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●美術館の名作椅子#05●東京国立博物館 法隆寺宝物館

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    東京国立博物館 法隆寺宝物館

    設計:谷口 吉生
    開館:1999年


    ・Cab 413 Chair

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    デザイナー:マリオ・ベリーニ
    発表:1977年
    メーカー:Cassina
    価格:¥594,000
    (2026年現在)

    アームなしの412とともにMoMAにも収蔵されている名作椅子。
    この椅子は東京国立近代美術館や豊田市美術館にも置かれている。
    ここ法隆寺宝物館ではエントランスに数脚並ぶが、なんとこの椅子の脚が置かれた床には位置がズレないように脚の設置面に溝が掘られている。

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    床の溝

    この椅子をこの場所にこの間隔で設置することまで含めて空間を設計した谷口吉生氏のこだわりに感動。
    ちなみに谷口吉生氏は同敷地内に建つ東洋館の設計者である谷口吉郎氏の息子だ。
    さらにその吉郎氏は東京国立近代美術館の設計者でもある。
    ここ法隆寺宝物館のCabチェアは吉生氏が選定したのだろうが、東近美のCabチェアは吉郎氏が選定したものなのだろうか。
    そうならば椅子つながりの文脈も生まれて興味深い。


    我が家のダイニングではこのCab413とアーム無しの412を愛用している。
    美しさ、佇まい、座り心地、机との相性など全てお気に入りの逸品。
    我が家のものはCab35周年記念の2012年限定シボ革仕様。

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    この革は汚れや傷に強いのでデイリーユースにとても良いが、ノーマルタイプに比べ柔らかく若干伸びやすいのが玉に瑕。



    ・Wiskey Sofa

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    デザイナー:マリオ・ベリーニ
    メーカー:Cassina
    価格:¥726,000
    (2026年現在)

    Cabシリーズと同じくこちらもマリオ・ベリーニがデザイン。
    MoMAに6点の作品がコレクションされているイタリアモダンデザインの巨匠。
    座り心地はLC2の沈み込みを若干弱めたような感じだが、アーム部がシンプルな分、長時間リラックスするというよりは、ちょっと座って短時間の休憩をするという用途に向いている気がする。
    同じく谷口吉生建築の豊田市美術館にも置かれている。
    公共空間のかしこまった場所によく似合う。



    ・2 FAUTEUIL GRAND CONFORT (LC2)

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    1人掛
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    2人掛

    デザイナー:ル・コルビュジエ、ピエール・ジャンヌレ、シャルロット・ペリアン
    発表:1928年
    メーカー:Cassina
    価格:
    (1人掛FX革ポリエステルパッディング)¥1,177,000
    (2026年現在)
    (2人掛FX革ポリエステルパッディング)¥1,639,000(2026年現在)

    こちらもMoMAに収蔵されている20世紀のマスターピース。
    「住宅は住むための機械である」というコルビュジエの言葉は、装飾を排し機能性を追及したこれらの椅子にも当てはまる。
    Cassinaでは近年LCシリーズの呼び方が変わったが、これはいわゆる旧称LC2。
    同構造でサイズの比率が異なるLC3に比べるとLC2は幅狭で座面が高く沈み込みが大きいため包まれ感がある。

    我が家にも一脚あるLC2はフェザーパッディング仕様なので座り心地がさらに優しく、フェザー特有のクタッとした佇まいと合わせてお気に入りの逸品。

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    我が家の《LC2》
    フレーム:トープ
    フェザーパッディング仕様 LCX(革)



    ・EAMES ALUMINUM GROUP CHAIR MANAGEMENT Chair

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    デザイナー:チャールズ&レイ・イームズ
    発表:1958年
    メーカー:Herman Miller
    参考価格:¥354,200〜
    (2026年現在)

    受付用の椅子はイームズの名作アルミナムグループマネジメントチェア。
    アルミニウムの用い方がいかにもミッドセンチュリー。
    同じく谷口吉生建築の豊田市美術館や京都国立博物館 平成知新館などでも用いられている。
    いつまで経っても色褪せないラギッドな魅力溢れる名作椅子だ。
    公式HPでは現在レザー仕様かメッシュ仕様しか選択肢がなかったが、ここのモデルはファブリック仕様なのでその中間くらいの40万円程だろうか。
    ハーマンミラーは細かいところまでカスタマイズできるのでショップに行けば様々な仕様に変更できるはず。
    ちなみに東京なら静嘉堂文庫美術館のすぐ隣にハーマンミラー丸の内店があるので美術館に行くのに合わせてショップを訪問してみるのもよい。



    ・まとめ

    法隆寺宝物館は本館や東洋館に比べて新しい竣工(とはいえ1999年)のためか、採用される什器についても館に合わせたこだわりの選定をしているように思う。
    特にエントランスのCab 413に関しては椅子の置き場所についてもミリ単位でこだわっており、この椅子でなければ成り立たないくらいの緊張感や必然性を感じる。
    このようなこだわりは大好きだ。

    2024年末にこの法隆寺宝物館の設計者である谷口吉生氏が亡くなった。
    日本建築史に名を残す偉大な建築家だった。
    心よりご冥福をお祈りする。



    谷口吉生建築↓


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