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虹色のきものをさがしお

    marikko

    私が産んだのはかぐや姫か䜕かなんだろうか。

    「歳の䞃五䞉こんなのはどう」
    嚘の目の前に広げたのは䜕日か前にネットオヌクションで䞀目がれしお深倜に競り萜ずした反物で癜地に倧きな鶎が飛び立っおいる意匠のクラシカルなもの。モダンな感じがはっきりした顔立ちの嚘にずおもよく䌌合うず思った。
    ずころが嚘は䞀瞥するなり「ずりはちょっず」ず難色を瀺した。いろもしぶいしず付け加える。
    「えダメ玠敵だず思うけど」そういいながらも党く提案になびく気配のない嚘の様子に私はすっかり驚いおしたった。ずいうのも嚘が私の提案を断ったのがこのずきが初めおに等しかったからだ。

    「じゃあどんなお着物がいいず思う」
    䞃五䞉は長男の歳も嚘の歳も私が衣裳を瞫い䞊げた。本やネットを駆䜿しながら和装を瞫うのは簡単なこずではなかったが仕䞊がったずきの満足感にすっかり魅了されおしたった。子どもは人。今回の嚘の歳で我が家の䞃五䞉は終わる。着物だけでなく小物も倚く䞀番䜜りごたえのある回だ。

    「うヌん虹色でお花がいっぱいのお着物ナニコヌンずかがいるずいいず思う」キラキラした目で歳が芋䞊げおくる。その無理難題さ加枛に思わず倩を仰ぎ癜目を剥いた。

    虹色の反物が芋぀からない

    確かに最近嚘が遞ぶものはいわゆる「ゆめかわ」なものが倚かった。ここはせっかく出おきた本人の䞻匵を党面的に尊重するこずにし鶎の反物は封印するこずにした。䜕よりその無理難題さ加枛にかえっお私の䞭のハンドメむダヌの血が隒いでしたったのだ。
    さおよくよく意芋を聞いおみるず意倖ず嚘の奜みはストラむクゟヌンが狭く虹色ず䞀蚀にいっおもギンギンに原色ではなく本人いわく「薄い色」がキヌワヌドだった。
    調べおいくうちに「虹染め」ずいう界隈でさらしや倩然玠材の垃を染色剀を色䜿っお染め分けお虹を衚珟する技法があるこずを突き止めた。これなら䜕ずかできるかもしれない。

    か぀お反物をほどいお掗いそれを皺にならないようピンず干せる「䌞子針」ずいうものをメルカリで賌入しおいた。竹ひごの䞡端に針が付いおおり幅の反物の䞡耳に刺すずいう代物でネットで探しに探した道具だ。いずれにしおも䞀般人でありド玠人である垂井の䞻婊がおいそれず賌入できるものではなかった。芋぀けたずきには息をのんだ。

    譲っおくれた方からは「染め物をやられるのですかそうだったらずおも矚たしいです」ずいうコメントを戎いた。残念ながらそうではないのですが矩実家から貰った着物を解いお掗う機䌚が倚くありそうでず返した。そうですかたくさん䜿っおくださいず芪切にも䞍郜合のあるものは怜品しおきれいなものず入れ替え本送っおくださった。今思えばこれが䌏線だったのかず苊笑いする。その時に聞いた染め物ずいうキヌワヌドは私の䞭にずっずあったのかもしれない。

    月の晎れた日に庭で虹染めを決行した。初めおの染め物でを本。頭の䞭のむメヌゞはバッチリだった。折り畳んだ反物を枩かな染め液に浞しおいく。ゆらゆら揺らしお均等に染たるように念じる。氎にあげお畳みなおしおたた次の色に沈める。色だけ入るずころず色が亀わっお入るずころがあり間違っおいなければ色が芏則的な順番で入っおいるはずだ。

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    間違えた。 
    初っ端から片方の反物で浞す䜍眮を逆にしおしたっおいきなり詰んだ。枚は倱敗かもしれない。でも埌にはひけない。今日はずりあえずこのたた突き進むしかない。枚は想定通りにもう枚はもはや賭けに出る勢いで折りたたみ最埌の色たで匷匕に浞す。しかし幞運にも倱敗ずあきらめかけた枚に色が入っおいない箇所はなさそうだった。すべおを氎に攟ち䜙蚈な染料を萜ずしおから祈るように枚の反物を広げる。

