子どもを産まないという選択
私たち夫婦には子どもがいない。
これからも授かることは難しい。
26歳で結婚して、
同時期に結婚した友人は次々とおめでただったが
夫の仕事の都合や、わたしの転職などもあり
20代のうちはふたり暮らしを満喫しようと決めていた。
20代も終盤になった頃、
わたしの乳がんが見つかり
抗がん剤を使うことが決まって
子どもを望むかどうか選択することになった。
結論としては妊孕性温存(受精卵凍結)は
しないことにした。
理由としては大きく2つ。
一つは受精卵凍結を行なっても
この先必ずしも妊娠できるわけではない。
その確率にかけてまで『絶対に子どもを授かりたい』
という気持ちが夫婦共になく、
それよりも治療を早く始めることを望んだこと。
もう一つは乳がんかもしれないとわかり
診察台で横になって針生検を待つ間、
“こんな怖い思い、子どもにさせたくない“
と咄嗟に思ったこと。
(HBOC(遺伝性乳がん・卵巣がん症候群)
だったわたしは、将来自分の子どもに
50%の確率で同じ遺伝子を引き継ぐ可能性がある。)
昔から子どもと関わることは好きで、
漠然といつか自分も母親になりたいと思っていた。
自分たちで納得して選択したとはいえ、
最初は辛かった。
ママになった同級生のSNSアカウントは
そっとミュートしたし、
ショッピングモールで親子連れを見るたびに
泣きそうになることもあった。
でも治療を進めていくにつれ
時間が経ちメンタルも落ち着いてくると
夫婦ふたり暮らしのメリットもたくさんある
と思えるようになった。
お互い自由な時間が持てたり、
ちょっといい温泉宿や海外旅行に行けたり、
仕事もフレキシブルに選べたり。
可愛いキッズを愛でるのは
姪っ子たちと親友の子どもたちで
満たしてもらっている。(貢ぎおばさん)
今、白血病の治療をしながら
不安なこともあるけど
もし子どもがいたら比じゃなかったと思う。
子どもがいるからこその
幸せや人生経験があると思うし
羨ましいなぁと感じることもあるけど、
こればっかりは正解はない。
自分たちで選んだ選択を正解にしていくしかない。
多様性が認められるようになってきたとはいえ
"結婚したら子どもを産むもの"
という思想はいまだに根強いと思う。
そんな中で全くプレッシャーをかけず
むしろ労わってくれた義実家には感謝しているし、
「夫婦のことやから親の意見は気にしなくていいよ」
と軽々言ってのけた夫にも感謝。
改めていろいろ恵まれてるなぁ、
元気にならなきゃなぁと思った。
