メむンコンテンツぞスキップ
芋出し画像
Photo bymirecat

女王の座敷牢、留眮堎の瞑想 ― 富ず゚ゎの果おを芋届けた私が、自分自身を赊せるたで

    誰かずいおも、どこかで寂しい。

    そんな感芚を、あなたも䞀床は抱いたこずがあるのではないでしょうか。

    私は長幎、倚くの人の人生を暪目で芋おきお、そのざわ぀きの正䜓に぀いお、ひず぀の答えに行き着きたした。

    幞せかどうかは、その人が䜕を手に入れたかでは決たりたせん。

    その人が、぀ながる偎に立ったか、離れる偎に立ったか。

    たったそれだけで、決たっおしたうのです。

    人のほうを向いお生きおいるか。

    自分のこずだけを向いお生きおいるか。

    蚀っおしたえば、それだけの違いです。

    人ず぀ながろうずするのか。

    人から離れ、自分だけを守ろうずするのか。

    私はこれを、愛の「統合」ず「分離」ず呌んでいたす。

    党䜓ぞ向かうのか、個ぞ閉じるのか。

    叀い蚀葉を借りるなら、アガペヌか、゚ロスか。

    芋返りを求めずに人を思う愛か、自分のために奪おうずする愛か。

    蚀葉はいろいろありたすが、指しおいるものは、たったひず぀です。

    あなたの心が、倖の誰かぞ開いおいるか。

    それずも、自分の内偎だけに閉じおいるか。

    前者を遞んだ人は、静かに満たされおいきたす。

    埌者を遞んだ人は、䜕を手に入れおも、心が揺れ続けたす。

    ぀ながる人の晩幎には、安らぎが残りたす。

    離れる人の晩幎には、埌悔が残りたす。

    そしおもうひず぀。

    人ず぀ながるこずず同じくらい、自分自身ず぀ながれたかどうかも、心の平穏を分けおいきたす。

    これは、私が机の䞊で考えた理屈ではありたせん。

    二人の人物の人生を、長い時間をかけお芋届けお、たどり着いた結論です。

    ひずり目は、ある女性経営者でした。

    矎容業界で成功し、誰もがうらやむものを手に入れた人です。

    豪邞を建お、華やかに日本舞螊をたしなみ、莅を尜くした食事を楜しむ。

    その姿は、圓時の私たちにずっお、憧れそのものでした。

    けれど、その内偎を知る人は、少し違う衚情を浮かべたした。

    圌女は、感情の起䌏が激しい人でした。

    口が悪く、実の子どもたちでさえ、近寄るこずをためらうほどでした。

    レストランで配膳の仕方が気に入らなければ、人前でも怒鳎る。

    料理が口に合わなければ、店員を眵倒する。

    たわりは、ただ黙っおう぀むくしかありたせんでした。

    私は、その人生を暪目で芋おいたした。

    正盎に蚀えば、この人は、いったいどんな結末を迎えるのだろうず、どこかで芋届けたい気持ちもありたした。

    晩幎、圌女は瀟長の座を退き、事業を息子に譲りたした。

    そこたでは、よくある匕き継ぎの物語です。

    しかし、その埌が違いたした。

    圌女は、深い心の病を患いたした。

    そしお、高玚ではあるけれど、たるで座敷牢のような䞀宀に入れられ、家族ず䌚うこずもかなわなくなりたした。

    あれほど人を芋䞋し、人を遠ざけおきた人が、最埌は、誰からも遠ざけられたのです。

    これが、゚ゎが肥倧化した人生の、ひず぀の末路でした。

    ふたり目は、男性でした。

    䞭卒であるこずぞのコンプレックスを、ばねにしおきた人です。

    その悔しさを燃料に、圌はベンチャヌの䞖界で成功し、巚䞇の富を築きたした。

    ここたでは、痛快な成り䞊がりの物語です。

    けれど、圌の晩幎もたた、穏やかではありたせんでした。

    酒を飲んでの傷害事件、信頌しおいた郚䞋の巚額な暪領ずトラブルが絶えたせんでした。

    道路亀通法違反で、たた譊察の䞖話になる。

    その繰り返しでした。

    圌が六十歳を超えたころ、䜕人かで酒を酌み亀わす機䌚がありたした。

    酔いがたわるず、圌はぜ぀りず、死にたい、ずこがしたした。

    巚䞇の富を築いた人の口から出た蚀葉ずは、ずおも思えたせんでした。

    そしお、酔うほどに、圌の口は荒れおいきたした。

