OpenAI の『GPT-6 Sol / Luna』が登場したので実際に試してみた!単価は前世代の半分で賢さは横ばい
OpenAI が 9 月 22 日に、GPT-6 Sol と GPT-6 Luna を出しました。同じ日に Anthropic も Claude Opus 5.5 を公開したので、僕は全部をまとめて触ることになりました。
先に僕の結論を言うと、Sol と Luna は単価が前世代の半分になった一方で、賢さは僕が触った範囲では据え置きです。作る仕事は Sol、組み込みと大量処理は Luna、性能の飛躍が欲しいなら GPT-6 Astra か Opus 5.5、という使い分けになると思います。

登場したモデルの位置づけと、使い分けをまとめました。
いつも通り動画でも解説しました
何のモデルか? Astra より安い2つのモデル
公式の発表では、Sol と Luna は今月初めに出た Astra より安い階層を受け持つモデルです。仕事の作業や事実の正確さ、コーディング、コンピューター操作といった Astra の得意分野を、速くて安い体に移したという説明でした。公式 docs の一言説明を僕なりに言うと、Sol は難しめのコーディングやエージェントの仕事を任せる方、Luna は決まった処理を大量にさばく方です。
前世代の Sol と Luna からの変わり方は、性能より値段です。Sam Altman は知能やコーディングで大きく改善したと投稿しています。第三者の Artificial Analysis は、主要な指数が前世代と横ばいで費用だけ半分になったと評価しています。
僕の自作ベンチでも Sol の総点は前世代の Sol をわずかに下回ったので、僕は「値段の進化」だと受け取りました。正直に言うと、Sol は版を大きく上げず前世代の続きとして出しても良かったと思います。ただし公式が挙げる改善が無いわけではなく、事実の誤りが前世代の約半分になり、コーディングの作業でごまかしのある報告をする割合も下がったとしています。
入口。料金と使える場所
料金は百万トークン単位の単価で見ます。Sol は Claude Sonnet 5 とぴったり同じ単価で、Luna はさらに桁違いに安いです。Opus 5.5 と比べると、Sol はちょうど半分、Luna は比べものにならないほど安くなります。

OpenAI の価格表の実物で、赤枠が Sol の行と Luna の行です。
赤枠の 1 を見ると Sol の入力と出力の単価が分かり、赤枠の 2 の Luna は同じ列の桁がひとつ小さくなっています。細かい条件として、キャッシュ済みの入力は通常の一割、Batch と Flex は半額、Fast mode は倍の単価です。とても長いプロンプトは単価が上がる仕組みがあるので、長い文脈を投げる人は価格表の右側も見ておくと安心です。
使える場所は、ChatGPT Work と Codex で、Plus から Enterprise、Edu までの有料プランに当日から入りました。Free と Go はデスクトップアプリで Luna だけ使えます。ChatGPT のチャット画面にはまだ来ていないので、触るなら Codex からになります。

API のモデル名は gpt-6-sol と gpt-6-luna です。GitHub Copilot や OpenRouter、Perplexity でも当日から使えます。推論の強さは僕はいつも xhigh に上げていて、今回の実測もすべて xhigh でそろえました。
Sol は完走、Luna は動きのある課題で崩れる
僕は 25 問の課題を AI エージェントの CLI に解かせる自作ベンチを回していて、今回も Sol、Luna、Opus 5.5 を同じ条件で流しました。総点は Opus が一番高く、Sol、Luna の順でした。点差そのものより、何が動いて何が壊れたかを見た方が使い分けを決めやすいので、目立った例を画像で並べます。

いちばん分かりやすく差が出たのはピンボールでした。Luna の台は発射レーンの底が抜けていて、打つ前のボールがそこから落ちてしまい、ゲームが進まなくなりました。Sol は同じ課題を普通に遊べる形で完走しています。

Luna のピンボールの台で、赤枠が底の抜けた発射レーンです。
3D のアクアリウムも同じ傾向でした。Luna の水槽は見た目こそ整っているのに魚が泳がず、赤枠の 1 の位置にいた魚が赤枠の 2 の時点でもほぼ同じ場所に固まっています。Sol は魚が泳ぎ、餌やりや照明の切り替えも動きました。

Luna の水槽を時間順に並べたもので、赤枠が最初と最後の魚の位置です。
眼鏡をかけたライオンの元絵を SVG で描き直す課題は、Sol の得意と苦手が両方見えました。机やモニター、マグまで配置はちゃんと合っているのに、赤枠の 1 の色鉛筆の細い線は再現できず、赤枠の 2 のように太い輪郭線のフラットな塗りになっています。Luna はライオンの顔と体が元絵と対応しませんでした。

