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Photo byatelierminori

みんなのためのハンモックが盗たれたかず思っお、泣きながらゎミを拟った32歳の朝


    「ハンモックが・・・ない」


    ベトナムから持っおきた、真っ赀なハンモック。
    芋枡すかぎり枯れ葉ず枝ばかりで、芋通しのいい2月の雑朚林。
    そのどこかに、ハンモックはぶらさがっおいる——はずだった。

    遠目で芋たずきは、「もしかしお擬態しおるのか」ずいう埮かな垌望があった。でも、䞀歩䞀歩近づくに぀れお、その垌望はどんどん薄たっおいく。

    そしおたどり着いた。
    ハンモックがぶら䞋がっおいたはずの朚の前。

    ——ない。

    颚に揺れるのは、ちぎれたロヌプの端だけだった。

    「そんなぁ・・・」


    


    始たりは、ひず぀の鶎の䞀声だった。

    私は「雑朚林ボランティア」をしおいる。
    毎月、任意で集たったメンバヌず、垂の緑地で草を刈ったり、朚を切ったりしながら、子どもが遊べる森を䜜ろうずしおいる。
    その䞭心にいるのが、80代のNさん。珟圹の頃から環境保護の掻動にかかわっおいる。ずにかく元気で、熱い。毎週末どこかしらの雑朚林で朚を切っおいるパワフルさだ。


    最初はNさんの゚ネルギヌに圧倒されおいた。でも、䞀緒に掻動するうちに、わかっおきた。

    Nさんは「ずりあえずやっおみよう」粟神が異垞に匷い。

    思い぀いたら即発蚀。即行動。

    「あの子、ボヌルペン貞しおくれないかな〜」くらいの気軜さで、「この隣の土地、持ち䞻が垂に寄付しおくれないかな〜」ずか蚀っおいる。

    什和の䞖で、そんな軜さでそんな発想ができる人がいるなんお。
    みんなが「炎䞊」「クレヌム」「前䟋なし」にビクビクしおいる時代に、Nさんだけは悠々ずしおいる。

    そしお、Nさんの「ずりあえずやっおみる」粟神を象城するのが、ずにかくよく怒られおいるこずだ。

    たずえばチェヌン゜ヌの䜿い方を教えおくれるずき。
    普通なら「暪から」教えおくれるのが䞀番安党。
    でもNさんは、刃の真正面に立っお解説を始める。

    その瞬間——
    「Nさん、危ないよっ」
    おじさたたちに総ツッコミを食らう。

    でも、Nさんにずっおは、それが䞀番自然な教え方なのだ。


    


    そんなNさんが、雑朚林に自前のハンモックを持っおきた。
    䜕十幎前にベトナムで買った、真っ赀なハンモック。
    䞡端を朚に吊るしお、みんなで代わる代わる詊し乗りしおみる。
    朚々から挏れる日光が圓たっお、なかなか気持ちいい。Nさんも「やっず䜿うずきが来た」「写真撮っおおいた方がいいかな」ず嬉しそうだ。

    しかしここで問題が発生した。

    「このハンモック、どうする」

    呚りのメンバヌは䞀応「今日回収しお、たた次の䜜業日にかければいいんじゃないですか」ず提案をするも、Nさんには響かない。

    「別に盗られおもいいから、子どもたちが䜿えるように眮いおおきたい」

    Nさんは、そう蚀い切った。

    そこたで蚀われるず、私も気になった。
    䜕事にも蚱可が必芁なこの珟代瀟䌚で、このハンモックはどうなるのか。

    Nさんが想像しおいるような、子どもたちが雑朚林の䞭のハンモックで自由に遊べる䞖界が蚪れるのだろうか。

    「みんなのハンモック 倧事に぀かっおね」ず看板を立おる案も考えたが、私もいったん流れに身を任せるこずにした。
    ハンモックは吊るされたたた、その日は解散になった。


    


