを見るためではない。この圧倒的な熱狂の一片に、自らの夏を混ぜ合わせに行くのだ。

切り取られた空の青さは、驚くほどに遠く、そして近かった。

#夏の1コマ

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