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グローバルな時代にこそ「自国の文化」を深く理解するべき理由


    #創作大賞2026 #ビジネス部門 #居合道 #日本文化 #異文化理解 #外国人


    自国の文化を説明する力を身につける

    突然ですが、以下の3つの質問について説明して下さい。

    ①日本はではなぜ左側通行なのか?イギリスの植民地になったことがあるのか?
    ②日本人が普段信仰している宗教は何か?仏教?神道?その違いは何?
    ③日本語はなぜ3つの異なる文字を使うのか?ひらがなやカタカナだけで書いてはダメなのか?

    これらは私が今までに会った外国人たちからよく質問されたことで、最初のころはすぐに答えることができなかったものたちです。その時は気まずくて、相手も「こいつ本当に日本人か?」と言いたげな表情と雰囲気を醸し出された思い出の質問です。
    ちなみに私の持っている回答はこの記事の最後に書いていますが、この際なので是非ご自分で調べ、自分なりの回答を見つけてみてください。

    皆さんは「グローバルスキル」と言われると何を連想するでしょうか?
    流暢な英語が喋れるとか、異文化について見識があるといったものだと捉える人が多いのではないかと想像しますが、そうだとしたら確かにそれは間違っていないと思います。
    憧れの海外勤務を実現したい、外資系の会社に就職したい、または単に外国人の友人を作りたいといった願望を持っている方たちにとって、これらのスキルを磨くのは間違っていません。英語は世界で約20億人以上の話者がおり、主要な情報は最初に英語で発信されるし、英語が喋れるだけで知り合いは一気に増えます。他国の文化を知っているということは、それだけ視野が広いということなので、これも大切なスキルなのは言うまでもなりません。

    しかし、これらはどちらかと言うと「外側」に向けた意識です。これらを努力して身につけることは、外の世界に発信する力となりますが、発信するための「情報原」が無かったらそもそも説明できないですよね?

    自国の文化を体現できたらどうなるか?


    一つ、私が経験した面白いエピソードを紹介したいと思います。

    私は現在、ある外資系の会社に勤務しています。と言うより直近の所属した2社とも外資系の会社で、両方とも世界中に支店を持つようなけっこう有名な企業です。特に後者は世界的に有名な経済誌が選ぶ優良企業500社に選ばれるような会社で、日本にも数ヵ所支社があるような会社です。外資系なのでもちろん、普段から様々な地域の社員達との英語会議に出席し、社内資料は英語です。実は最初の会社に入社した当時、私は最終学歴が専門学校卒だったし、何か秀でたビジネススキルがあった訳でもないです。後になって大学を卒業しましたが、謙遜ではなく、本当に当時は外資系グローバル企業に雇ってもらえるような人物ではなかったと思っています。
    唯一、転職する以前にトルコに約7年住んでいたり、マレーシアに約3年住んだ経験があったりと、海外移住経験があるためそれを買われて?雇われたと私は思っています。
    そう聞くと、それだけ海外に住んでいたんだから英語も流暢だし、異文化理解能力も高いんでしょ?と思われるかもしれません。確かに異文化理解能力には自信がありましたが、肝心の英語は正直に言ってお世辞にも流暢と言えず、日常会話はなんとか喋れるレベルで、ビジネスレベルかと聞かれると「う~ん怪しい」と言わざるを得ないです。実際のところこれを書いている現在も勉強中です。日々精進あるのみです。はい。

    そんな私ですが、会社の外国人の社員達からは「面白い日本人」だということで普段から話しかけられます。なので円滑なコミュニケーションを取れており、そのおかげで何か困ったらすぐに連携を取れるような間柄を構築してるため、仕事も順調に進んでいます。英語もそこまで流暢ではない私がなぜ良い関係を築けるのか、その秘密はというと・・・私が「サムライ」だからです!

