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【エッセイ】今回の旅行先は……

    平(たいら) はられ

     実は、少し怖気づいている。手術まで1週間を切ってしまった。

    「えっ、左右の股関節を同時に手術するの?」
    と、驚くのは母だけではなかった。
     知人友人、みんな驚く。

     そして、口を揃えてこう言う。
    「リハビリ、ますます大変になるだろうね」

     しかし、慌ててこう付け加える。
    「でも、若いから大丈夫よ、頑張って」
    若いって、果たして60歳は若いのだろうか。

     とにかく、少しでも若いうちに、少しでも短期間で、ササッと済ませたかったのだ。

     そう言われると、左右の股関節を同時に人工関節に換えることが、確かに、ササッといくわけがない。私は簡単に考えすぎていたのか。どうしよう。数年先でもよかったのではないか。

     不安にかられて、インターネットでいろいろ検索する。

      検索結果の中で一番心強かったのは、
    人工股関節ジャーナリスト骨子さんの言葉。

    日本国内で毎年行われている人工股関節置換術の件数は、
    約8万件にのぼると言われています。
    毎日200人以上の方が「カチャッ」と新しい股関節で
    新しい人生を再スタートしているわけです。

    https://note.com/artificialjoint/n/n35cb8d000f01

     
     やっぱり簡単に考えよう。
    ササッとやってもらって、カチャッと再スタートさせよう。

    𓂃 𓈒𓏸໒꒱· ゚𓂃 𓈒𓏸໒꒱· ゚𓂃 𓈒𓏸໒꒱· ゚𓂃 𓈒𓏸໒꒱· ゚

     海外旅行用の大きなスーツケースを引っ張り出してきて、荷造りを始める。まだ読んでいない本を2冊入れる。
     リハビリは毎日あるから、着替えは多めに。歯磨き用のコップは、かわいいオレンジ色を買った。

     入院先は、飲み物が一切提供されない。食事のお茶さえも。感染対策らしい。
     だから、カップ1杯分までの湯沸かしケトルを買った。これでベッドの上で緑茶やコーヒーが飲める。

     ノートパソコンも持って行きたい。「入院日記」をnoteの街に投稿したいから。

     入院生活と言えば、食事が気になる。110円プラスすると「選択食」に変更できる。見本の写真には、肉料理に色鮮やかな温野菜が。これを上げ膳据え膳で食べられるなんて。

     よし、旅行気分で出かけよう。

     
     
     
    1965生まれ|エッセイを投稿|約30年暮らした東京からH市へ移住|職歴は社内報編集、日本語教師、同行援護従業者など|趣味は海外旅行。25の国と地域を訪問。街より自然や遺跡好き|夫の海外赴任(ジンバブエ,フィリピン,エジプト)に同行し、海外生活も満喫|そのわりに英語は中学レベル😅

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