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恋愛小説「想い出つづる」アニメ絵付き (7話)



    (二つ年上の女性)

    少し大人っぽくなった翔太がいました。

    「向こうに行っても、頑張ってね」

    「怜奈ちゃん、早く良い人見つけるんだよ」

    「うん、頑張る」

    「もし見つからなかった時は、俺が結婚し
    てあげるよ」

    「その時はよろしく」

    翔太は、駅の改札に入って行き、怜奈ちゃ
    んと呼ばれた女の子は、翔太に向かって大
    きく手を振っていました。


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    『これは、いったいどうなっているの?』
    と、ユヅキは戸惑ってしまいました。

    ユヅキは、菜々子ちゃんに失恋した後の
    翔太の記憶を見に行くことでこの戸惑いを
    解決したいと思いました。




    菜々子ちゃんとの失恋の後、僕は山間部の
    有名観光地でバイト生活を送っていました。

    そこで、僕は詩織さんと出会いました。

    詩織さんは、地元のガイドをしていました。

    詩織さんが僕の働いている土産店に現れた
    時、僕は詩織さんを見て一目惚れしてしま
    いました。

    同僚が詩織さんのことを知っていたので、
    頼みこんで紹介してもらったのが詩織さん
    との始まりでした。

    初デートは、ステーキレストランへ夕食
    を食べに行きました。

    詩織さんは、僕より2歳年上でキャリア
    ウーマン的な美人でした。

    『また、2歳上』と、ユヅキはツッコんで
    いました。

    楽しく夕食をした後、僕たち二人は湖の
    湖畔へと歩いて行きました。

    暗い夜道を、弱い街燈の明かりが照らして
    いました。

    レストランから少し歩いた頃、詩織さんが
    僕の腕に手を組んで来ました。


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    まさかな急な展開に僕は、驚きとその後に
    来た喜びに翻弄されていました。

    僕は、詩織さんに僕の動揺がバレるのが恥
    ずかしくって、その動揺を隠すのに必死で
    した。

    「これって、恋人になってくれるってこと
    ?」と、僕は心の中で自問自答していまし
    た。

    僕は、天にも昇る気持ちで、湖畔へ続く道
    を歩いていました。

    湖は、満月の光をたたえてキラキラと輝い
    ていました。

    僕たちは、人気の少ない湖畔に腰かけて湖
    を見つめていました。

    やがて、湖を見ていた二人の瞳は互いの瞳
    を見つめていました。

    湖に反射する満月の光より美しい光が詩織
    さんの瞳に満ちていました。


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    そして僕は、詩織さんの柔らかな唇を感じ
    ていました。

    『うわー!翔太、翔太、キスしちゃった」
    と、ユヅキが興奮してしまいました。

    年上の詩織さんのリードのお陰で、僕は
    万年「友達以上恋人未満」の呪いから卒業
    できました。

    そんな詩織さんとの恋人気分は、長く続き
    ませんでした。

    『えっ、何? 何が起こったの?』と、
    ユヅキは心配になりました。

    それは、同じお店で働いている怜奈ちゃん
    とスーパーに買い出しに行った時でした。

    その日は、怜奈ちゃんの家でお店の仲間と
    ホームパーティーをすることになっていて、
    その買い出しに怜奈ちゃんと行きました。

    僕と怜奈ちゃんが、スーパーで買い物をし
    ている時、詩織さんとバッタリ出会ってし
    まいました。

    詩織さんは、男の子と腕を組んで楽しそう
    に買い物をしていました。

    僕は、詩織さんに「なんで?」と詰め寄っ
    ていました。

    無言の詩織さんの態度に、僕は儚い恋の終
    わりを感じました。

    近くに怜奈ちゃんを待たせているのに気が
    付いた僕は、その場を負け犬の様に去って
    行きました。

    その場面を見ていた怜奈ちゃんは、僕に何
    も聞かないでいてくれました。

    『うーん、これは辛いよね』

    『きっとこれは、愛のキューピットのいた
    ずらを受けたんだよ』

    『まーこれも大人の階段をのぼるための
    儀式なようなものだよ』と、ユヅキは自分
    で自分を納得させていました。

    僕が、詩織さんに振られたのを目の当たり
    にした怜奈ちゃんから後日お茶に誘われま
    した。

    怜奈ちゃんは、詩織さんとの破局で落ち込
    んでいる僕を慰めるために誘ってくれたよ
    うでした。


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    怜奈ちゃんは、僕より2歳年上だが、周り
    のみんなが「怜奈ちゃん」と呼んでいるの
    で、僕も最初からそう呼んでいました。

    『待った、待った、翔太君、に、に、2歳
    年上はあなたにとって鬼門だよ』と、
    ユヅキはなんとか翔太を止めたくなりまし
    た。

    怜奈ちゃんは、甘やかせ上手で甘え上手で
    した。

    『うわー、女からは嫌われるが、男からは
    モテそう』

    ある日、怜奈ちゃんと一緒に歩いていた時
    に怜奈ちゃんが、お店のショーケースの中
    にブルーの宝石がついたネックレスを見つ
    けて「あれ、素敵!」と、欲しそうに言い
    ました。