    「は?」と思いましたか?
    いや本当にそうなんです。実は私はかれこれ15年以上、日本の伝統武道である「居合道」という武道を嗜んでおり、この記事を書いている2026年6月現在は「錬士六段」の腕前です。次は七段を目指してこれまた日々鍛錬を重ねております。
    簡単に説明すると居合道とは、真剣あるいは居合刀と呼ばれる専用の模擬刀を使って演武を中心に鍛錬を行う武道で、道着や紋付袴を着て演武する姿や立ち振る舞いは正に「日本」そのもの。剣道と比べるとマイナーな武道かもしれませんが、日本人はもちろん外国人から見たときのインパクトは凄まじく、刀を使った力強い切り付け動作や緩急をつけた優雅な動き、そして「残心」と呼ばれる「間」を作り出す所作が「The日本」を体現している武道と言えるでしょう。

    この特技を会社の自己紹介時やレクリエーション時などで、私の演武動画を見せながら紹介した時、外国人社員全員が「ワ―――オ!!!」となり、以来「Coolなジャパニーズサムライが会社にいるぞ!」となって知ってもらったのです。どれだけ知れ渡ったかと言うと、アジア圏内を束ねるエリアマネージャーまで私のことを知っていましたので、これには流石に私も驚きましたが。更に、海外生活中に外国人とのコミュニケーション能力には自信があったので、よく会社の同僚に日本の文化について聞かれます。こういった時も、拙い英語ではあるものの質問に対しての知識を持っているので、答えてあげると感謝されます。それによって更に良い関係を築くことができ、時々日本サイドと外国人サイドの橋渡しになることもあるなど、会社内で面白い存在になっているのです。そついう存在になるということは、それだけ他部署に知ってもらうことにもなるので、思いもよらないビジネスチャンスに繋がります。なので外国人が多い環境になればなるほど、自国の文化を良く知る人材は貴重な存在となっていくのです。

    もう一つ、この日本文化を体現する能力のお陰で、人生のピンチを乗り切ったこともあります。

    「芸は身を助ける」とはよく言ったもので、それは以前、東南アジアのマレーシアに移住してから半年ころ経った時のことです。新しい環境や仕事にも慣れ、ようやく生活基盤が整ったので日本で待機していた家族を呼んで間もないころ、なんと突然働いていた会社の上層部で問題が起き、分裂した挙句会社がなくなるという事態に陥りました。つまり、いきなり仕事も労働VISAも無くなるという危機的状況になり、外国の地で急遽新しい仕事を探さなくてはならなくなったのです。早急に次の仕事を見つけなければならない中、救いの手を差し伸べてくれたのは現地マレーシアの居合道の仲間達でした。移住初期のころ、私は自分の居合道の練習場所を探して地元のマレーシア人達の居合道部に通っていたところ、私が高段者だということに向こうが気付き、その後なりゆきで指導をしていました。
    そして私が職を失ったことを聞きつけた生徒たちは、指導を続けてもらいたい一心からなんと私の為に仕事を探してきてくれたのです。おかげでスムーズに次の仕事にこぎつけることができたので、彼らには感謝しかありません。居合道をやっていなかったら、ローカルの友人達もできなかったでしょうし、転職はもっと難航していたことでしょう。このように、外国の地では日本文化を体現する特技は時にピンチを切り抜ける切り札にもなり得るのです。

    自国の文化を身につけるのに遅いということはない

    ここまで読まれて、早速自分も何か日本文化を体現するようなことを学ぼう!と思っていただいた方がいるならば、書いた甲斐があるというものです。先にありがとうございますと言っておきます!
    空手、柔道、剣道などの日本武道もよし、茶道やお琴などの文科系ももちろん、外国人からするとCoolに見えるのは間違いなしです。
    しかし反対に「いまさら何かを初めようって言ってもなぁ・・・」とイマイチ乗り気にならない方もいるでしょう。なので次は私が居合道を始めたキッカケを少し紹介したいと思います。

