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the Moon と Mars の不思議。the は必要なの?

    先日、英語の記事を読んでいたときのことです。
    ふと、ある単語の前で目が止まりました。

    Mars(火星)

    あれ? the をつけ忘れているのかな?

    と一瞬思いました。

    だって、学生時代に「太陽(the sun)や月(the moon)には必ず the をつける!」と習ってきたから。

    でも、他の記事をいくつか見ても、やっぱり Mars は Mars のまま。

    なぜ、Mars には the がいらないの?

    気になって調べてみたところ、そこには、英語圏の世界の見方と、昔の人たちが空を見上げていた頃のストーリーが隠されていました。

    今日は、the Moon と Mars の違いについて紹介します!

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    Mars(火星)は神の名前


    Mercury(水星)、Venus(金星)、Mars(火星)、Jupiter(木星)、Saturn(土星)といったように、惑星の名前は、すべて古代神話の神々の名前に由来しています。

    Mars は戦いの神の名前です。
    つまり、英語圏の人にとって Mars は、最初から Mars という固有名詞でした。
    Mars と呼んだ瞬間、それは宇宙にたった一つの存在を指します。
    だから、わざわざ the で「その」と強調する必要がなかったのです。

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    「月」という名前の星は存在しない!?


    一方で、「月」は、ほとんどの場合、the moon と表記されます。
    実は、英語において moon という単語は、もともと「惑星の周りを回る衛星」を指す一般名詞なのです。
    たとえば、木星には、90個以上の moons(衛星)があります。

    「月」という固有の名前があるわけではなく、私たちは数ある moon(衛星)の中で、「地球の周りを回っている、例のあの唯一の衛星」を特定するために the をつけて呼んでいるだけなのです。


    古代人が見ていた、たった一つの光


    では、なぜ moon(衛星)という一般名詞が、そのまま私たちの moon(月)の呼び名になったのでしょうか。

    それは、人類が何千年もの間、夜空に見上げていた衛星が、地球の moon(月)ただ一つだったからです。
    古代の人々にとって moon(夜空にあるあの大きな光・衛星)と moon(私たちの月)を区別する必要はありませんでした。
    結果として、moon(衛星)= moon(月)として定着してしまったのです。

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    日本語との違い


    ここで面白いのが、日本語との違いです。

    日本人が西洋の天文学に出会ったとき、私たちは「月」と「衛星」を別の言葉として明確に分けました。

    英語が the という冠詞で視点を切り替えて区別したのに対し、日本語は新しい言葉(翻訳語)を発明して区別したのです。

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    言語によって、世界の切り取り方がこんなにも違う。
    これこそが、英語を学ぶ一番の楽しさだと私は思います。

    「冠詞は難しい」と敬遠されがちですが、何をどの視点から見ているかに注目すれば、迷わずに自信をもって使いこなせそうですね。

    みなさんも「日本語と英語で、世界の切り取り方が違うな」と感じた面白いエピソードがあれば、ぜひコメント欄で教えてください!


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