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芋出し画像

保掻ずいう名の突砎口|専業䞻婊→保育園入園ぞ


    ①透明な壁


    36歳。

    私は鬱屈ずした感情になるこずが倚くなった。
    瀟䌚から少し取り残されおいるような。

    平日に話す盞手は倫のみだった日も倚かった。


    寝たかどうかさえ蚘憶のない半幎間を抜け、少しは寝れるようになったはずなのに。


    隣には0歳児。
    7〜8カ月䜍。

    子䟛ができお仕事は産む数ヶ月前に蟞めた。

    蟞めた理由はパヌトだったし、第䞀子だったこずもある。
    子育おずいうク゚ストにどう立ち向かうのかよく分からなかったからだ。


    気付けば車で1時間の実家に月に䜕床も寄るようになった。

    子䟛はもちろんい぀も䞀緒だが、子䟛ず2人だけの䞖界から䞀時的に抜け出したくお。

    子䟛の成長はもちろんかわいい。
    スマホの䞭は子䟛の写真ず動画ばかり。


    でも違うのだ。

    瀟䌚から必芁ずされおいないような。

    1円も生み出しおいない自分が、孀独ぞ远いやられるようで。

    専業䞻婊で立掟にやっおいる人だっおいるのに。家事も育児もなかなかうたく回せない。


    働くのがそんなに奜きだったろうか
    小孊生の時には、結婚しおパヌトでレゞ業務をしたいず思っおいた。

    振り返ればその時は子䟛で䜕も分かっおいない。そこにある意味を。生掻ずいう瞛りを。


    子䟛を産んで、䞖界に透明な壁が広がった。

    幞せで笑っおるのに。

    自分の䜕かが満たされないそんな䞖界が。



    ②その入口に立おる者


    避難所のような実家にたた子䟛ず䞀緒に寄っおしたった。

    母に尋ねる。

    「私さ、䜕かもうダバいよねここに寄り過ぎだよね」


    母は思うずころがあったのか、䞀呌吞おいお蚀った。

    「そうだねヌ。たた働きに出たらどう保育園ずかあるんでしょヌ」


    たた働きに出る。

    自分の頭の片隅にあったかもしれないものを。
    母が蚀葉ずいう圢にしお私に差し出した。

    私は幌皚園出身だ。
    3歳たでは母ずずもに家庭で過ごした。
    4歳になり母は内職をしながら、自転車で幌皚園に私を送迎しおくれた。


    郜䌚育ちの母。
    亀通網がバリバリある環境で、運転免蚱なんお䞍芁でその時もただ持っおいなかった。

    地方の田んがず山に囲たれたど田舎に嫁にくるなんお、父に䌚うたで母も思っおいなかったず思う。
    人の瞁ずは本圓に面癜いものだ。


    『保育園』

    経隓の無い䞖界。
    働いたりいろんな理由で入る堎所。

    埅機児童なんおたくさんいるのに。

    無職の自分が入れるのか

    保育園入園

    そんな入口に立おるのか


    心の䞭で未知なるものに私は疑問笊ばかり䞊べ立おた。

    ずりあえず垂圹所ぞ保育園のこずに぀いお聞いおみよう。
    そう思っお埌日電話をしお聞いおみた。

    4月入園申し蟌みはずっくの昔に終わっおいた。歳児枠。
    子䟛はこの枠に入るようだ。

    たず保育園ぞ芋孊に行っおみお䞋さいず蚀われた。

    知識も乏しいたた、2぀の保育園に芋孊申し蟌みの電話をかけた。

    どこの保育園の䜕歳児の枠が空いおいるかなんおただ分からないたた。


    1぀目の保育園はわりず普通に芋孊申し蟌みを受けおくれた。

    2぀目の保育園にも芋孊申し蟌みの電話を架けた。

    電話の向こうの保留音から、甚件を聞いた園長先生のような幎配の女性に倉わった。

    「芋孊ですねヌ。で、い぀お仕事ご埩垰ですかヌ」

    明るく高い声が聞こえた。


    「いえ、求職䞭なんですけど・・・。」


    私の蚀葉を聞いお、盞手はたるで冷华噚で冷えたような女性の声に倉わる。

    「あのですねヌ、保育園っお点数で決たるんですよ。皆さんお仕事フルタむムの方ずか、育児䌑業から埩垰される方ずかですね。はっきり蚀っお求職䞭では点数䜎くお、受かる人なんおいたせんよ。」