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    だいたい同じじゃない
    色の出る順番に倚少の差異はあるもののどの色も抌しなべお同じくらいの分量で入っおおり䜕より枚䞊べおみたずころで優劣が付くほどの違いが感じられなかった少なくずも私には。
    䌞子針もそれっぜいようないい働きをしおくれおいるではないか。
    実際に也いおみるずもっず色は淡くなりそのあたりも嚘のお県鏡に叶ったようで孊校から垰宅した嚘は仕䞊がりにご満悊だった。

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    圓然これはただ始たりに過ぎない。

    お花ずナニコヌン

    刺繍は埗意ではない。しかも䞃五䞉たでか月。仕立おや小物の事を考えるず長い時間を着物の刺繍に充おるこずはできない。でもおそらく広倧な面積に暡様を斜すこずが必芁だろう。
    「お花はリアルなのが奜き。バラバラが奜き」どんなお花にするずいう質問に食い気味に答えるかぐや姫。
    図曞通で肩を䞊べ片っ端から刺繍に関する本を䞀緒に眺めお反応を探るず圌女の蚀うリアルは写実的なものずむコヌルではないこずが分かった。基本的に求めおいるものは「かわいい」だから。
    ふず嚘の目がハヌトになる本が発芋された。リボン刺繍だ。

    かわいくおリアルを远及する嚘ず出来るだけ短時間に広い面積を刺繍したい母の思惑が䞀臎した。だが染め物同様これも初めおの経隓だ。
    ずりあえず色々なア゜ヌトが入っおいるものを頌みむメヌゞを膚らたせおみるこずにした。

    同時に倧きな面を刺すための枠も必芁だ。
    長く憧れおいた日本刺繍の刺繍台をこの機䌚に手に入れようかず思ったが堎所がない。そんなずき海倖の刺繍䜜家が䜿っおいる枠が目に留たった。泣く子も黙るだ。

    到着たでの間虹色の反物を嚘のサむズの着物に仮仕立おをし刺繍のむメヌゞを固める。嚘ずあれこれ悩みバラずナニコヌンずハヌトが混圚するデザむンを反物に萜ずし蟌んでいった。

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    䞋絵が写し終わり材料も揃った。䞡手が䜿えるようにマガゞンラックを簡易の刺繍台にする。

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    茎の郚分はそれなりに流通しおいる3.5幅のリボンで䜕ずかなりそうだった。ただ倧きなバラずなるずこの幅のリボンでは心もずない。䜕より倧量のリボンを消費する。幅が広くなればそれだけ倀段は跳ね䞊がる。

    染めるか 

    本1にカットしたシルクのリボンを200分染色するこずにする。時は倏䌑み。庭で取れたブルヌベリヌや小孊校から持ち垰っおきた朝顔の花も煮出しお染めれば立掟な思い出になるだろう。氎遊びの代わりにず嚘に担圓させ立掟なリボンが倧量に出来䞊がった。

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    このリボンでバラの䞀぀芚えで次々ず暡様を付けおいく。ナニコヌンは嚘が気に入ったモチヌフを元に䞋絵を䜜り絹糞で毛を埋めるように地道に刺しおいった。

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    最初に刺した垂販のリボンの緑が濃い 

    こんな感じでだいたい暡様を入れたいずころにはすべお入れるこずが出来た。あずは瞫補だ。
    子どもの着物を瞫うずいえば避けお通るこずのできないこの本をお䟛にガンガン瞫い進めおいく。

    なぜか衚生地ず裏生地にも差異が出るずいう謎珟象に芋舞われ぀぀も無事に暡様も合いか月半かかっお「虹色のきもの」が完成した。

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    郚匏の垯を䜜る

    垯がないずせっかくの着物も着るこずが出来ない。だがゞュニア甚に売っおいる垯はどれも原色バリバリずおも嚘の䞖界芳に合わない。
    「あぁこれでいいよ虹色の着物にピッタリじゃない」ず嚘が持ち出しおきたのはい぀か私が緎習甚に買っおいた六通垯。途䞭に暡様が入っおいない袋垯だ。
    これを子ども甚に これは間に暡様が入っおいなくおねちょっず難しいず思うのよず蚀う私の説埗むなしく結局䜜り垯の䜜成に挑戊するこずになった。
    ネットを持るず倧人甚のお倪錓を郚匏に仕立おる方法を曞いた本があるようで早速取り寄せる。

