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『ほったらかし投資術』を再読した感想

    noteを始めて資産形成、資産推移を書く中で、改めて自分の考え方を振り返ることが出来ています。
    その中で自分の投資人生のバイブルとなった本を改めて読み直しています。
    今回は『全面改訂 第3版 ほったらかし投資術』を紹介したいと思います。

    投資を始めて18年。
    資産が1.3億円を超え、世間で言う「億り人」となった今の視点で本書を読み直すと、初めて手にした時とは全く異なる深みと、共感を覚えました。

    今回は、本書の核心に触れつつ、私が1.3億円を築く過程でどうこの理論を血肉化してきたのか、詳しく書き残したいと思います。


    著者たちへの敬意と、受け継がれる哲学

    まず、本書を語る上で欠かせないのが二人の著者の存在です。

    一人は、インデックス投資ブログの草分け的存在である水瀬ケンイチさん(@minasek)。
    そしてもう一人は、稀代の経済評論家であり、個人投資家に寄り添い続けた山崎元さん(@yamagen_jp)です。

    山崎元さんは残念ながら2024年に逝去されました。
    この場を借りて、改めて心よりご冥福をお祈りいたします。
    山崎さんが最期まで発信し続けた「合理的で、かつ人間味のある投資哲学」は、本書の中に今も色鮮やかに息づいています。

    本書は単なるノウハウ本ではありません。
    「プロが考える最善の運用に大きく劣らず、なるべく簡単に実行できる、個人にとっての資産運用の具体的方法」という、山崎さんたちの優しさと信念が詰まった「人生の攻略本」なのです。

    理論を「自分サイズ」に最適化する:生活防衛費の考え方

    本書では、生活資金として「3〜6カ月分」を確保し、残りはすべて投資に回すことが推奨されています。
    非常に合理的ですが、私はここで少し自分なりのアレンジを加えています。

    私の場合、会社員としての安定収入があるため、理論上は半年分で十分です。
    しかし、実際には1〜2年分の現金を確保するようにしていました。

    資産額が1億円を超えてくると、数パーセントの変動が数百万円、時には一千万円単位の増減になります。
    そんな時、心の平穏を保ってくれるのは、理論上の正解ではなく「銀行口座にある絶対的な安心感(キャッシュ)」です。
    「自分が心地よく夜眠れる金額」を知ること。
    これが長期投資を完走するためのコツだと、18年かけて学びました。

    「最悪の事態」を具体的な数字で直視する

    本書で最も厳しく、かつ重要な教えが「1年後に投資額の3分の1の損をすることを想定せよ」というドライなシミュレーションです。
    これを現在の私のポートフォリオに当てはめてみます。

    • 2026年3月末の総資産: 約1億2,700万円

    • リスク資産(投信コア・サテライト): 約1億1,600万円

    • 「最悪」の1/3減が起きた場合: 残り約8,700万円(含む預貯金)

    いかがでしょうか。
    単なる「3割減」という言葉よりも、「4,000万円が消える」という数字のインパクトは凄まじいものです。
    しかし、同時にこうも思いました。
    「8,700万円残れば、億り人のベースは維持できており、生活は何一つ変わらない」と。

    この「最悪の事態を具体的な数字で受け入れるトレーニング」を積んでおくことで、暴落時にパニックにならず、淡々とホールドを続ける「鋼のメンタル」が養われるのです。

    「長期・分散・低コスト」という最強の呪文

    本書が繰り返し説くのは、「長期・分散・低コスト」。
    たったこれだけです。
    「そんなに簡単でいいのか?」と思うかもしれませんが、18年運用して辿り着いた結論も、やはりこれでした。

    • 長期: 上げ相場にも下げ相場にもすべて付き合う。

    • 分散: 世界の時価総額比率(オルカン)がファイナル・アンサー。

    • 低コスト: 手数料は確実にリターンを蝕む唯一の敵。

    ここで重要なのは、なぜ分散して持ち続けるのかという根拠です。
    私は、「世界の時価総額は、長期的には右肩上がりを続ける」という資本主義の根本的な力を信じています。
    一時的な暴落はあっても、人口が増加し、人類の経済活動が続く限り、その価値は拡大していく。
    だからこそ、特定の国や銘柄に賭けるのではなく、世界中に分散して「持っていること」に意味があるのです。

    かつての私は、外国債券をポートフォリオに入れたり外したりと、何度も右往左往しました。
    しかし本書の「為替リスクを取るなら株式に充てるべき」という合理的な説明を読み、改めて今の「コア資産をオルカンに集約し、無リスク資産は個人向け国債にする」という方針になりました。

    また、私はサテライトとしてゴールドを5%入れています。
    これは本書にはない要素ですが、昨今の地政学リスクへの備えとして「心の安心」のために低コストなファンドを選んでいます。
    基本は「呪文」通り、余計な味付けをしないことが資産最大化の近道だと思います。

    投資の真の目的:人生を最大限に楽しむために

    私がこの本を気に入っている点は、投資を「手段」と割り切っているところです。

    「資産形成に掛ける手間とコストを節約して、人生を良くすることに時間とエネルギーとお金を使いたい」

    経済的独立(FIRE)、早期退職を達成すれば、住む場所、人間関係、やりたいこと、すべてを自分の意思で自由に選択できるようになります。
    でも、そのために毎日チャートに張り付き、心身を削っては本末転倒です。

    私は「ほったらかし投資」のおかげで、平日は仕事に集中し、休日は自分の時間を手に入れました。
    手間を省いたからこそ得られた「十分な資産」と「自由な時間」。
    この二つが揃って初めて、人生は豊かになるのだと確信しています。

    最後に:今こそ「基本」に立ち返ろう

    もし、あなたが今「投資を始めたいけれど怖い」と思っていたり、あるいは「資産が増えてきて、今のままでいいのか不安」と感じているなら、ぜひこの本を手に取ってください。

    具体的な実行マニュアルや、今選ぶべき最安コストのファンド名は、すべて本書の中に丁寧に書かれています。

    「投資とは買ったり・売ったりすることではなく、持っていることである」

    この重みのある言葉を胸に、私もまた、次の「ほったらかし」の旅を続けていこうと思います。



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