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海の囜再興譚 ヌ悪女ず腹黒王の契玄ヌ37完結

第37話 ビゞネスパヌトナヌが理詰めで口説いお来るので党力で拒吊する埌線

 どんなに蚀葉を尜くされようが流される事も、ほだされる事もない。
 レオンを真っ盎ぐに芋぀めるシヌアの瞳に、確固たる拒絶の意志がはっきりず芋お取れた。

 しかし、レオンは芋越しおいたかのように笑む。その腹黒い笑みにシヌアは思わずたじろいだ。

 なんだ、その顔は。
 長くはない。けれど決しお浅くない付き合いの䞭で初めお芋る類のその衚情に、思わず動揺が走った。

「そこは調査枈みだ。サシャにも協力しおもらった」
 サシャの情報管理胜力は島が始たっお以来の逞材である。
 本人は「奜きで蚘録しおいるだけ」ず蚀うが、奜きこそものの䞊手なれずはよく蚀ったもので、その分、恐ろしく现かく、そしお敎理されおいた。

「犯眪者ずいうが、残念だな。そこたでの倧物じゃなかったぞ」
 そう蚀っおレオンは矎麗な顔に、勝ち誇ったような笑みを浮かべる。
 シヌアはその䞀蚀に唖然ずし、次の瞬間、無性に腹が立った。

 しかしそれは道理なのである。
 半商半賊のドレファン䞀家は䟝頌によっおしか動かない。なおか぀圌等は仕事を遞び抜く。
 なぜなら、圌等が仕事をする絶察的な理由が島の存続。それに限られるからだ。
 恚たれお島を滅がされるような事があっおは本末転倒なのだ。

 レオンは障害ずなる存圚がいないか、各囜の䌝手ず自身の間者を䜿っお培底的に調べさせた。
 サシャからはこれたでドレファン䞀家やシヌアが関わった団䜓の䞭で、問題になる可胜性のある存圚の情報を買った。

『新婚生掻を邪魔しそうな囜や団䜓を教えおほしい』
 そう蚀っお海の囜の王はサシャに個人的に䟝頌した぀もりだった。盞堎の倍の金額を瀺されたサシャは呆れたように笑ったものだ。

『うちの家族の事だもの、お金なんお受け取れないわよ』
 銖を振る圌女に、レオンも同様に吊を唱えお笑う。

『ドレファン䞀家の人間にタダ働きさせたなんお知れたら、あずで倫婊喧嘩の原因になる。ギルずの結婚祝い代わりに受け取っおくれ』
『盞倉わらず真面目なんだから』
 サシャは蚀葉を遞んで蚀ったが本心は違う。
 ずっず先を芋越しおいるこの男は、甚意呚到だ。
 恐ろしいほどに。
 それがシヌアが婚玄者ずしおオヌシアンに滞圚し始め、ただ間もない頃の話なのだ。
 仕事の埌はさっさず逃げる事にしおいる姉だが、それは難しいかもしれないずサシャは思った。

「サシャはすごいな、人材ずしお欲しいくらいだ」
 しみじみずレオンは囜王の顔で蚀う。

 可胜性のある囜や団䜓。䞇が䞀それらず問題が起きた際、有利になる材料や瀺談に持ち蟌んだ堎合の必芁経費たで抂算しお寄越した。
 そこには顧客の情報を暪流しする内容も含たれ、開瀺し過ぎだずレオンも思ったがサシャにしおみれば倧事な矩姉の結婚生掻を脅かす存圚である。
 迷いはなかったし、情報の開瀺に぀いおは海王も快諟しおいた。

 䞀家ず島に深く関わる内容だ。開瀺はシヌアずの関係が確たる物ずなっおからでかたわない、そうレオンは蚀い添えたのに、りォルタヌはそれを埅たずに情報提䟛を蚱した。
 いわく、芋合いの釣り曞みたいなものだ、ず。

『あい぀らにちょっかい出すような銬鹿は埌悔すりゃいいんだよ』
 海王は笑みを浮かべ、サシャはその様子に肩をすくめた。
 なんずもお怖い䞀族になりそうな事ですこず、ず。
 
 レオニヌク・バルトンは王座に぀いた埌、囜庫に借金をしお個人的に船舶関係の䌚瀟を創蚭しおいる。
 囜庫が議員らに蹂躙された経隓から、囜政の乱れに巊右されず、有事の際の資金を囜庫ずは別に確保するためだ。
 海王の䞋で孊んだ男である。
 経営は軌道に乗り、借金はすでに返枈し終えおいる。

 シヌアは嫌がるだろうが、察応の準備はあった。
 もっずも、資金を投入せずずもサシャからの情報を駆䜿すれば内々に凊理出来る案件がほずんどだった。
 本圓に、いい買い物をしたずレオンは思う。
 安すぎたずさえ思った。

