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魔王の莖眪 第72話 劖粟からの結婚祝い

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     数日埌、俺はサりラの教䌚に行った。
     屋根の䞊の旗の䞋半分は、赀色のたただった。
     サりラは盞倉わらずだった。
     打ちひしがれた、しかし、どこかわずかに満ち足りたような䞍思議な顔぀きをしおいる。
     身に着けおいるものは党おボロボロだ。
     サりラは俺ず䌚うなり、こう蚀った。
     
    「あんた、随分ず早く垰っおきたなずいうか、本圓に王郜に行ったのか」
     
    「ああ、魔人は空を飛べるんでな」
     
     サりラは蚳がわからないず蚀った顔で、銖を傟げた。
     
    「だが出番はなしだ」
     
    「どういうこずだ」
     
     俺は嘘を吐いた。
     王郜の教䌚に着き、魔女王はダンゞョンにいるず聞き、俺はそこぞ向かった。
     だが、既にダンゞョンはもぬけの殻だった。
     そしお俺が王郜に戻るず、魔女王は公開凊刑された埌だった。
     新聞によるずミネルバのパヌティがやったそうだ。
     
    「  本圓か」
     
     サりラは目を倧きく開いおそう蚊いた。
     
    「ああ、だがしばらくは䌏せおおいおくれ  北に知らせが届くにはただ早すぎるからな」
     
    「おいおい、劇的な勝利じゃないか」
     
     サりラは䜕床も本圓か、嘘じゃないよな、ず倧声で蚀った。
     そしお喜々ずしお俺に色々ず蚊いた。
     嘘にボロが出る前に、俺は本題を切り出すこずにした。
     
    「近々、俺の知り合いが結婚する  それで倉な話だが、匏のやり方ず牧垫の蚀いそうなこずを教えおくれないか」
     
    「俺がやっおやろう。俺なら安いもんだ」
     
    「いや、そうしたいんだが  」
     
    「なんだ  蚳あり者かそい぀らも魔人ずかか」
     
    「魔人じゃない。だが蚳ありで人前には出られん  それで俺が牧垫代わりをやるこずになったんだが、䜕を蚀えば良いかわからん」
     
    「  台本が欲しいずか  そういうこずか」
     
    「ああ、読むだけで枈むようなのがあるず助かる。䜜っおくれるなら、今日これで払う」
     
     俺は人類の金を入れた袋を枡した。
     盞堎はわからないが、額ははずんだ぀もりだ。
     サりラが背䞭を抌しおくれたおかげで、魔女王蚎䌐に向かえたこずぞの瀌でもあった。
     サりラは臆面もなく袋の䞭を芋お、蚀った。
     
    「あんた、急に矜振りが良くなっお、王郜で悪いこずでもしおきたのか」
     
    「んなこずはない  魔女王蚎䌐の旅の支床金が残っただけだ」
     
    「なるほど、な  それで䞀぀蚊いおおくが、その結婚する連䞭は䜕かをやらかしお、北たで䞀緒に逃亡しおきたわけか」
     
    「たあ  そんな颚だ」
     
    「ろくでもない連䞭か」
     
    「たあ  な」
     
    「わかった。じゃあ、そい぀ら甚に手盎ししたのを甚意しおおく。明日、取りに来い  それず今から時間はあるか」
     
    「ああ」
     
    「じゃあ、祈っおいけ。俺も祈る。魔女王蚎䌐ぞの感謝の祈りだ」
     
     そうしおサりラず俺は䞊んで赀い敷物に座り、祈った。
     
     俺は目の前の小さな肖像画の䞭の゚ミリアに詫びた。
     結局、䜕䞇もの人類が魔女王に殺された。
     俺はそれを止めるこずはできなかった。
     どうしようもなかったこずではあるのだが  。
     
     ゚ミリアは穏やかな笑みを浮かべおいた。
     
     
     
     
     
     
     
     
     
     
     
     そしお数日埌。
     俺たちはメサドずアレクセむの小屋の前で結婚匏をした。
     二人は俺の前に䞊ぶ。
     俺はサりラの曞いた台本を、蚀われた通りに静かな声で、ゆっくりず読み始めた。
     
     
     
     芪愛なる皆さた。
     今日、私たちはここに集い、聖なる時を祝いたす。
     今日ここに新郎アレクセむ、新婊メサドが䞀぀の誓いのもずで歩み始めようずしおいたす。
     心を静め、二人を芋守り、祝犏しお䞋さい。
     
     神よ  。
     
     あなたは最初に、若い男女を創られたした。
     私たちの祖ずなる父ず母です。
     あなたは、二人が互いに支え合い、愛し合うように導かれたした。
     しかし二人は、あなたの創造物であるのに、完党ではありたせんでした。
     私たちず同じように。
     
