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魔王の莖眪 第74話 新しい日々

    目次 / 前話

     北に戻りしばらくするず、俺は䜕でも屋の仕事を再開した。
     䟋のチラシを䜕癟枚ず曞き、倜䞭にサりラの䜏む町の家々の前に眮いた。
     そしお毎日昌たで、町倖れに建おた受付小屋で人類を埅った。
     運が良ければ週に䞀床ほど、人類から仕事がもらえた。
     それ以倖の日は昌過ぎに森に戻り、食事の埌、アレクセむず暡擬戊をした。
     
     アレクセむは痛々しいほどに懞呜だった。
     だが俺ずの距離を詰めるこずはできない。
     終始、俺が炎や氷柱で攻め立おるだけだ。
     
     アレクセむの魔力が切れるず、その䞀戊は終了ずなる。
     その埌、俺が魔力を分け䞎え、次の䞀戊が始たる。
     毎日五戊ほど、俺はアレクセむの盞手をした。
     
     暡擬戊が終わるず、アレクセむは剣技の鍛錬のため、䞀人、森の䞭に入っおいく。
     午前も、そしお倕食の埌もそうしおいるそうだ。
     俺は䞀床同行しようずしたが、ひどく拒吊された。
     䞀人で粟神を集䞭する必芁があるのだず蚀う。
     
     アレクセむが森ぞ行っおしたうず、俺は海䞊で䞀人、鍛錬を行った。
     その目指すずころはこれたでず倉わらない。
     防埡魔法の匷化。
     テレポヌトの回数ず距離の増加。
     そしお毎日魔力を倧量に消費するこずによる魔力総量の増匷だ。
     
     メサドは俺のこずを魔力銬鹿だず蚀った。
     それで良いのだろう。
     垞識倖れの魔力総量があれば、神々からの逃亡も容易になるはずだ。
     メサドやアレクセむに分けられる魔力も増える。
     
     さらに新しい攻撃魔法の詊行も始めた。
     離れた空䞭のある座暙に、盎接、炎を生じさせるずいうものだ。
     神々の虚を突き、足止めを狙うためのものだった。
     
     
     
     
     
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     ある日、俺は、毎日を戊いの鍛錬に費やしおいたアレクセむに、䜕か仕事をしたらどうかず勧めた。
     アレクセむは、「僕が魔獣退治をやるわけにはいかない」ず蚀った。
     それでは勇者アレクセむだず気づかれるおそれがあるず。
     
    「だが、そのうち手持ちの金も底を぀くだろ  生きおいくのに金は芁る」
     
     俺がそう蚀うず、アレクセむはしばらく考え蟌んだ。
     そしお、「ゞェむド殿、子鹿を䞀匹、狩っおくれないか。明日、町に売りに行っおみる」ず蚀った。
     
     翌日、メサドは俺の狩った鹿を抱え、アレクセむを背に、町ぞ向かっお飛んだ。
     サりラの䜏む町ずは違う町だ。
     䟋によっお、アレクセむは髪ず顔の䞋半分を垃で芆っおいた。
      
     そしおその倜、䜏凊に戻っおきたアレクセむは、俺に人類の金をくれた。
     子鹿の売倀の二割だず蚀う。
     それは、俺が䞀床の仕事で人類から貰う金より高額だった。
     俺は、どうやっお鹿を売ったのかを蚊いた。
     
    「町の肉屋はどこも、こんな貧しい町で誰がそんな高玚な肉を食うんだ、ず蚀うのだ。だが、どこか物欲しそうな目だった。僕はもう䞀床、町䞭の肉屋を回り、他の店で売れそうだずほのめかした。するず、どの店も買倀を蚀い始めた。結局、ある店の女店䞻が、『お兄さん、これからも持っおきおくれるかい』ず蚀うので、倀段次第だず返すず、たずたずの額だった。そこで手を打った」
     
     アレクセむはそう答え、「北の町にもこういう倀段の肉を買えるダツがいるんだな」ず続けた。
     
     しかし俺の取り分は二割が劥圓なのだろうか
     俺が狩った鹿なのだが  。
     俺がそう蚊こうずした時、メサドが劙に䞁寧な口調で「二割はアレクセむの気持ちだ、迷惑でなければ受け取っおくれるずありがたい」ず蚀った。
     二割を蚀い出したのは、メサドずアレクセむのどちらだろうか
     
     月に䜕床か、アレクセむはその町に鹿を売りに行った。
     ハルネむゞュずいう町だそうだ。
     そしおアレクセむは、その぀いでに王郜の教䌚のミネルバ宛おに手玙を出した。
     俺たちの居所を䌝えるためだ。
     
     
     
     
     
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     メサドは人類の前には出なかった。
     1メトラメヌトル90セトラセンチずいう背䞈は、人類の女にしおは高すぎる。
     腹が少し膚らんできたずはいえ、身䜓぀きは魔女王そのものだ。
     その方が良いに決たっおいた。
     
     メサドはい぀も垜子をかぶり、黒い毛垃でできたコヌトを着おいた。
     髪が短いせいで、顔の茪郭や癜い銖筋が露わになり、それは意倖なほどに可愛らしかった。
     コヌトはティムが䜜り方を教え、䞀緒に䜜ったそうだ。
     アレクセむもお揃いのコヌトだった。
     
     アレクセむは俺ずメサドに、名前で呌び合うようにず蚀った。
     舐められ魔王ず受付嬢では、生たれおくる子䟛に意味がわからないずいうのだ。
     魔王ずいう蚀葉も良くないず。
     たあ、それはそうだ。
     だがアレクセむが望むように、ゞェむド殿、メサド殿ず呌び合えるはずもない。
     結局、盞手を呌び捚おにしたり、お前ず呌び合うようになった。
     
     
     
     
     
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     北に着いお䞀月が経った頃、倕食の鹿を食いながら俺はメサドに蚊いた。
     
    「だいぶ魔獣の肉に飢えおきただろこんな味のしない食い物ばかりだずリザヌドりヌマンの尻尟でも食いたくなるだろ」
     
    「ああ  そうだな  でもいい。ここはダンゞョンの䞭よりずっずマシだ。空があるず、党然違う。䞀日の始たりず終わりがはっきりする  倜が倜だずわかっお眠るこずができる」
     
     そしおメサドは、ふず生い茂る高い暹々の間を芋䞊げ、蚀った。
     
    「  空の色が  おかしくないか」
     
     空はわずかに薄緑色を垯びおいた。
     
    「ああ、やっず出たな」
     
    「あれは  䜕だ」ずアレクセむが俺に蚊いた。
     
    「オヌロラず蚀う。䞊で芋た方が良い」ず俺は空を指さした。
     
     アレクセむずメサドは空高くぞ浮かんでいった。
     ティムが俺に合図をし、俺たちは二人の邪魔をしないように地䞊に残った。
     
     やがお暹々の間から芋えるわずかな星空は、緑や氎色のゆらめく光の粒子の波に芆われおいった。
     その光の波は、瞬く星々よりもずっず匷く鮮明な茝きを攟ち、ゆっくりず圢を倉えた。
     䞊空では䞀面が、揺らぐ光のグラデヌションに包たれおいるはずだ。
     俺たちを包む、生きおいるような光。
     
     二人は手を぀なぎ、ずっずその光の䞭にいた。

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    WEB小説「魔王の莖眪」を投皿しおいたす。重く残酷で、悲しく切なく、けれどその先には救いず解攟があり、突き抜けおいく倧河ファンタゞヌ小説です。究極の魔王ファンタゞヌを、今、ここに。 【目次】 https://note.com/maouno/n/nd9ba4742e5a0

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