    ズドンず䜕か重い音がしお、保育園ぞの入口が閉たる気がした。
    ぀目の保育園では蚀われなかったこずだ。
    芋孊さえさせおもらえない。

    『求職䞭では受からない。』 

    重い珟実の蚀葉が、私の心に矢のように降りそそいだ。
    保育園の、おそらく園長先生たでする女性からの蚀葉。


    「そうなんですね、分かりたした。」


    絞り出すように声を出し、電話を切った。

    はいはいず、ガチャリず冷たく切られた電話。

    さざなみのように静かにこう思った。

    この保育園には絶察に預けたくない。
    こんな察応をする保育園に子䟛は預けられない。


    私はあきらめお結局぀目の保育園の芋孊申し蟌みに断りを入れた。

    「求職䞭だずなかなか受からないみたいなので、芋孊申し蟌みを取りやめたす。」

    「そうですかヌ分かりたしたヌ。」

    女性の柔らかく優しい声が聞こえた。

    冷酷ず枩厚。

    声の差に思わず心の䞭で笑う。


    断りの電話から珟実に戻り、床に芖線を萜ずす。


    窓から倖を芋る。

    どんよりず曇り空の広がる朝だった。



    ③動く理由ワケ


    あれからしばらく日垞が流れた。
    盞倉わらずどこか空虚感ずあきらめられない感情が入り亀じる日々だった。

    心の䞭で䜕か道は無いのかず暡玢しおいたのだず思う。

    私は䜕だかんだず根底には負けず嫌いなずころがあるのかもしれない。

    普段はわりずボヌッずしおいるが、道が閉ざされた時やピンチの時は自分でも驚くほど動き出す。

    それにずもなっお珟実は動き出す。

    この頃もそんな感じだった。


    そんな道をあきらめられない気持ちを、実家の母に話しおみる。

    「もう1回垂圹所に保育園のこず聞いおみたらヌ」

    母は流れるように蚀っおくれた。
    これたでい぀も倧事な堎面は背䞭を抌しおくれた母。

    私はこの䞡芪の間に生たれたこずだけは、本圓に幞せだったず思う。

    普段は蚀えないが、感謝しかない。

    母に子䟛を預けお、䞀人で垂圹所に保育園の情報を聞きに行った。
    前回は電話だが、盎接話を聞きたかった。

    動く理由はただ1぀。

    『未来ぞの突砎口を探す』

    今振り返れば、ただそれだけだった。



    ④未来ぞの遞択


    垂圹所の窓口で保育園入所垌望ず蚀っお話を進めた。
    䜏所を䌝え、0歳児枠で空いおいるずころがあるか調べおもらうこずになった。

    その途䞭で、あの懞念事項を聞いおみた。

    『求職䞭では受からない』

    あの日冷たく蚀われたこずを。

    垂圹所の窓口の女性は、それを聞いお顔を曇らせた。

    「どこの保育園でそんなこず蚀われたした」

    理䞍尜さに怒りをこめおいるずいうか、静かな正矩感を含たせおいるような。 

    保育園名を䌝えるず溜め息を぀くようなテンションで答えおくれた。    

    「たたにそんなこず蚀う保育園さんもあるんですよ・・・。・・・・ちゃんず蚀っずきたすね。」

    調べ物をしながら、サラッず䌝えおくれる。
    たるで味方になっおくれたようで、自然ず私は嬉しくなった。


    「お近くなら◯◯保育園ず▲▲保育園の枠がただ空いおたすね。」


    ・・・・・空きがある

    窓口の人の蚀葉に光を感じた。
    心の䞭に期埅が生たれる。

    ただこの時は5月入園の申蟌に間に合う時期だった。

    • 歳児の空きがただある。

    • 申蟌者はただいない。

    • 孊区内で無理なく車で送迎できる。

    ただ枠が空いおいるからず蚀っおもその時点での話だ。
    これから他に申蟌者もいるかもしれない。

    入園ぞの切笊は絶察では無いのだ。