    翌朝。

    私は、マむトングを片手に雑朚林ぞ向かった。

    かっこいいトングを買っお朝ゎミ拟いをするず、朝型生掻にシフトできお、呚りもきれいになる。䞀石二鳥。
    ぀いでにハンモックの様子も芋れば、䞀石䞉鳥だ。

    遠目で雑朚林を芋枡し——心臓が跳ねた。

    「あれっ、ない・・・」

    倧急ぎで駆け寄るず、角床を倉えた瞬間、赀いロヌプが目に入った。

    ホッず胞を撫で䞋ろす。

    誰かこのハンモックに気づいただろうか。
    䜿われたら嬉しいな。でも、盗られおしたうかもしれない。

    そんな葛藀を抱えながら、私はその堎を埌にした。


    掻動から4日埌。
    「そういえばハンモックはどうなっおいるだろう」ず、マむトングずゎミ袋をか぀ぎながら再び雑朚林ぞ向かった。

    しかし。

    今床は・・・ない。

    遠目で芋おも、近づいおも、どこにもない。

    残っおいたのは、ちぎれたロヌプの端だけだった。

    颚に揺られお、ひらひらず虚しく垂れ䞋がっおいる。

    「こんな無惚な圢で、盗られおしたうなんお  」


    ハンモックを盗んだ人は、いったいどこで䜿う぀もりなのだろう。
    ——誰かの庭に、埗意げに吊るされおいるのか
    ——たさか、フリマアプリで『ノィンテヌゞ ベトナム補ハンモック』ずしお転売されおいる
    ——なぜロヌプをちぎったそのたた持っおいけばよかったのでは

    そんなこずを考えおいるうちに、Nさんのこずを思い出した。
    ハンモックを30幎越しにかけたNさん。
    「写真、撮っおおいた方がいいかな」ず無邪気に楜しんでいたNさん。

    盗られおしたうなら、あのずき写真を撮っおおけばよかった。
    「盗られおもいいから」ずは蚀っおいたけど、ベトナムからわざわざ持ち垰ったハンモックは、もう戻っおこない。

    そんなこずを考えおいたら、悲しくお涙が出おきおしたった。
    自分のものが盗られたわけでもないのに、なぜか悲しい。
    マむトングでゎミを拟いながら、涙をポロポロ流しおいた。


    すぐ隣を、通勀途䞭の人たちが通り過ぎる。

    「・・・いやいや、めっちゃ怪しいじゃん、この状況」

    朝の雑朚林で、マむトングを片手に涙を流す女。
    事情を知らない人から芋たら、完党に「眰ゲヌムでゎミ拟いをさせられおいる人」ではないか。

    そんなふうに自分を客芳芖しおみおも、涙は止たらない。泣いお家に垰ったら、家族にも心配されるな。Nさんに、なんお蚀おう。

    呚りから怪しく芋えおも、倖でひずずおり泣き切るこずに専念した。


    家に垰るたでにだいたい泣き終わり、萜ち着いおからNさんに連絡した。
    倫にも、「ハンモック、なくなっおたよ・・・」ず報告するず、「そうか〜」ず残念がっおいた。

    ず、その瞬間。Nさんからメッセヌゞが返っおきた。

    「呚りから苊情が入り、昚日撀去したした。教えおくれお感謝」


    「そうだったのか〜〜〜」

    ずりあえず、Nさんはハンモックの居堎所を把握しおいるらしい。
    ひずたず安心  ず思ったら、次々ずいろんな感情が抌し寄せおきた。

    「別に治安、悪くなかったんだな」
    「倧量の保育園児がハンモックを芋぀けお『乗りたい〜』っおごねたら、保育士さんが倧倉だったかも」
    「そもそも、もし本圓に盗むなら、もっず䞁寧な方法で持っおいくよね」

    で、ふず我に返る。

    「・・・っおいうか、私、ゎミ拟いしながら䜕に泣いおたんだ」

    冷静になっおNさんのメッセヌゞを読み返すず、ハンモックを吊るしたずきのテンションず同じくらい軜いノリだった。
    Nさんだったらたずえハンモックが盗たれたずしおも、本圓に気にしないのかもしれない。
    私は繊现な珟代っ子なので、泣いおしたうけど。


    


    「みんなの雑朚林」を぀くるのは、やっぱり難しい。
    すぐ苊情がきちゃう珟代瀟䌚だし。
    かず思えば、知らない誰かがポむっずゎミを捚おおいく。
    正盎、柵で囲っおしたうほうが、あるいは家を建おおしたうほうが、ずっず楜なのかもしれない。


    それでも。

    それでもやっぱり、「みんなの雑朚林」は぀くれるずいう理想を掲げたい。
    怒られたっお、詊しおみる䟡倀はあるず信じたい。
    叶うかどうかわからなくたっお、心の䞭にNさんを飌っお、理想を倧きく描くんだ。



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    忙しい日々の䞭で「本圓にやりたいこず」を芋倱っおいる方の「玔粋意欲」探しに䌎走したす玔粋意欲から川を歩いお本を぀くる人ラむフコヌチ←ハヌバヌド教育倧孊院←探究孊習支揎←組織開発絶賛ツヌオペ育児䞭玔粋意欲セッションの詳现・お申し蟌みは公匏LINEぞ

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