左が元絵、右が Sol の SVG で、赤枠がたてがみの描き方の違いです。
同じ元絵を 3D で作る課題でも、Sol は回転もズームも動く画面を出してきました。ただ赤枠の 1 のたてがみはトゲ状でふさふさ感が無く、赤枠の 2 の机の下側や椅子の脚が作られていないので、細部が行き届かない印象は残ります。

Sol の 3D のライオンで、赤枠がトゲ状のたてがみと、作られていない机の下側です。
僕が手元で LP を作らせて見比べたときも印象は同じで、Sol の方が細部まで作り込まれ、Luna は少し手を抜いた感じでした。エディター系では Luna にエンターキーの扱いの不具合があり、Sol にも塗り色が変わらない、ドラッグ&ドロップができないという不具合がありました。マーブルランやゴブリンを倒すゲームは Luna でも遊べる形になっていて、安いモデルとしては十分な場面もあります。
文章系は両方とも微妙で、小難しい漢字が並びます。AGI がいつ来るかや哲学とは何かのような論考に Luna を使うのは厳しく、純粋な賢さは期待できないと思いました。
飛躍が欲しいなら 同じ日に出た Opus 5.5
賢さの伸びを買いたい人には、同じ日に出た Opus 5.5 の方が答えになります。Anthropic の発表では Opus 5.5 は前の Opus 5 より安くなり、しかも出力はかなり速くなったとしています。Artificial Analysis の Intelligence Index では首位に立ち、値段を下げながら賢さも伸ばした形です。

Anthropic の発表ページの価格表で、赤枠がキャッシュ読み取りと、入力と出力の値下げです。
赤枠の 1 のキャッシュ読み取りは大きく下がり、赤枠の 2 の入力と出力も前世代より安くなりました。それでも単価は Sol の倍なので、安さで選ぶモデルではありません。
僕のベンチでは、この Opus だけが制限時間の打ち切りにかかる問がありました。作り込みに時間を使い切るタイプで、アイドルグループの LP の課題でも、打ち切りになりながら必要なセクションは全部そろえてきました。

Opus 5.5 のアイドル LP で、赤枠が推し色を選ぶボタンです。
赤枠の 1 のボタンで推し色を選ぶと、ページ全体の配色が変わります。Sol と Luna も同じ課題をそれなりに作れていましたが、ここまでの作り込みは出てきませんでした。新しい Opus は版を半分だけ上げた名前に見合う意味を感じましたが、Sol の方は前世代の延長だと思います。
使い分け、どの仕事をどれに回すか
ここまでの実測と値段を合わせると、僕の使い分けは次の表になります。値段の目安は他社の同じ単価帯のモデルで書いたので、いま Claude を使っている人はそのまま読み替えられます。

Sol を選ぶ理由は、Sonnet 5 と同じ単価で作る仕事を任せられることです。前世代の Terra は Sol と同じ入力単価なので、Simon Willison も書いているとおり、Terra をあえて使う理由は消えました。Sonnet 5 には旧世代感があったので、この単価帯なら僕は Sol の方を使いたいです。
Luna は使えるシーンが限られますが、そこでは強いです。サービスに組み込む用途や、Codex App Server で自分のデスクトップアプリに AI 機能を統合する用途なら、単価の安さがそのまま効きます。OpenAI のサブスクで大量に使う人にも向くと思います。
気になるのは Luna の周りにいる相手です。DeepSeek や MiMo のオープン系の軽いモデルが追い上げていて、勢いは MiMo の方に感じます。Sol についても、同じくらいの賢さの激安モデルが OpenCode などで使えるので、賢さあたりの値段だけで見ると選ぶ理由は薄いです。
それでも僕が作る仕事に Sol を選ぶのは、課題を普通に完走し、Sonnet と同じ単価で、使い慣れた Codex の中で使えるからです。
飛躍が欲しいときは、GPT で行くなら Astra、他社を含めるなら Opus 5.5 です。OpenAI が出すと Claude が被せる、その逆もある、という関係が続くのは消費者にはうれしいことです。Claude は調子に乗ると利用制限をかけてくることがあるので、OpenAI にも頑張ってほしいと思っています。
使い分けは値段と一緒に決まる
Sol と Luna は、賢さが前世代と横ばいのまま単価が半分になったモデルです。公式は改善を主張していますが、第三者の指数と僕の実測ではコスパの更新として受け取るのが正確だと思います。
作る仕事は Sonnet 5 と同じ単価の Sol に、組み込みと大量処理は Luna に、飛躍が欲しい仕事だけ Astra か Opus 5.5 に回す。この三つに分けておけば、今日から値段と一緒にモデルを決められます。
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