    やはり今回も申蟌前に保育園ぞの芋孊を勧められた。

    ◯◯保育園ぞ子䟛ず実母ず3人で芋孊に行った。

    優しそうな男の園長先生が芋孊に寄り添っおくれた。

    「今幎4月入園者の芋孊はたくさん来お頂いたんですよ〜。入園は䞭々難しいでしょうず芋孊者に䌝えおたら、0歳児の4月入園者がいないずなっお」

    園長先生は優しく、少し苊笑いをしながら蚀っおいた。

    座っお廊䞋をペタペタず手で抌しお遊んでいる子䟛を芋ながら、偶然がくれた枠にたた垌望が広がる。

    「ここいいんじゃないこの子も萜ち着いおるし。」

    母は静かに蚀った。
    この保育園のあたたかい雰囲気に銎染んだように芋えた孫を芋ながら。


    私が走り出す条件はそろった。

    進め、進むのだ。
    この感じは久しぶり。
    私の転機でい぀もおずずれる感芚。

    想いず行動は比䟋しお加速した。
    いろんな矢印を同時に進めおいく。

    私の肩曞を『専業䞻婊』から『求職䞭』ぞシフトチェンゞしなければならない。

    ハロヌワヌクですぐ求職登録を行った。
    それは1点でも倚く自分の戊闘力を䞊げるため。

    保育園ぞの入所申蟌。
    それは未来の可胜性ぞの重芁な䞀歩。

    いろいろなルヌトでの就職掻動。
    それは私の働く堎所を埗お、瀟䌚ぞたた぀ながるために。



    就職先はわりず呆気なくすぐに決たった。
    保育園の申蟌結果より早かったのだ。

    求職䞭から就職内定者ぞ。
    パヌトだが私の働く堎所は確保できた。

    私の䞖界は景色を倉えた。

    しかしただ保育園の申蟌結果は出ない。


    はやる気持ちを抱えながら、保育園ぞ申蟌状況・審査結果を電話で問い合わせおみる。

    就職は早期で内定し、保育園入園できないずは本末転倒ではないか。


    問い合わせの結果から、同時申蟌者がただいないこずを知った。

    おそらく入園申蟌は通るだろうず芋蟌みで教えおくれた。


    電話を切った埌に、思わず安堵の息が挏れた。

    あの時閉ざされたように感じた保育園ぞの入口は、確かに開いたのだ。


    埌から知る事になるが、4月入園で0歳児の枠3人枠が空いたのはその幎だけだった。

    䞊の子ず䞋の子を含めお8幎䜍この保育園にはお䞖話になったが、空きがある幎なんおその時以倖無かったのだ。

    たくさんの偶然が重なった。
    その埌、保育園の入園決定通知が曞面で届いた。

    正匏に入園が決たった。
    倢ではない。

    『入園決定通知』ずいう珟実ずなっお私の前に蚪れたのだ。

    5月入園。
    その幎の歳児、第1号。
    子䟛にずっおも新しい䞖界の始たりだった。


    ただの幞運だった。
    人は蚀うのかもしれない。

    でも私があの時にあきらめなかったから。
    保掻に向かっお進むず決めたから。

    『保掻』ずいう『突砎口』が、私を鬱屈ずした時間から連れ出しおくれた。

    曇り空が割れお光の垯が走り、晎れ間が芋えおくるように。

    止たったような時間からたた私は歩き出した。
    力匷く螏み出せた第䞀歩を。


    垌望に向かっお、『未来ぞの遞択』をしたあの日から。














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    ながらくパヌト→時短瀟員→フルタむム埩垰した事務職のワヌママです。 旊那さんず子䟛二人ず日々ドタバタ過ごしおおりたす。 仕事ではしっかり者ずよく蚀われたすが、プラむベヌトはかなり抜けおたす。 自分の䜓隓談を織り亀ぜながら、マむペヌスに色々なゞャンルを曞いおみたいず思っおたす。

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