
ゆづ記(美咲さん)9話
美咲さん
私の飼い主の翔太は、なにかと
失恋続きの人生だった。
「今日もまた、そんな翔太の昔、
失恋した女の子に会いにいこう
かな。」

「タイムゲートをオープンしてと」
「この穴に飛び込めば、いいんだ
けど、穴を抜ける時、くすぐったい
のだけ何とかならないかな。」
「今日は、翔太の浪人生時代の続きへ」

駅の改札口まで来た時、美咲さんが、「私、
佐藤さんにプロポーズされたの」と、翔太
に打ち明けました。
「佐藤さん」その言葉を翔太は、何度か
美咲さんの口から聞いていました。
美咲さんが、意識している社会人の男性で
した。
浪人生の自分と比べると、そんな社会人の
男に勝てる自信が翔太には、正直ありま
せんでした。
翔太は、美咲さんの視線を感じていま
したが、その目を直視できないでいました。
気まずい空気が流れていました。
言葉が出ない翔太に向かって、
「今日は楽しかった、ありがとう・・・
じゃーね」と、言って美咲さんは駅の改札
に消えて行ってしまいました。

「あら、こんな夜に一人ぼっちなの?」
「ニャー」

「私も、1人ぼっちかな? 今夜は、
1人でいたくなかったんだけどね。」
「ニャー」

「翔太君と一緒にいると、素の自分で
いられて、とてもリラックス出来るん
だよね・・・でも、結婚とか考えると
佐藤さんだったりしてね。」
「なんか求める理想が、揺れ動くんだ
よね。」
「こんな私ってズルい?」
「ニャー」
「ニャー」の翻訳
そうだねー、年上と年下の男性で迷うのは、「経済力や頼りがい」と「若さや共感」という、相反する2つの魅力を天秤にかけているからだよ。 君の年頃はね、将来への期待と不安が入り混じりやすく、求める理想像が揺れ動く時期なんだよ。
「ゆづ記」(十二単)10話へつづく
【ゆづきのお薦め記事コーナー】
ゆづきが、note散歩中に見つけたお薦め
記事を勝手に紹介させて頂くコーナー
です。
今回は、カピバラさんの「感想文:葬送の
フリーレン」の記事を紹介します。
「葬送のフリーレン」は、何百年を生きる
エルフのフリーレンが、後悔を抱えて、
人間を知るための旅を続けていくという
物語だそうです。
「短い時間の中で、人は何を残せるのか」
この記事を読んでいると、「葬送の
フリーレン」を読んでみたくなりました。