
あーちゃんの小指
この前、親戚のお祝いで集まったときのこと。
義姉と姪っ子と一緒に話していて、ふと「小指」の話になった。
義姉の小指は、少し短くて、ほんの少し曲がっている。
本人はずっと、昔やっていたトランペットのせいだと思っていたそうだ。
ところが、姪っ子が生まれて、成長して、手がだんだん大きくなってきた頃。
「あれ?」
姪っ子の指はすらりと長い。
けれど、小指だけが、少し短くて、少し曲がっている。
「私と同じ指だ」
その瞬間、義姉は初めて気がついた。
トランペットのせいじゃなかった。
これは、生まれつきだったんだ、と。
その話を聞きながら、私は姪っ子の手を見つめていた。
細くて長い指の中で、小指だけがちょこんと小さい。
まるで赤ちゃんの指みたいで、とても可愛かった。
不思議なくらい、胸がきゅっとした。
きっと私は、その小指に「血のつながり」を見たのだと思う。
親から子へ。
偶然のように見えて、ちゃんと受け継がれていくもの。
誰かと似ていることって、こんなにも愛おしいんだ。
そしてふと思った。
いつか姪っ子に、大好きな人ができたら。
その人はきっと、この小指のことまで愛しく思うんじゃないだろうか。
「変わってるね」じゃなくて、
「あーちゃんの小指、かわいいね」って。
そうやって、この子の全部を好きになる人が、きっと現れる。
他の誰とも違う、あーちゃんだけの手。
私は、あの小指が大好きだ。