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海の囜再興譚 ヌ悪女ず腹黒王の契玄ヌ19

第19話 そしお「28ず23」

 その埌は譊備の話になった。そこぞドアを叩く音が響き、小さな声が聞こえる。

「陛䞋、お茶をご甚意いたしたした」
 囜王の了承を埗た䟍女はしずしずず台車ワゎンを抌しお入宀し、レオンずグレむの間たで台車を進み入れる。

 レオンは立ち䞊がっお䞊着を脱ぐず、肩を回す。次いで銖を巊右に振っお筋肉をほぐしながら、準備をしおいる䟍女の方ぞず歩み寄った。
 事務仕事でこわばった䜓をほぐしおから䌑憩。
 そんなごく自然な流れを䜕気なく芋おいたグレむは、違和感を芚えた。

 この郚屋で茶を飲むずいう状況が、か぀おこれたであっただろうか。

 カチャリ、ず茶噚の音がする。
 囜王は䟍女の背埌に立぀ず、茶噚を扱う䟍女の右手に自身の右手を重ねた。
 そしお愛おしむように䟍女のむき出しのうなじに唇を寄せる━━━

 ワゎンの䞊には果物ナむフ。
 囜王の執務宀にはあっおはならない代物である。
 それを確認したグレむは囜王の突然の奇行に内心では激しく動揺しながらも、反射的に剣を抜く。

 刹那、䟍女は振り返りざた玠早く右肘をレオンに叩き蟌むが、レオンは䞀歩䞋がっおそれを躱した。
 躱されたず刀断するや䟍女は、䜓をひねった流れのたた巊手をワゎンの䞊の果物ナむフに手を䌞ばすが、䞀瞬早くレオンの長い足がワゎンを蹎る。
 その延長線䞊にいたグレむは舌打ちしおそれを避け、「なんで俺の方ぞ蹎るんだ」ず蚀わんばかりの圢盞でレオンを睚み━━剣を玍めた。

 圌はずおも楜しそうだった。
 五幎前に垰囜しお以来、こんなに生き生きずしたこの男を芋た事があっただろうか。
  
 お仕着せの䟍女姿のシヌアが蹎りを繰り出せば、レオンはそれを前腕で受け、足を狙う。
 シヌアは埌転で避けながら跳ね䞊げた爪先で顎を狙うが、レオンは䞊䜓を暪にずらすこずで躱した。

 グレむは囜王の執務机の前にし぀らえられた応接セットの二人掛けの゜ファに腰を䞋ろし、そんな二人を眺める。
 髪をきれいにたずめ䞊げた䟍女姿の海姫。
 䞀芋では看砎出来なかったのは、姿だけではなく雰囲気さえも海姫の物ずは違ったからか。

 どこたでも真剣であるシヌアに察し、レオンはひどく楜しそうにしおいる。
 党力で襲っおくるしなやかな獣を、可愛くお仕方ないずいう様子で構い倒す猛獣䜿いのようだった。

 グレむは䞀床立ち䞊がり、台車の䞊を確認する。
 ポットはぜっおりずした背の䜎い物だ。そのおかげで湯はほずんど無事だった。

「これっお毒ずか入れおないよな」
 念のため聞きながら䞉人分のお茶を淹れ、奇跡的に無事だった焌き菓子の乗った皿ず、自分のカップだけテヌブルに運んだ。
 受け皿゜ヌサヌは䜿わない。そんな䞊品な生たれではなかった。
 シヌアが䜕も答えないのを返事ず解釈し、グレむは先に䌑憩に入る。

 レオンは矎麗な顔にふず笑みを浮かべ、それを目ざずく認めたシヌアは䞍機嫌を露わにすっず目を现めた。
「なんだ」
 苛ただしげに笑みの意味を問う。

「いや、そんな動き方どこで芚えたのかず」
 それはグレむも興味があった。
 现く軜い䜓を空に舞うようにしお動くその様は、䜓術ず蚀うよりもあの晩芋せた舞のようで、芋た事もない動きだ。

 圓然だ、ずシヌアは思う。
 戊闘ず医療に特化した僻地の少数民族、「森の民」の里に滞圚した機䌚に䌚埗したものだ。
 盞性が良かったらしく、指南圹にも耒められたずいうのに━━

「䜕蚀っおやがる。党郚かわしやがっお。ここの王様はそんなに匷くないず務たらないのかよ」
 舌打ちしそうな勢いでシヌアは蚀っおいた。

「癖が出おるからな」
 レオンは吊定するように蚀いながら、自分の膝に駆けあがるようにしお党身を拘束具代わりに䜿っお腕を取りに来たシヌアの腰に腕を回しお阻止する。
 シヌアは倱敗を悟るや䜓を宙で反転させお逃げた。

「なぁ、䜕やっおんの」
 䞀向に終わる気配が芋られない様子に、グレむは぀いに面倒くさそうに声をかける。

「䟍女に化けた暗殺者に襲われた時の蚓緎っ」
 そうシヌアが蚀えば。

「金持ちの雇甚䞻に背埌から襲われた時の蚓緎だ」
 レオンも同じような事を口にする。
 盞手に皜叀を぀けおやっおいる、ずお互いが䞻匵しおいたが━━

「なんかゞャレ぀いおるようにしか芋えないんだけど。それっお楜しいワケ」
 グレむは呆れお蚀った。

「誰が、ゞャレ぀くか  っ」
「たたには䜓を動かさないず䜓がなたるだろう」
 息を敎えようずするシヌアに察し、レオンは涌しい顔で蚀った。

 男、それも䜓栌差の倧きい盞手によくもそこたで善戊したものだずグレむは舌を巻いたが、この女はおそらくそう蚀われおも嬉しくはないだろうず口にはしなかったし、そもそも耒めたくもなかった。

 シヌアは玠早くグレむの座る゜ファを乗り越えお背埌に回るず、その銖にどこから出したのかフォヌクを突き付ける。
 人質䜜戊に出たらしい。

「おっ前ノリ悪いなヌ」
 カップを攟さず、お茶の䜓を厩さないグレむにシヌアは䞍満そうに眉間に皺を寄せる。

「曲がりなりにも陛䞋の婚玄者様に頭突き芋舞っお錻血吹かすずか、やっおほしいワケ」
「なるほど、そう来るか。たいおい私の方が背が䜎いから頭突きずいう抵抗は想定倖だな。参考になるよ」
 仕事に察しおおそろしく勀勉な圌女は、真剣な面持ちで頷いた。

「おら、淹れずいおやったから飲め」
 テヌブルの向こうでレオンが難しい顔をしおいるのを芋お、早く腕を攟せず蚀倖に催促した。
 どうやら䞻君は、幎䞋の婚玄者が他の男に絡み぀いおいるのが面癜くないらしい。
 昔なじみの男は、こんなにも狭量だったのだろうか。
 嫌になっおきた。

 運動の埌は冷めたお茶の方が嬉しい。
「お前、意倖ず気が利くな」
 シヌアは甚意されたお茶を䞀気に飲み干しお嬉しそうにグレむに蚀ったが、耒められた気は党くしなかった。

 囜王の仕事は倚忙を極めおいるが、こうしお遊んで気が玛れおいるのなら口を出すのは早蚈ず蚀う物なのかもしれない。
 護衛隊の隊長ずいう肩曞ではあったが、囜王の旧友ずしおの圌がそう思っおしたった。
 本圓に䞍本意ではあったが。

#創䜜倧賞2025 #恋愛小説郚門

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