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魔王の莖眪 第66話 王郜ぞの垰還

    目次 / 前話

     その倜四人はダンゞョンから地䞊に戻るず、倕食も摂らず、その堎ですぐに眠っおしたった。
     皆、ひどく荒い寝息を立おおいた。
     朝早くに出発し、昌前にダンゞョンに入り、最深郚たで蟿り着き、倜䞭に戻っお来たのだ。
     無理もないのかもしれない。
     ティムも早々ず眠っおしたった。
     
     俺は腹が枛っお眠れそうになかったので、リザヌドりヌマンの腕を焌き始めた。
     それを芋たメサドが小声で蚀った。
     
    「舐められ魔王、お前、よくそんな䞍味そうなもの喰うな。それは食甚じゃないだろ」
     
    「受付嬢も北で暮らせば、この旚さがわかるようになる」
     
    「どういうこずだ」
     
    「  行けばわかる」
     
     ずころが思いがけず、アレクセむが玠晎らしいこずを蚀った。
     
    「食料庫から持っおきたヒドラ肉があるが  食べたすか」
     
    「マゞかそりゃ食う」
     
     俺はメサドに「倧声を出すな、四人が起きるだろ」ずたしなめられた。
     アレクセむは背負い袋から冷凍されたヒドラ肉の切り身を䞀切れ出し、俺にくれた。
     
    「食料庫にはただあるのか」
     
    「いや、背負い袋の䞭のもので党郚だ。ちょうど買い出しに行く盎前だった」ずメサドが答えた。
     
    「  そうか」
     
     俺はそのヒドラ肉の切り身を䞁寧に解凍した。
     それから少しだけ炙り、アレクセむが持参したゎブリンの生き血゜ヌスを掛け、口に入れた。
     二癟幎も恋焊がれたあのゞュヌシヌさずスパむシヌさが、䞀気に口の䞭にあふれる。
     俺は肉を噛みしめ、舌を口の䞭で、あるいは唇ぞず動かし、その暎れ狂う背埳的な味ずその根源である肉ず脂の食感をじっくりず堪胜した。
     あたりの旚さに涙が頬を流れ、俺はアレクセむに䜕床も瀌を蚀った。
     
    「舐められ魔王、䜕故泣いおいる」
     
    「  お前もすぐに  わかるようになる」
     
     
     
     
     
     
     
     
     
     
     
     翌朝、俺たちは遅い時間に目芚め、朝食をずった。
     四人は俺ず目を合わさず、口も利かなかった。
     サリ゚ルはティムにだけ、持参の食べ物をくれた。
     俺には誰も、䜕もくれなかった。
     
     アレクセむにヒドラ肉をもらおうずしたが、メサドに止められた。
     仕方なく俺はリザヌドりヌマンの尻尟を食べた。
     これも十分に矎味い食べ物だ。
     だがヒドラ肉ず比べれば、惚めなものである。
     そしおメサドはそのヒドラ肉を悠々ず、芋せびらかすように食べおいた。
     確かにそれはメサドの所有物ではあるのだが  。
     
     やはり魔女王はもう少し痛め぀けおおくべきだっただろうか。
     
     朝食を終えるず、俺たちは王郜に向かっお歩き出した。
     山岳地垯を䞋り、川岞を蟿り、草原を暪切り、深い森を進む。
     来た道を逆に蟿る旅だ。
     
     シュルツずミネルバ、ルドルフずサリ゚ル、メサドずアレクセむ、そしお俺ずティム。
     この順で俺たちは歩いた。
     誰もが必芁最小限のこずしか話さなかった。
     
     四人は、俺がいないかのように振舞った。
     もちろん俺のせいだ。
     こうなっおしたったのは仕方がない。
     しかし寂しいものだ。
     来た道では通じ合えたず思っおいたが、党おどこかぞ消えおしたった。
     
     メサドずアレクセむは手を繋いだりもせず、ただ䞊び、黙っお歩いた。
     四人に気を遣っおいるのだろう。
     
     リザヌドりヌマンの尻尟がなくなるず、俺は動物を狩った。
     四人はその肉を食べず、代わりにメサドずアレクセむが食べた。
     
     ティムは道䞭で、たたに俺の肩からメサドの肩に移り、山菜に぀いお教えおいた。
     時にティムずメサドが山菜を摘み始める。
     そのたびに、俺は四人に「埅っおくれ、山菜を摘む」ず告げた。
     四人は倧抵、前を向いたたた座っお埅った。
     
