
「先生、これ作って!から始まった私のものづくり」
保育士として働いていると、子どもたちからよく言われる言葉がある。
「先生、これ作って!」
折り紙の動物だったり、おもちゃだったり、ときには見たこともないような空想の生き物だったりする。
最初の頃の私は、その言葉に少し困っていた。
仕事はたくさんあるし、制作の時間も限られている。それでも子どもたちは、キラキラした目で私を見ている。
「先生なら作れるよね!」
その期待に応えたくて、私は家に帰ってからも試作品を作るようになった。
失敗することもたくさんあった。
縫い目が曲がったり、思った形にならなかったり、材料選びに悩んだり。
それでも完成した作品を子どもたちに見せると、
「すごい!」
「かわいい!」
「先生ありがとう!」
そんな言葉が返ってくる。
その瞬間、苦労は全部吹き飛んでしまう。
気が付けば私は、子どもたちの笑顔のために何かを作ることが好きになっていた。
今では手袋シアターや保育教材、ハンドメイド作品も制作している。
剣道の面をモチーフにしたポーチや、子どもたちが喜ぶ小物づくりにも挑戦している。
昔の私は、ものづくりが特別得意なわけではなかった。
けれど、「先生、これ作って!」という何気ない一言が、私の世界を広げてくれた。
子どもたちの無邪気なお願いは、ときに大人の可能性まで引き出してくれる。
できないと思っていたことが、少しずつできるようになる。
その積み重ねが、自分自身の成長にもつながっていた。
子どもたちは毎日たくさんのことを学んでいる。
でも本当は、私も子どもたちから学ばせてもらっている。
挑戦すること。
失敗を恐れないこと。
好きなことを素直に好きと言うこと。
その大切さを教えてくれるのは、いつも子どもたちだ。
今日もまた、どこかで聞こえてくる。
「先生、これ作って!」
私はきっと笑いながら答える。
「よし、やってみようか。」
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