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「助けて」と言ったら笑顔で乗り越えられた。

    モンゴル旅行3日目。いよいよ今回の旅のメイン、乗馬です。

    乗馬ツアーと聞いていたので、お尻を守るためのサイクル用パッドをAmazonで購入。乗馬経験のある友人からは「女性用のパッドを使う人もいるよ」と教えてもらい、こちらも準備万端。

    ところが、馬に乗るところから一苦労でした。

    鐙(あぶみ)に足をかけても、一回では乗れない。

    最初は馬のお尻のほうにいったん乗って、そこからズリズリと前へ移動。

    4回目くらいでようやく一人で乗れた時には、思わず自分で拍手してしまいました。

    歩いている間はまぁ大丈夫なのです。

    360度、見渡す限りの草原。

    「きれいだなあ」と景色を見る余裕も時々ありました。

    ところが馬が走り出すと一変。

    パカパカパカ……。

    「走らないで〜!」

    手綱を引っ張り、右手は鞍につかまり、落ちないように必死です。

    一日目をなんとか乗り切り、「これだけ乗ったんだから、明日はきっと楽になるはず」と思っていました。

    甘かった(笑)。

    2日目の後半には、膝が痛くて限界。

    途中で車で帰れると聞き、一度は「帰ります!」と言ったものの、結局みんなと一緒に最後まで行くことにしました。

    でも、やっぱり痛い。

    そしてついに、

    「ガーナさん! もう私、限界です!」

    と声を上げました。

    するとガイドのガーナさんが遊牧民の男性に声をかけてくれ、その方が私の白い馬の手綱を持ち、自分の馬と一緒にゆっくり歩いてくれたのです。

    ああ、言ってよかった。

    そこから景色が変わりました。

    その方は日本語が話せません。私もモンゴル語はほとんど話せません。

    だったら、真似しちゃえ!

    相手の言ったモンゴル語を、そのまま声に出して繰り返す。

    すると笑ってくれる。

    また何か教えてくれる。

    雲を指さして「これは?」と聞いたり、「ありがとう」と覚えたモンゴル語を一生懸命言ったり。

    気がつくと、さっきまであんなに辛かったのに、二人で笑っていました。

    今回の乗馬で気づいたことがあります。

    辛い時、一人で歯を食いしばって頑張らなくてもいい。

    「助けて」と言えば、誰かにとってはそれほど大変ではないことでも、私にとっては大きな助けになることがあります。

    そしてもう一つ。

    言葉が通じなくても、真似をする、指をさす、笑う。

    一番笑ってくれたのは
    「あなたは可愛いですね」をモンゴル語で言った時。

    もしかしたら私に言ってくれたのかも(笑)

    五感を使えば、コミュニケーションはできる。

    「もう限界です!」と言ったことで始まった、遊牧民の方との楽しい時間。

    これこそ、私にとって忘れられない「ユーモアコミュニケーション」になりました。

     
     
     
    はじめまして。草刈マーサです。 著書に『70歳からのユーモア身につけ術』があります。 年齢を重ねる中で出てくる、もの忘れ、家族とのすれ違い、老いの不安を、少し笑って、少し軽くするヒントを書いています。「面白い人になる」より、「毎日をちょっと楽にするユーモアをお届けします。

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