
ep.1 猫はこだわるが、固執はしない
我が家の姉猫まるは、チビの時から好みがはっきりしている。
まず、カリカリは肉が主原料のものが好きである。
まるがうちに来たばかりの頃、赤ちゃんの時は食べ慣れた餌を、とのことだったのでペットショップで定期的に購入した肉カリカリを食べてもらっていた。

しかし、何やら便がコロコロしている。安易で愚かな飼い主は「肉ばっかり食べてるからじゃないか?食事はバランスだ!」とイワシがメインのちょっとお高めのカリカリを張り切って買ってきた。イワシの香ばしい香りに、さぞ喜ぶだろう!!肉カリカリとMIXして出した。
結果、綺麗にイワシだけ残されていた。
こんなに良い匂いなのに?と困惑しながらしばらく粘って出すが何度やってもイワシだけ器用に皿に残す。口に入って来ようものなら吐き出すのだ。そうか貴女、肉派なのかと知る。
その日は旬の秋刀魚を丸々2匹、家で焼いた。もちろん人間用だ(オットは秋刀魚を綺麗に食べる)
食べ終えてシンク横に取り急ぎゴミ袋を広げて、秋刀魚の骨(頭つき)を捨てた。
その時、何やら台所近辺でソワソワしていたまるが椅子に飛び乗り机に飛び乗り台所までやってきた。(姉猫は台所に飛び乗れないので色々と迂回してくる)そして、ゴミ袋に顔を突っ込み秋刀魚の頭を咥えたのだ。
そこからが本当に鈍臭く、口に咥えたものの、あっ!という人間の声にビビって落としてそのまま逃げていった。私のかわいい子の初めての泥棒は未遂に終わった。肉カリカリ派ではあるが、好きな魚もあるのだと、やはりグルメなのねと感心したのだ。
-
そもそも猫を飼う前は、彼女たちはその日のそ日の気のむくまま生きているのだと思っていた。
だが、猫には明確に好みがある。ちゃんと嫌いも主張してくるし好きには貪欲にチャレンジする。今日をより良い1日にするために果敢にチャレンジするし、失敗もする。
-
まるがイワシカリカリは全然食べないので、妹猫むぎにイワシを姉猫には肉を中心に食事を出していた。妹のほうは偏食もなく「なんでもうまいです!」のスタンスなので肉も混ぜてあげていた。(バランスが大切なので)
すると、妹の方が凝ったご飯をもらえたように見えて気に食わないのか、自分のカリカリが食べ途中でも妹のイワシ入りを横取りするようになったのだ。
吐き出すほど好きじゃないはずだったのに、、、と困惑しながらも、食い意地の強さを感じ私はとても感心してしまった。
姉猫はもちろんグルメでこだわりもあるのだが、それ以上に妹が食べているものはうらやましいし、なんだがおいしそうに食べる様子を見て、こだわることより挑戦をとったのだ。(聞いたわけでもないのだが)
私はこだわることや好きが明確な人に憧れがあるタイプだ。好きがあるといえる人は個性的でハイセンスな気がするし、だれにも負けない揺るがない好きを手に入れたくて誰に言われたわけでもないのに焦っていることすらある。
だが猫はこだわりもあり、固執もしないのだ。
なんて格好の良いことだろうか。
まるでフィンランドで愛される旅人スナフキンのようだ。いつだって大切なことは自分が何をしたいかをわかっていること、なのだ。
その本質を猫が教えてくれる。
やはり猫は、愚かな私よりもはるかに格上だ。
shiori
★毎週金曜21時更新★