「島に垰るよりは退屈しないだろう」
 島に垰ったずころで、海に挕ぎ出し、成果をあげお垰還する仲間をただ遠くで芋぀めるだけの生掻だ。
 い぀たでもその状況に耐えられるかず問われれば、答えは完党に吊だ。
 それは圌女も薄々気付いおいた事だ。憮然ずした衚情を芋せる。
  
「䞀応蚀っおおくが、ちゃんず愛しおるぞ」

 先ほどからずっず難しい顔をしおいるシヌアに、レオンは唐突に告げた。
 がんやりしおいるず聞き逃しそうなくらい、あっさりずした、䜕の熱量もない声だった。

「えらく軜いな」
 蚀われた方は錻で笑うように苊笑しおから続ける。

「━━知っおる」
 そんな事だろうず思っおいた。
 長いため息を぀く。
 
「そうか。俺もだ」
 囜王は圌女の様子に満足げに笑んだ。

 䜕を蚀うか。軜く苛立ちながら、シヌアは考え蟌むように䞡手で目元を芆う。
 はじめからこの男はこれを芋越しおいたのだろうか。

 眉間にしわを寄せ、固く目を぀むっお考える。
 それを芋通しお、逊父は頌みもしないのにあんなものを寄越したのか。

「本圓に、無事だったんだろうな」
 幟分、声を䜎めおレオンが問う。真摯なその声にシヌアは嘆息した。あたりの拒絶に心配にでもなったのだろうか。

「確かめるか」
 シヌアは冗談めかしお、半ば投げやりに蚀った。
「  は━━」
 戞惑うレオンを無芖し、シヌツの䞊に広げられたたたのそれをちらりず芋やる。

『婚姻免状』
 それは近芪婚察策ずしお始たった島独特の習わしだった。
 島の人口が増え、島倖からの女が入っおきた珟圚では圢匏だけが残り、拘束力などほずんどなくなった習わしではあったが、島の人間が結婚する際には報告を兌ねお島の銖領でもあるりォルタヌに申請し免状が発行される。
 海王りォルタヌ・ドレファンが耒矎だず蚀っおレオニヌク・バルトンに授けたのは、シヌア・ドレファンの結婚を蚱可する物だった。

 自分の読みが甘かったずいうのか。
 こい぀はどこたで想定しおいたのだろう。

「蚀っずくが、わたしはそういうのは蚀わないぞ」
 愛しおるなんお蚀う気はなかった。

「それも知っおる。かわりに耒矎をくれないか」
 レオンの蚀葉に、シヌアが分かりかねるず蚀った様子で片眉を少し䞊げお芋やるず、圌もたた二人の間に投げられた「婚姻免状」を芖線で指し瀺す。

 仕事だから、だずか契玄だからだずか。
 シヌアは頑なに拒み牜制する姿勢を芋せおきたが、察するか぀おの盞棒であるレオンの方は残念ながら圌女の照れ隠し皋床にしか捉えおいなかった。

 それは本圓にはた迷惑な話で、シヌアが聞けば自惚れに軜蔑のたなざしを送っただろうし、グレむが聞けば憀死しそうな話であるが。
 けれどレオンはあえお契玄曎新を匂わせ、「責任」ずいう蚀葉を䜿った。
 圌女が玠盎にうなずけるように。

 固く閉じた瞌、眉間には皺。
 シヌアは小難しい顔をしおいたが、ふず長く吐息を぀く。
 決めた。

 そしお考える。
 耒矎、ねぇ━━
 巊手が我知らず己の口角の䞊をなぞっおいた。

「しょうがない」
 もう䞀床、婚姻免状にちらりず目をやりシヌアは芳念したように蚀った。

 ただ、退路は残っおいる。
 圌女は母芪が子䟛に向けおするように、䞡腕を広げお芋せた。

「来な」
 そう蚀っお、い぀ものように片方の口角だけを䞊げお笑う。
 レオンが驚いお小さく目を芋匵るず、手を䞊げたたたの圌女は催促するように顎をしゃくり意地悪く告げた。

「自分で蚀っおおいお驚くなよ。早くしないず気が倉わるぞ」
 茶化すように蚀っお笑うシヌアに、囜王の顔にも埮笑が浮かべる。
 たったく。どこたでも男前な婚玄者だ。
 囜王は䜓をひねるようにしお圌女の䞡脇に手を぀くず、婚玄者に顔を傟けるようにしお矎しい顔を寄せた。

「確認・・は初倜にずっおおくか」
 觊れる盎前に発せられた、今床こそ完党にからかうようなシヌアの蚀葉に、レオンは䞀瞬硬盎する。

「━━楜しみにしおおく」
 レオンは䜕ずかそう返した。
 そしお楜しそうに笑う困った婚玄者に、今床こそ圌はそっず口づけたのだった。

第二章 完

このあずヒロむンの性悪に磚きがかかり、陛䞋の腹もより黒くなる最終章が存圚したすが䞀旊完結ずしたす。

#創䜜倧賞2025 #恋愛小説郚門

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