    そもそも、私がこの居合道を始めたキッカケはトルコに行ってからです。
    「どういうこと?」と思ったでしょう?冗談抜きで、24歳でトルコに渡ってから偶然武道セミナーで来ていた日本人の先生に出会ったのが始まりです。当時その先生の演武に感銘を受けて弟子入りしたのが私が居合道を始めるに至った経緯で、その時から弟子として教えをいただいています。師匠とは日本に帰国した今現在も指導をいただいており、師匠のような範士九段になるべく日々稽古を重ねています。どうです?自分でもなかなか面白いいきさつだと思います。

    日本文化を知らない事による苦悩

    しかし、海外に出てから日本武道を始めるということは、苦悩の連続でした。本場の日本人が自分の国の武道を知らず、へたくそな動きを見せれば笑われ、しかも最初は袴の履き方もしらず、「お前は本当に日本人か?中国人じゃないのか?(笑)」と嘲笑されたりと苦い経験をしました。「袴の履き方なんて今の日本人はほとんど知らないぞ!」と反論しても信じてもらえませんでした。。。あなたは正しい袴の履き方を知っていますか?知ってたらそれだけで外国人に自慢できますよ!
    それにもめげず、2011年に始めて以来現在も続けているため、今では外国人相手に教える立場となりました。まだまだ師匠には及びませんが、今では年に一回は招待されて外国でセミナーをしたりしてます。人生どこでどうなるか分かりませんね。なので今あなたが日本に住んでいるのであれば、是非、何かしらの習い事を始めてみてはいかがでしょうか?既に海外に住んでいる方も、現地の日本人会などに行けばほぼ必ずそういったクラスはあると思います。これを機に一度調べてみてはいかがでしょうか?

    どうやって自国の文化を理解する習慣をつけるか?


    次は、どのようにして自国の文化に対する視点を変えるかを述べてみようと思います。単刀直入に言うと、自国の文化を改めて理解するためには一度自分が「外国人」となるような環境に身を置くことです。一旦「自分は日本に住んでる外国人だ」と考えて見て下さい。それだけで視点が変わります。
    もちろん一番良いのは、海外に行く、またはチャンスがあれば住んでみることです。
    私は若いころ、自分の意志で海外に出ました。それは強制的に、その国の人達にとって私が外国人であるということと同時に、ある意味日本代表になったような状況に身を置いたのです。その国で会う人々にとって、私はもしかすると彼らにとっての初めての「日本人」である可能性が高いです。なので日本のイメージを損ねるようなことはしたくないし、できれば興味を持ってもらいたいと思っていました。しかし、最初に移住したトルコでは、日本で当たり前にやっていたことを深く考えずにいたため、なぜそうなっているのか説明ができないことが多々ありました。某テレビ番組の5歳の女の子に「ボーっと生きてんじゃねーよ!」と叱られてしまいそうです。しかし、これは日本にしか住んでいないとなかなか気づきにくいことなのは言うまでもないでしょう。
    それまで日本で当たり前だと思って大事にしていた考えは、海外では実はそこまで大事じゃないということに気付けたとしたら、もうゴールは近いです。「こうでなけれいけない」「日本ではこうだからそうあるべきだ」と言ったそれまでの固定観念を捨てるということは、葛藤も生むと思います。いままで築き上げてきたものが崩れ去るような感覚も味わうかもしれません。しかし、そこで崩れたものの中から、本当に必要な物だけ拾って再構築し、そこに海外スタンダードなマインドも付け足していくことが、グローバルな視点を持ったということになると私は考えています。
    私を例にするならばこうです。仕事をするときは日本人のように時間厳守で行いますが、日常生活では外国人のようにジョークをかましてフレンドリーに振舞う。といった使い分けをしているので、気持ちの切り替えもできて心のバランスがとれてます。そう、大事なのはバランスなのです。カッチリしすぎてもダメだし、反対にユルユルになってもダメなのです。両方のバランスが取れた時、あなたはもうグローバルな感覚が身についている証拠です。