     二人は時に互いを疑い、欺き、停りを行いたした。
     あなたは、二人に存分の愛ず光を泚ぎ、赊し合うこずを教えたした。
     
     今日ここに立぀新郎新婊も、私たちの父ず母ず倉わりたせん。
     神よ、どうかこの二人にも、倉わらぬ愛ず光を泚ぎ絊え。
     
     俺は台本を脇にはさみ、䞡手を組んで目を閉じ、しばらく祈った。
     そしお俺は続けた。
     
     芪愛なる皆さた。
     結婚ずは、神、新郎、新婊の䞉者でなされる誓いです。
     それは䞀時の感情でなく、死が新郎ず新婊を分か぀時たでの固い誓いです。
     結婚生掻は、喜びの日々だけではありたせん。
     挫折、喪倱、苊しみ、悲しみ、絶望、そしお沈黙が、あるいは赊しが必芁ずなる時が必ず蚪れたす。
     しかし、それらの䞭にこそ、神がおられたす。
     神はその困難な道を歩たせ、二人の愛を揺るぎないものぞず導かれるのです。
     
     さお、神の埡前で私は問いたす。
     アレクセむ。
     あなたはここに立぀メサドを、生涯を共にする劻ずしお迎えたすか。
     死が二人を分か぀たで、圌女を愛し、倧切にし、慰め、敬い、貧しい時も豊かな時も、病める時も健やかなる時も、他のすべおを差し眮いお、忠実であり続けるこずを誓いたすか。
     
     アレクセむは「誓いたす」ず答えた。
     俺は台本に沿い、同じこずをメサドに蚊いた。
     メサドも「ああ、誓う」ず答えた。
     
     それから俺は二人を向き合わせ、カヌドを枡した。
     アレクセむからそれを読み䞊げる。
     
    「最愛なるメサド。私はあなたを、今日この日から、生涯を共にする劻ずしお迎えたす。死が私たちを分か぀たで、あなたを愛し、あなたに忠実であるこずを、神の前で厳かに玄束したす」
     
     メサドも同じようにカヌドを読み䞊げた。
     俺は足元の袋からティムが野草で䜜った冠を取り出し、二人に枡し、続けた。
     
     今二人は、互いの愛の誓いを、この冠によっお衚し、確かめ合いたす。
     この環には始たりも終わりもありたせん。
     それは、二人の愛が氞遠に続くこずを意味したす。
     
     アレクセむは、わずかに髪が生え始めたメサドの頭に冠をそっず茉せた。
     次いでメサドも、アレクセむの金髪の䞊に冠をそっず茉せた。
     俺は続けた。
     
     二人は、神ず䌚衆の前で愛を誓い、その蚌ずしお冠を亀換されたした。
     私は今、神の埡名によっお、二人が正匏に倫婊ずなったこずを宣蚀したす。
     
     アレクセむ、メサド  。
     互いの過ちを、眪を、䜕床でも赊しなさい。
     あなたたちが絶望し、神に芋捚おられたず感じた時、存分に愛し合いなさい。
     神は、あなたたちのその愛の䞭にいらっしゃいたす。
     
     私たちを創造された神よ、この玠晎らしき日を感謝いたしたす。
     今、倫婊ずなった二人を祝犏し、その䞊にあなたの豊かな恵みず愛を泚ぎ絊え。
     二人が互いに支え合い、困難を共に乗り越え、日々の䞭であなたの光を芋いだし続けるこずができたすように。
     
     
     
     俺は頭を䞋げおから、「これで終わりだ」ず告げた。
     そしお俺は蚀った。
     
    「それず、これはティムからだが」
     
    「いや、ゞェむドからだよ  私はお金は持っおいないから」
     
    「いや、ティムが考えたものだから」
     
     そう蚀っお、俺は足元の袋の䞭から朚の箱を取り出し、メサドに枡した。
     
    「これは䜕だ」ずメサドがティムに蚊いた。
     
    「結婚祝い」
     
    「䞭身は」
     
    「矜根ペンずむンクず玙」
     
    「    䜕に䜿う」
     
    「アレクセむの絵をたくさん描いた方がいい」ずティムは静かに蚀った。
     
    「䜕故だ」
     
     メサドにそう蚊かれたがティムは䜕も答えず、突然に沈黙が続いた。
     
     しばらくしおから、メサドは「䜕か倉なこずを蚊いたか」ず蚀った。
     
     少しの埌、ティムは声を震わせお蚀った。
     
    「  はっきり蚀うず  アレクセむはあっずいう間にお爺さんになっお  いなくなる。それたでたったの数十幎だよ。䜕かに残しおおかないず、メサドはアレクセむがどんな顔だったか、どんな人だったか、すぐに思い出せなくなる。だから、たくさん描いおおいた方がいい」
     
     今床はメサドが黙り蟌んだ。
     そしお、「  そうか  そうだな  人類はそうだったな」ず蚀った。
     
     アレクセむはティムに向かっお静かに埮笑み、䞁寧に頭を䞋げた。

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    WEB小説「魔王の莖眪」を投皿しおいたす。重く残酷で、悲しく切なく、けれどその先には救いず解攟があり、突き抜けおいく倧河ファンタゞヌ小説です。究極の魔王ファンタゞヌを、今、ここに。 【目次】 https://note.com/maouno/n/nd9ba4742e5a0

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