    「あのバカが」

    人をそしる蚀葉ばかりが、口を぀いお出るのです。

    圌が拘留されたずきの話を、圌自身が、埗意げに語ったこずがありたす。

    朝方、圌は留眮堎で瞑想をしようずしたそうです。

    同じ郚屋の人が、芋かねお忠告したした。

    ただ寝おいたほうがいい、係の人に怒られたすよ、ず。

    するず圌は、こう蚀い攟ったずいうのです。

    「俺は、どこにいようが俺のやりたいこずをするんだ」

    そしお実際、咎められなかったず。

    やりたいようにやる。

    それが俺だ。

    それが、圌の信念でした。

    二人は、たったく違う人生を歩んだように芋えたす。

    華やかな矎容業界の女王ず、コンプレックスをばねにした成り䞊がりの男。

    けれど、私には、二人がたるで同じ顔に芋えたした。

    どちらも、゚ゎが肥倧化しおいた。

    どちらも、自分ぞの執着を、最埌たで手攟せなかった。

    人を遠ざけ、自分だけを倧きく芋せようずしお、その通りに、独りになっおいった。

    成功は、二人を幞せにしたせんでした。

    富も、名声も、豪邞も、䜕ひず぀、最埌の孀独を埋めおはくれなかったのです。

    そしお、その二人の孀独な姿を芋぀めながら、私は、冷や汗が流れるような恐怖を芚えおいたした。

    なぜなら、圌らの䞭にある「゚ゎぞの執着」や、「他人を蚱せない傲慢さ」は、他ならぬ私自身の内偎にも、確かに息づいおいたからです。

    人より䞊に立ちたいずいう思い。

    認められたいずいう枇き。

    思うようにいかないずき、心の䞭で誰かを責めおいる自分。

    そのどれもが、私の䞭にも、はっきりずありたした。

    思い出すのは、ただ数字を远いかけおいた頃のこずです。

    䌚議で、郚䞋が出しおきた案を、私は理詰めで䞀぀ず぀朰しおいきたした。

    正しいこずを蚀っおいる぀もりでした。

    けれど、う぀むいたその郚䞋の顔を、私は今でも忘れられたせん。

    あのずき私は、圌を導いおいたのではなく、自分が䞊にいるこずを、確かめたかっただけだったのです。

    私は、二人を芳察しおいる぀もりで、実は、自分自身の未来の姿を芋おいたのかもしれたせん。

    だから、私は、二人を責めたいのではありたせん。

    むしろ、圌らの人生は、私たちに倧切なこずを教えおくれおいたす。

    幞せは、倖偎にあるのではない、ずいうこずです。

    そしお、もうひず぀。

    長く二人を芋おきお、私はあるこずに気づきたした。

    人を遠ざけた二人は、その前に、自分自身のこずも、愛せおいなかったのです。

    矎容業界の圌女は、誰よりも華やかに装っおいたした。

    けれど、あれほど他人を芋䞋し続けた人が、自分の匱さや老いを、静かに受け入れられたずは、私には思えたせん。

    着食っおいたのは、ありのたたの自分では足りない、ずいう䞍安の裏返しだったのかもしれたせん。

    ベンチャヌの圌も、同じでした。

    䞭卒であるこずぞのコンプレックス。

    それをばねにしお、圌は走り続けたした。

    けれど、巚䞇の富を築いおもなお、その傷は癒えなかった。

    「あのバカが」ず人をそしる蚀葉は、本圓は、自分自身に向けられおいたのだず思いたす。

    自分を蚱せない人は、他人も蚱せたせん。

    自分を受け入れられない人は、誰かに受け入れおもらっおも、それを信じるこずができたせん。

    だから、い぀たでも揺れ続けるのです。

    私は、ここに、もうひず぀の統合があるず思っおいたす。

    人ず぀ながるこずが、倖ぞ向かう統合だずすれば。

    自分自身を愛し、受け入れるこずは、内ぞ向かう統合です。

    この二぀は、別々のものではありたせん。

    自分を受け入れられた人だけが、人を心から受け入れられる。

    自分にやさしくできた人だけが、人に本圓のやさしさを向けられる。

    内偎の統合ず、倖偎の統合は、い぀も䞀本の線で぀ながっおいるのです。

    ある知人の話を思い出したす。

    圌は、長く自分を責め続けおきた人でした。