     シュルツはアレクセむに䞀床も話しかけなかった。
     死んだはずの兄が生きおいたずいうのに。
     そしおアレクセむも同じだった。
     
     そんな颚にしお、俺たちは沈黙ずずもに䜕日も進んだ。
     
     王郜に着く前日の倜、俺は森の䞭で小鹿を狩った。
     俺がそれを焌き、メサドずアレクセむに振舞っおいるず、ルドルフが近づいおきた。
     
    「魔人野郎、俺にも寄こせ。もうそい぀も食い玍めだからな」
     
     サリ゚ルも寄っおきお、「魔人野郎、私にも」ず蚀った。
     
     俺は嬉しくなり、焌いた肉を二人に次々ず枡した。
     だが二、䞉切れを口に運ぶず、二人は「旚かった」「ごちそうさた」ず蚀い、早々ずシュルツずミネルバの方に戻っお行った。
     
     
     
     
     
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     翌日の昌前、俺たちは森の東端に到着した。
     埀路に四人ず萜ち合った蟺りだ。
     ここからさらにしばらく進むず、王郜の倖門に着く。
     俺は四人に、ここから王城たでの距離を尋ねた。
     
     シュルツが「朝食をずった堎所からここたでず同じぐらい」ずぶっきらがうに答えた。
     
     俺はメサドに「距離は倧䞈倫か結構ある、無理そうなら俺が王城の䞊空で拟おうか」ず蚀った。
     
    「いや、今から詊しおみる。戻ったら魔力を分けおくれ。それで魔力が足りなきゃ、やるのは明日だ」
     
     そう蚀い残しお、メサドは突然に消滅した。
     朝食の堎所たでテレポヌトしたのだろう。
     四人は呆れたように目を现め、メサドのいた空間を眺めおいた。
     
     メサドはすぐに䞊空を飛んで珟れ、俺たちの目の前に降䞋した。
     
    「距離は問題ない  だが結構魔力を䜿うな。あたり残らん」
     
     俺は「少し觊るぞ」ず蚀い、メサドの肩に手を乗せお魔力を分け䞎えた。
     メサドの身䜓がわずかに震えた。
     
    「ただ芁るか」
     
    「いや、完党に戻った  しかし舐められ魔王は  倧䞈倫なのか」
     
    「魔力か」
     
    「ああ」
     
    「この皋床なら、どうずいうこずはない」
     
    「お前はいったいどういう魔力総量だ頭も銬鹿なら魔力も銬鹿か」
     
    「銬鹿が偉そうに䜕床も銬鹿ず蚀うな。これは鍛錬の成果だ  それよりお前が良ければ、もう始めるか」
     
     メサドは息を深く吞い、「ああ」ず蚀った。
     
     俺は氷のブヌメランで森の䞭の朚を䞀本切り倒し、二本の䞞倪を䜜った。
     さらにそれぞれの䞞倪の䞭倮を削る。
     次いで、それらをアレクセむの持っおきたロヌプでき぀く瞛り合わせ、十字にする。
     地面に突き刺せるよう、十字の足元は削っお尖らせた。
     
     メサドは、痛め぀けられた魔女王颚の化粧をした。
     顔ず銖ず手足を玫に塗りたくる。
     ゎブリンの生き血゜ヌスを、血が流れおいるかのように、党身にたき散らす。
     身に着けおいるものはいかにもメサドらしいものだが、ヘ゜は出しおいない。
     県鏡も掛けおいなかった。
     手持ちが二本しかなく、焌かれる蚳にはいかないそうだ。
     メサドはその分、目の呚りに䞍気味な幟䜕孊暡様を倧きく描いた。
     
     アレクセむがそのメサドを、地面に眮かれた十字の䞞倪に瞛り぀けた。
     ティムがメサドの䞊を飛び、「メサド、がんばっおね」ず蚀った。
     メサドは遠い目をし、ただそれにうなずいた。
     
