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あーちゃんの小指

    この前、親戚のお祝いで集まったときのこと。

    義姉と姪っ子と一緒に話していて、ふと「小指」の話になった。

    義姉の小指は、少し短くて、ほんの少し曲がっている。

    本人はずっと、昔やっていたトランペットのせいだと思っていたそうだ。

    ところが、姪っ子が生まれて、成長して、手がだんだん大きくなってきた頃。

    「あれ?」

    姪っ子の指はすらりと長い。

    けれど、小指だけが、少し短くて、少し曲がっている。

    「私と同じ指だ」

    その瞬間、義姉は初めて気がついた。

    トランペットのせいじゃなかった。

    これは、生まれつきだったんだ、と。

    その話を聞きながら、私は姪っ子の手を見つめていた。

    細くて長い指の中で、小指だけがちょこんと小さい。

    まるで赤ちゃんの指みたいで、とても可愛かった。

    不思議なくらい、胸がきゅっとした。

    きっと私は、その小指に「血のつながり」を見たのだと思う。

    親から子へ。

    偶然のように見えて、ちゃんと受け継がれていくもの。

    誰かと似ていることって、こんなにも愛おしいんだ。

    そしてふと思った。

    いつか姪っ子に、大好きな人ができたら。

    その人はきっと、この小指のことまで愛しく思うんじゃないだろうか。

    「変わってるね」じゃなくて、

    「あーちゃんの小指、かわいいね」って。

    そうやって、この子の全部を好きになる人が、きっと現れる。

    他の誰とも違う、あーちゃんだけの手。

    私は、あの小指が大好きだ。

     
     

    Marie

     
     
    絵本の読み聞かせボランティアをしています。 子どもたちとの時間や、絵本の魅力を言葉にしています。 自身でも絵本を制作・出版しています。 ▼作品はこちら やさしい気持ちが広がる絵本 『コノハとありがとうのたね』 https://amzn.asia/d/0apfRYvu

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