    冒頭の質問の答え

    最後に冒頭で私が出した質問の回答例を記載します。所説あるかもですが、大体の場合聞かれたら私はこう答えてます。

    ①は侍が左腰に刀を差していたことから来ていると言われています。想像してみて下さい。左腰に刀を差した状態の侍が2人、狭い道で「右側」を歩きながらお互いすれ違ったら。。。下手するとお互いの刀がぶつかって喧嘩が発生し、切り合いになる可能性があります。普通の庶民も逆鱗に触れたくないため、安全な左側を歩くようになったのが由来だと言われています。世界の人々はイギリスが左側通行だということを知っていて、他のイギリス統治時代の名残で同じシステムを採用している国もあるため、日本もイギリスと関係があると思っている人はいまだに見かけます。

    ②は詳しく言いすぎると長くなるので端折って説明しますが、「ほとんど意識せずに両方信仰している」と答えます。この二つは海外から見ると宗教ではなく「思想」と捉えられる場合が多いので、信仰しているというと語弊はあります。確かによく聞くキリスト教やイスラム教、ユダヤ教などと比べると、「GOD」の立場にあるものが存在しないため、思想と捉えられる場合が多いです。
    まず、神道は日本古来の宗教で、あらゆるものに神が宿っていると考え、自然や祖先を敬う伝統的な信仰です。鳥居がある神社は神道のための施設で、お参りをするときに特徴的な所作があり、それも外国人にとっては興味深いです。仏教は現在のインド地方に実在した仏陀が説いた教えからなるもので、瞑想や教えを理解することで人の持つ執着心を捨て、心穏やかに保つことを目標とします。日本には5世紀ころに伝わり、時の天皇や武将たちによって広まり、生活の一部となっていった経緯があります。

    ③については、私は「スペースの役割を持たせるため、3つ同時に使う必要がある」と答えています。どういうことかと言うと、もし仮に全てひらがな、あるいはカタカナで書かれた文章があったとしたら、読みにくいですよね?例えば「私の名前はジョンです。東京に住んでいます」という文があった時、「ワタシノナマエハジョンデス。トウキョウニスンデイマス」と書いたら、理解はできるけど読みづらいはずです。なぜならばどこで単語が区切られているか把握しづらいからで、これが英語などの他言語だと単語と単語の間にスペースが存在します。
    「My name is John, I live in Tokyo」という具合ですね。だから次の単語に移ったのが分かるわけです。日本語はそのスペースがないため、3つの文字をそれぞれ使うことがスペースの役割を果たしているのです。

    終わりに

    いかがでしたか?現在は日本にいても外国人に合う機会が当たり前の時代になっています。そこで信頼関係を築く手段は色々あると思いますが、自国の文化の話は「鉄板トークネタ」と言っても過言ではないです。と言うより私の経験上、私生活やビジネスシーン問わず、必ず出ますし盛り上がります。そこで理由も説明できず「日本ではそういうものだ」とだけの回答を繰り返すのは、自分の文化も理解していないと捉えられ、教養のない人物とみなされてしまうかもしれません。「今日の天気はいいですね」と聞くよりよっぽどいいし、相手も答えやすいと思いますよ。
    全てを知ることは難しいですが、今から日本の「歴史」「習慣」「宗教」「政治」についてアンテナを張り、「なぜこうなんだろう?」と疑問を持って接することで考え方が変わってきます。

    さあ皆さん!今日から自国の文化を更に深く知り、自国を体現できる何かを身につけて「Cool Japan」を体現する人物となりましょう!
    きっとその先には、思いもよらないチャンスが待ち受けています。

     
     

    Masamuray

     
     
    Instagramフォロワー数26万人(@Samurai_damat) トルコ在住歴7年。マレーシア在住歴3年。 トルコのことやマレーシアのこと、自分独自の価値観や考え方を投稿してます。 日本伝統武道居合道錬士六段。

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