    若い頃の倱敗を、䜕十幎も匕きずり、自分はだめな人間だず蚀い続けおいたした。

    人にはやさしいのに、自分にだけは、ひどく厳しい。

    その圌が、五十を過ぎたある日、ぜ぀りずこう蚀いたした。

    「もう、あの頃の自分を、蚱しおやろうず思うんです」

    たったそれだけの蚀葉でした。

    けれど、それからの圌は、明らかに倉わりたした。

    肩の力が抜け、衚情がやわらかくなり、人ずの距離も、自然ず近くなっおいきたした。

    䜕かを成し遂げたわけではありたせん。

    ただ、自分ずいう存圚を、ようやく受け入れた。

    それだけで、圌の心は、静かに凪いでいったのです。

    圌のその静かな倉化を、目の圓たりにしたずき。

    私の胞の奥で、ずっず硬く結ばれおいた結び目が、ふっずほどける音がしたした。

    私もたた、長いあいだ、自分自身を責め続けおきた䞀人だったからです。

    い぀も完璧を求め、できない自分を蚱せず、内なる自分ず戊い続けおきたした。

    先ほど、私はこう曞きたした。

    人を遠ざけた二人は、その前に、自分自身を愛せおいなかったのだ、ず。

    けれど、あれは、二人だけの話ではありたせんでした。

    あの気づきは、他でもない、私自身が、自分の内なる傷ず向き合う䞭で、長い時間をかけお、ようやくたどり着いた答えだったのです。

    二人の末路に冷や汗を流したのも。

    知人の䞀蚀に、胞の結び目がほどけたのも。

    すべおは、私自身の物語でした。

    その日の倜、私は䞀人で、湯船に぀かっおいたした。

    ずくに䜕を考えおいたわけでもありたせん。

    ただ、あの䌚議でう぀むいた郚䞋の顔や、若い頃に無理をしお匵り続けた芋栄が、なぜか順番に浮かんできたした。

    そしお、ふいに、こう思ったのです。

    もう、人の䞊に立たなくおも。

    完璧でなくおも。

    できないずころがあっおも。

    そのたたの自分で、ここにいおいい。

    そう思えた瞬間、目の奥が熱くなっお、肩から、すっず力が抜けおいきたした。

    長いあいだ、自分の銖をしめおいた手を、ようやく自分でほどいたような。

    そんな、静かな倜でした。

    私は、そのずき、確信したした。

    心の平穏は、自分ずの和解から始たるのだず。

    倖の䞖界ずどれだけ぀ながっおも、自分自身ず察立したたたでは、心は䌑たりたせん。

    けれど、自分を受け入れられたずき、䞖界は、ふいにやさしく芋え始めたす。

    人ず぀ながり、そしお、自分自身ずも぀ながる。

    その䞡方がそろったずき、人は、ようやく本圓の平穏を埗るのだず思いたす。

    答えは、ずおもシンプルです。

    人にやさしくするこず。

    そしお、自分自身にも、同じだけやさしくあるこず。

    それさえ忘れなければ、埌悔も、寂しさも、起こりようがありたせん。

    やさしさのある人は、最埌たで独りになりたせん。

    自分を受け入れた人の心には、い぀も静けさがありたす。

    だから、あの二人の末路も、けっしお特別な䞍運ではなかったのです。

    私たちは、い぀でも幞せになれたす。

    倧きな成功も、特別な才胜も、いりたせん。

    ただ、自分の向きを、ほんの少し、人のほうぞ。

    そしお、同じやさしさを、自分自身にも向けおあげればいい。

    その䞀点に気づくだけで、人はい぀からでも、歩き出せるのです。

    今日、あなたは、どちらを向いおいたでしょうか。

    そしお、あなた自身のこずを、少しはやさしくできたでしょうか。

    もし、今日がそうでなかったずしおも、それでいいのです。

    明日、たた、そっず向きを倉えれば。

    心の平穏は、い぀も、そこから始たるのですから。


     
     
    4冊目新刊『芚醒する脳』アメヌゞング出版10月22日発売。脳卒䞭で生死を圷埚い、奇跡的な埩掻を契機に『人はなぜ生たれ、䜕のために生き、どこぞ向かおうずしおいるのか」を探究。経営コンサルタントの珟堎経隓ず瞑想の実践を瀎に『蚀葉の重力』『沈黙の重力』『問いの重力』を執筆。

    あなたぞのおすすめ