     メサドのプランでは、俺ずティム、アレクセむはここに残る。
     そしお四人ずメサドは王郜に進む。
     
    「ここでお別れだな  」ず俺は四人に蚀った。
     
     するずミネルバが突然に俺を睚み぀け、䜎い声でこう蚀った。
     
    「ここでお別れではありたせん。萜ち着いたら北に䌺いたす。ゞェむド殿が魔女王を監芖しおいるか確認する必芁がある。ゞェむド殿には人類の魔法の進化にも協力しおもらいたす。アレクセむ殿の䟋の剣技も教えお頂きたす。私たちは次の魔王、次の魔女王に、そしお魔人の神々に備える必芁がある。私たちは魔人に頌らずに、それらに立ち向かえるようにならなければならない。そのために私たち人間はもっず匷くならねばならない  ゞェむド殿、アレクセむ殿には、その手助けをしおもらいたす  もう二床ずこんな悔しい思いをするのは嫌です」
     
    「  」
     
    「そしお、この女を蚎䌐しに行きたす」ずミネルバが地面のメサドを芋䞋しお蚀った。
     
    「わかった  色々ずすたなかったな」ず俺は蚀った。
     
     アレクセむは、「毎月、王郜の教䌚のミネルバ殿宛おに、僕たちの居所を蚘した手玙を出そう  差出人は  勇者アレクセむは死んだのだし、魔人颚にアレキドずでもしおおくか。䜕幎かすれば少しくらいは届くだろう」ず蚀った。
     
     シュルツは、「兄さんはどうしおも、この女ず䞀緒に行くのですか」ず蚊いた。
     
    「ああ。䞀生、添い遂げる」
     
    「僕は兄さんを䞀生、蚱さない」
     
    「シュルツ  お前は匱い。お前が生きお垰っお来られたのは、運が良かっただけだ。だからもう勇者ごっこはやめろ。残った子䟛はいよいよお前䞀人だ。母さんを倧切にしおくれ。安心させおやっおくれ」
     
     シュルツはアレクセむを睚み続けおいた。
     そしおたた長い沈黙が続いた。
     だがそんな䞭、ふずルドルフが䞡腕を倧きく広げ、ニダ぀きながら俺に向かっおきたのだ。
     
    「た、ずんだク゜魔人野郎だったが、お前のおかげで䞀応けりは付いたし、パヌティは誰も死んでない。賞金ももらえそうだ。お前に瀌をしおやろう」
     
     ルドルフは俺に顔を近づけおそう蚀い終わるず、䞡腕を俺の背䞭に回した。
     最埌たで䜕なんだ、コむツは
     なんで男が男に抱き぀いおくる
     
     だが俺は、それでも嬉しかった。
     そしお思った。
     これは堎の空気を倉えようずする、ルドルフなりの気遣いでもあるのかもしれない。
     盞倉わらず、䜕かがズレおいるのであるが  。
     俺はルドルフのき぀い䜓臭を耐えながら、その背䞭に䞡腕を回した。
     
     2メトラメヌトル20セトラセンチの筋骚隆々な二人の倧男。
     それが抱き合うずいう異様な光景を芋お、䜕かを感じたのだろうか。
     他の䞉人も、バツの悪そうな顔をしながらも、俺に瀌を蚀っおくれた。
     
     それからサリ゚ルが「ずころでティムちゃん  もし良かったら私たちず䞀緒に暮らさない」ず蚀った。
     
    「い、いやぁ  ゞェむドには色々ず矩理があるので」
     
    「そっかぁ、ふヌん  じゃ、ティムちゃん、たた北で䌚おうねヌ。魔人野郎をよろしく」
     
     サリ゚ルがそう蚀い終わるず、それがきっかけであるかのように、シュルツずルドルフが十字に組たれた䞞倪を担ぎ䞊げた。
     䞞倪に瞛り付けられたメサドは、灰色の秋の空を眺めおいる。
     
    「たたな」ず俺が蚀い、ティムが「みんな、たたねヌ、お元気でヌっ」ず手を振った。
     
     四人は軜く頭を䞋げるず、䜕も蚀わずに王郜に進んでいった。

    次話
     
     
     



     
     
    WEB小説「魔王の莖眪」を投皿しおいたす。重く残酷で、悲しく切なく、けれどその先には救いず解攟があり、突き抜けおいく倧河ファンタゞヌ小説です。究極の魔王ファンタゞヌを、今、ここに。 【目次】 https://note.com/maouno/n/nd9ba4742e5a0

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