    僕は、その言葉を聞き漏らしませんでした。

    次の日、僕はそのお店に行きました。 
    あのネックレスが売れていないことを望ん
    で。

    ショーケースを覗いて昨日と同じ場所に、
    あのネックレスがあるの見て僕はホッとし
    ました。

    『もう怜奈マジックにかかっちゃたの?』

    『男って本当にこういう女の子に弱いん
    だから』と、ユヅキはあきれ果てていまし
    た。

    仕事が終わって、僕は怜奈ちゃんをお茶に
    誘いました。

    カフェで、僕は怜奈ちゃんにネックレスの
    入ったプレゼントを手渡しました。

    プレゼントの中身が、あのネックレスだと
    気づいた怜奈ちゃんは、「えっ、どうして、
    良いの?」と聞いてきました。

    「怜奈ちゃんに上げたくって」と、僕は答
    えていました。

    「お誕生日プレゼントっということで」と、
    照れ隠しでそう言ってしまいました。

    「誕生日まだだけど・・・」

    「本当に?」

    「ありがとう」

    と言って怜奈ちゃんは、突然の僕からの
    プレゼントを受け取ってくれました。

    でも、それを機に怜奈ちゃんと恋仲になる
    わけでもなく、僕はいつもの「友達以上
    恋人未満」の関係で満足していました。

    『翔太、それだからいつまでたっても彼女
    が出来ないんだよ!』と、ユヅキは、翔太
    の弱気に呆れていました。

    そんなある日、お店の先輩と怜奈ちゃんと
    怜奈ちゃんの妹と僕とで日帰りドライブに
    行くことになりました。

    先輩が車を運転して、僕と怜奈ちゃんは後
    ろの席に座っていました。

    日帰りドライブの帰り道、僕は車の心地よ
    い振動と疲れで眠ってしまっていました。

    目が覚めると僕は、怜奈ちゃんの肩を枕に
    眠っていました。

    僕は、この状態が少しでも長く続くことを
    願って寝たふりをすることにしました。

    僕は、瞼に対向車のヘッドライトの明かり
    を断続的に感じながら、頭で怜奈ちゃんの
    肩のぬくもりを感じていました。

    突然、車が大きく曲がった拍子に僕の頭は
    怜奈ちゃんの膝の上に落ちてしまいました。

    怜奈ちゃんは、別に僕を起こすこともなく、
    反対に怜奈ちゃんの手のひらを僕の頭に優
    しく乗せてくれました。

    僕は怜奈ちゃんの柔らかい膝の上で、この
    まま死んでも良いと思ってうそ寝を続けて
    いました。


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    僕が、怜奈ちゃんの膝の温もりを感じてい
    ると、ふと昔の忘れていた記憶が蘇って来
    ました。

    それは、僕が幼稚園だった頃に親戚の家で
    あった淡い想い出でした。

    親戚の家で、ある女の子と出会いました。
    その子は僕より少し年上でしたが、その
    頃の僕にとっては凄くお姉さんに見えてい
    ました。

    僕は、そのお姉さんと楽しく遊んでいまし
    た。 親がいないリビングに二人で入って
    行った時、その女の子はソファーの影で僕
    を抱きしめてくれました。

    その時の温もりが、怜奈ちゃんの温もりを
    通して思い起こされました。

    『その子も2歳上だったのでは?』

    『翔太の2歳年上の女性との腐れ縁はこの
    時から始まっているのかもよ』と、ユヅキ
    は思いました。

    僕の幸せの時間は儚く、長いようで短い
    時間が過ぎて行ってしまいました。

    車の停車と同時に、無常にも僕は起きなけ
    ればならなくなりました。

    怜奈ちゃんは、僕に良い夢を見させてくれ
    ました。

    そんな怜奈ちゃんは、僕にとっては高嶺の
    花的存在でした。

    僕の心の中には、怜奈ちゃんのような女性
    を受け入れるだけの自信がまだ育っていま
    せんでした。

    ある日、今働いているお店が海辺の人気観
    光地に新店舗をオープンするということで、
    先輩から僕にそこで一緒に働いて欲しいと
    いう誘いを受けました。

    僕は少し悩みましたが、その誘いを受ける
    ことにしました。

    僕は、ここを離れることで怜奈ちゃんとの
    叶わぬ恋に終わりを告げたかったのかも知
    れませんでした。

    お店の送別会で怜奈ちゃんは、転勤してい
    く僕に別れのメッセージをを書いてくれま
    した。

    そのメッセージの中に、「見上げる空は違
    っていても、見つめる星は同じ」という
    一文が入っていました。


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    『意味深な言葉だね、十分翔太と怜奈ちゃ
    ん可能性があったのに、また、翔太自滅し
    ちゃって』

    怜奈ちゃんからメッセージをもらった僕は
    最後に、「怜奈ちゃんが、おばさんになっ
    て良い人が見つかってなかったら、俺が
    怜奈ちゃんをもらってあげるよ」と、告白
    ともつかない告白をしました。

    怜奈ちゃんは、その言葉の真意を分かって
    か分からずか、僕に笑顔で答えてくれまし
    た。

    『それで、あの別れのシーンに続いていっ
    たんだ』と、ユヅキは理解しました。

    『そして、翔太は新しい街へ旅立ったんだ
    ね』

    『私と出会うあの街へ』


    恋愛小説「想い出つづる」アニメ絵付き(8話)へつづく




     
     
    人生の意味、目的、価値、そしてどのように生きるべきかを、歴史小説を通して学んだ私なりの考えを記述して行きます。生き方に迷った時や、人間としてどうあるべきかを思い悩んだ時の指針となる「生きるための知恵」が伝わればと思っております。

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