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第二章第15回 小説「䞞䞭ルヌル」  


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    第二章有里ず淳のストヌリヌ・共犯者たち



    "時は今からさかのがるこず、40幎前の1985幎の垂立䞞が䞘䞭孊の物語――”



    第15回    "明日"



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    その日。家に垰った有里。


    郚屋のドアを静かに閉めるず、
    そのたた力が抜けたようにベッドぞ倒れ蟌んだ。


    ふう、ず長い息が挏れる。


    郚屋の空気はい぀もず同じように思えた。


    机も、本棚も、
    描きかけのスケッチブックも。


    䜕ひず぀倉わっおいない。


    ただ胞の䞭だけが萜ち着かなかった。


    有里は倩井を芋䞊げる。


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      話しかけおよかった


    朝からずヌっず迷っおいた。


    声を掛けるべきか。
    やめおおくべきか。


    䜕床も、䜕床も考えた。


    拒絶されるかもしれない。
    倉な女子だず思われるかもしれない。䞋手をすれば噂になるかもしれない。


    それでも――。


    声を掛けるしかないず思った。


    北山淳の芖線。
    歩き方。目の動き。


    それは、有里が知っおいる皮類の人間だった。


    "䜕かを芋ようずしおいる人"


    "人が芋ないものを芋ようずしおいる人"


     この人なら、私の助けになるかもしれない


    そう思ったから、あの蚀葉が出た。


    けれど結果は、予想を遥かに超えおいた。


    有里は枕に顔を半分埋める。


    すごかった なんなのあれ


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    掞察。
    分析。
    構造。


    自分の感じおいるこずを、たるで蚭蚈図にするみたいに蚀葉ぞ倉えおいく。


    有里のがんやりずした発蚀の意図をすぐさた、拟い䞊げ、論理を積み䞊げおいく。


    頭の䞭に掛かっおいた靄が、
    どんどん晎れおいくようだった。


    䞞䞭ルヌルっお、そういうこずだったのか


    感芚だけで生きおいる自分にはないものを、圌はたくさん持っおいた。


     やっぱり頭がいい


    掲瀺板に貌り出される定期テストの成瞟優秀者に、名前が茉るだけはある。


    そしお䜕より、圌から䌝わっおくるものがあった。それは、


    "人間や物事の本質を知りたいずいう欲望"


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    授業䞭の北山淳は違う。


    無衚情で、
    無関心そうで。
    いるのかいないのか分からない。


    教宀の颚景に溶け蟌んでしたうような男子。


    けれど今日、有里は知っおしたった。


    孊校の誰も知らない北山淳を。


    そしお気づけば、
    自分も心を開いお話しおいた。


    䞞䞭ルヌルぞの恐怖や嫌悪。
    そしお感じおいた違和感。


    そしお、それだけでは決しお説明できないこの気持ち。


    䞀床も誰にも話したこずのない本音。


    それをこずもあろうか、
    倧しお面識もない、
    しかも異性に話しおしたった。


     今になっお急に恥ずかしさが蟌み䞊げおくる。 でも、


    淳はそれを、䞀切吊定しなかった。
    笑わなかった。茶化さなかった。


    ヌヌただ理解しようずしおくれた。
    ヌヌただ真剣に受け止めおくれた。


    あんなの  初めお


    静かな自分の郚屋。
    自分に戻れるはずの空間。


    ヌヌなのに心は少しも静たらない。


    有里は少しでも気持ちを切り替えようずしお、ベッドから起き䞊がっお、
    机の䞊のスケッチブックに向かう。


     なんずか自分の䞖界に垰ろうず詊みる。


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    スケッチブックを前にしお、
    ペンを持぀。



    ヌヌなんにも思い浮かばない。
    ヌヌなんにも描けない。



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    自分が倉わり者なのは昔から知っおいた。


    「空気を読め」

    「みんなず同じでいろ」

    「目立぀な、普通でいろ」


    そういう蚀葉に囲たれお生きおきた。


    そしお、自分がそういう文化に党く向いおいないこずも分かっおいた。


    でも今日、蚌明された。
    人は芋た目だけでは分からない。


    自分を理解しおくれる人は、
    ちゃんず存圚した。


    だから蚀えたヌヌ


    「芋おほしいの」


    あれは衝動で蚀ったんじゃない 


    自分がどう倉化するのか。
    どう揺れるのか。
    どう壊れるのか。


    それを知りたかった。


    絵を描きたいずいうよりヌヌ


    自分自身が絵になりたかったのだ。


    そしお――。


    圌なら、きっず私を倉えおくれる


     そう確信しおしたった。


    有里の胞の奥は熱い。


    䞞䞭ルヌルの正䜓に近づける予感。
    それを共有できる盞手ができた事実。


    高い高い壁を、乗り越えおしたった。 そんな実感がある。


    でもその埌には䜕が芋えるのか、
     党くわからない。


    䞞䞭ルヌルを、少し本気にさせたかもしれない。少しそれが、怖い。


    そしお、䜕よりヌヌ


    明日、教宀でどんな顔をしお、
    北山淳に䌚えばいいのか分からない。


     たるで䜕もなかったかのように、
    無芖されるのかもしれない。


    でも、今日のあの䌚話が本圓に珟実だったのなら、


    明日、孊校ぞ行けば、 たた圌ず話せる。


    本圓に、今日は色々あっお、
     疲れた䞀日だった。


    けれど。


    眠りには、ただただ 遠そう。


    明日、孊校ぞ行くのが、
    ちょっず 怖い


    けど、でも、


    どこか 楜しみだなんお


    そんなこずを思う日が来るなんおヌヌ


    有里はスケッチブックの前で、
    小さく笑った。




    第15回     完


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    第二章マガゞン↓



    第二章 有里ず淳のストヌリヌ〜共犯者たち  第䞀郚  完

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    創䜜倧賞土壇堎緊急投皿第二匟。第二章第䞀郚のパヌテヌションを倉えたす。どこで切るかずっず悩んでたしたが、今回第15回を持っお第䞀郚最終回ずさせおいただきたす。次回第16回から第二郚スタヌトになりたす。䜕卒笑っお蚱しお䞋さい


     
     

    maruchew

     
     
    ニッチでポップな連茉実録小説「䞞䞭ルヌル」展開䞭。1985幎ずある公立䞭孊の垂立䞞が䞘䞭孊。そこには女子だけに存圚した先茩ぞの挚拶を匷いる裏校則通称「䞞䞭ルヌル」があった。その巧劙な構造の深堀りず圓時の孊校生掻を生々しくフェティシュに描く少幎少女達の青春矀像劇です。

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