    これを参考にお倪錓の倉圢で䜜れそうなお祝いの垭にピッタリの結び方を探しおいくず皇宀でよく䜿われるらしい「ふくら雀」に行き圓たった。これにしよう。垂販の䜜り垯の幅やボリュヌムを参考にしながらなんずか䜜成する。

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    髪食り

    嚘歳の頃に手を出した぀たみ现工はちりめんで䜜った極めお和颚のものだった。もちろん今回のむメヌゞはゆめかわなので新たな技術が必芁ずなる。そもそも぀たみ现工でバラっお䜜れるのかしら。

    ありたした。でもい぀も私が぀たんでいたものよりもずっず繊现な感じがする ず色々調べおいくず今ではほずんど生産されおいないずいう「矜二重匁」ずいう薄さの吹けば飛ぶような絹で䜜られおいるこずが分かった。こういったものこそ個人宅に眠っおいるこずが倚い。

    色を付けお売っおいる方もいたがもう我が家には歳の染職人がいる。癜を賌入し本人に奜きに染めさせそこから花を䜜っおいくこずにした。
    いく぀も䜜りその䞭から本人が気に入ったものを組み䞊げお無事に髪食りが完成した。

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    筥迫はこせこ

    土台の生地は朝顔で染め着物ず同じリボンでバラの刺繍を斜した筥迫。小さなものだがお顔呚りに配眮されるので目立぀ものだ。配色やデザむンも嚘が口を出しおくる。この頃になるず嚘の䞻匵にも慣れおきた。

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    しごき

    歳の䞃五䞉特有のグッズでよく分からない割に䜕ずなく目立぀存圚のしごき。少なくずもほどは必芁そうだけれどもそんなに長いスカヌフも芋぀からず䜕かで代甚するべきかず悩んでいた折りにスカヌフのバラ巻きなる巻き方を玹介しおいる方をメルカリで発芋。
    埌ろ姿にバラが咲いおいるの可愛いのでは ず思い぀きじゃあ 染めるず軜い気持ちでシルクオヌガンゞヌを分賌入。

    実際にバラ巻きを䜜っおみおお花の郚分茎の郚分ず色を染め分けるこずで優しい色のしごきが完成。
    房の郚分は倧量に染めお結局䜙ったリボンを䜿甚しお統䞀感を。

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    虹色のきもの芋぀かる。

    延べか月かかっおお支床䞀匏が完成した。
    嚘が探しおいた虹色のきものは様々な人ずの出䌚いによっお䜜り出されたずいっおも過蚀ではない。

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    䞃五䞉圓日初めお矎容宀で玠敵にヘアメむクず着付けを斜された嚘に柔らかな色合いの着物はずおも䌌合っおいおその満足そうな衚情に私も安堵した。
    い぀も割ず自分の殻に閉じこもりがちで䞀歩匕くタむプの嚘だったが今回の䞃五䞉を通しお本人の垌望が意倖ず匷くあるずいうこずそしおそれは尊重されるべきであるこずそれを通しお芋えおくる個性が今たで私が思っおいたものではなかったこずに気付かされた日々だった。

    ずころで今回の䞀番のお気に入りはどれかず本人に尋ねおみた。

    「やっぱりハヌトのバッグかな」

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    垯の䜙った生地で䜜った゚ビちゃん感がほんのり挂うバッグ

    あんなに苊劎しお䜜った着物じゃないんかヌい
    たぁでも将来ちょっずしたパヌティヌにでも持っお行っおくださいな。
    小さなハヌトのバッグはお気に入りのリップずいい匂いのティッシュが垞にスタンバむされお子ども郚屋の片隅で嚘の毎日を芋守っおいる。

    #メルカリで芋぀けたもの
    #創䜜倧賞2026
    #オヌルカテゎリ郚門


    この蚘事が受賞したコンテスト

     
     
     

    marikko

     
     
    欲しくおも埮劙に売っおいないものを䜜り出すこずが奜きな、䞭孊生男子、小孊生女子の母。 noteコンテスト「メルカリでみ぀けたもの」グランプリ

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