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「先生、これ作って!から始まった私のものづくり」


    #創作大賞2026 #エッセイ部門

    保育士として働いていると、子どもたちからよく言われる言葉がある。
    「先生、これ作って!」
    折り紙の動物だったり、おもちゃだったり、ときには見たこともないような空想の生き物だったりする。
    最初の頃の私は、その言葉に少し困っていた。
    仕事はたくさんあるし、制作の時間も限られている。それでも子どもたちは、キラキラした目で私を見ている。
    「先生なら作れるよね!」
    その期待に応えたくて、私は家に帰ってからも試作品を作るようになった。
    失敗することもたくさんあった。
    縫い目が曲がったり、思った形にならなかったり、材料選びに悩んだり。
    それでも完成した作品を子どもたちに見せると、
    「すごい!」
    「かわいい!」
    「先生ありがとう!」
    そんな言葉が返ってくる。
    その瞬間、苦労は全部吹き飛んでしまう。
    気が付けば私は、子どもたちの笑顔のために何かを作ることが好きになっていた。
    今では手袋シアターや保育教材、ハンドメイド作品も制作している。
    剣道の面をモチーフにしたポーチや、子どもたちが喜ぶ小物づくりにも挑戦している。
    昔の私は、ものづくりが特別得意なわけではなかった。
    けれど、「先生、これ作って!」という何気ない一言が、私の世界を広げてくれた。
    子どもたちの無邪気なお願いは、ときに大人の可能性まで引き出してくれる。
    できないと思っていたことが、少しずつできるようになる。
    その積み重ねが、自分自身の成長にもつながっていた。
    子どもたちは毎日たくさんのことを学んでいる。
    でも本当は、私も子どもたちから学ばせてもらっている。
    挑戦すること。
    失敗を恐れないこと。
    好きなことを素直に好きと言うこと。
    その大切さを教えてくれるのは、いつも子どもたちだ。
    今日もまた、どこかで聞こえてくる。
    「先生、これ作って!」
    私はきっと笑いながら答える。
    「よし、やってみようか。」
    #創作大賞2026 #エッセイ部門

     
     
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