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あったぁ♡──人生最大の傷は、人生最大のギフトだった

    #創作大賞2026 #エッセイ部門

    それが“普通”だった。

    休んでいるはずなのに、
    思考だけがずっと走り続けている気がしていた。

    いや、正確には──気づいていなかった。

    それが普通だと思っていた。

    むしろそれが、
    “ちゃんと生きている証拠”だと思っていた。

    止まっているほうが怖かった。

    何もしない自分が怖かった。

    価値がなくなる気がしていた。

    何もなくなることが、
    自分が消えることと同じに思えていた。

    だから私はずっと動いていた。

    いや、正確には──

    動いている“つもり”ですらなかったのかもしれない。

    それが私の普通だったから。

    安心したかった。

    元気になりたかった。

    不安をなくしたかった。

    ちゃんとした自分になりたかった。

    だから私は、学び、働き、人と関わり、

    “できている自分”を積み重ねていった。

    でも気づくと、

    安心に近づくほど、なぜか落ち着かなかった。

    少し楽になると、また次を探した。

    止まると、怖くなった。

    また動いた。

    また頑張った。

    また自分を置いていった。

    安心したいのに、安心に近づくと不安になる。

    元気になりたいのに、元気になるほど落ち着かない。

    止まったら終わる。

    何もしなかったら終わる。

    役に立たなかったら終わる。

    そんな感覚が、ずっとどこかにあった。

    だから私はずっと、

    止まることよりも前に、“生きること”を選び続けていた。

    でもその生き方には、ひとつだけ置き去りにされていたものがあった。

    それが、今ここにいる私だった。

    泣きたい私。

    休みたい私。

    怖がっている私。

    動けない私。

    その全部を、私は少しずつ後ろに置いていった。

    でも本当は違った。

    置いていこうとしていたのは、

    “できない私”ではなく、

    不安のある自分そのものだった。

    静けさの中でだけ聞こえる声があった。

    「もう十分だよ」

    「少し休もうよ」

    「ここにいるよ」

    その声を聞かないために、私は動き続けていた。

    学ぶこと。

    働くこと。

    誰かと関わること。

    それをしている間だけ、自分でいられる気がした。

    でも止まったとき、

    すべてが静かになったとき、

    胸の奥からいろんなものが浮かび上がってきた。

    不安。

    寂しさ。

    空虚感。

    ぽっかりとした穴。

    それを感じるのが怖かった。

    身体の痛みも。

    疲れも。

    不安も。

    罪悪感も。

    それは“問題”ではなかった。

    止めるためのものではなく、
    知らせるためのものだった。

    「ここにいる」と。

    私はそれをずっと誤解していた。

    不安も同じだった。

    消すものではなかった。

    不安の奥には、
    「生きたい」という願いがあった。

    安心したい。

    愛されたい。

    ここにいていいと思いたい。

    その願いが、
    不安という形をとっていただけだった。

    私はずっと思っていた。

    安心できないのは、
    自分が弱いからだと。

    でも違った。

    安心したら終わると、
    無意識に信じていただけだった。

    安心したら止まる。

    止まったら価値がなくなる。

    だから私は、
    安心に近づいては離れていった。

    でも今は少し違う。
    安心は終わりではなかった。

    安心は、
    ようやく始まる場所だった。

    頑張るためではなく、
    生きるために。

    証明するためではなく、
    味わうために。

    私はまだ完全に変わったわけじゃない。

    また頑張る日がある。

    また置いていく日がある。

    でもそのたびに気づく。
    「あ、まただった」
    そして少し戻ってくる。

    その繰り返しの中で、
    ひとつだけ確かなことがある。

    どれだけ離れても、
    私は私を待っているということを。

    気づいたときに戻ればいい。

    何度でも。

    「待っててくれてありがとう♡」

    そう言いながら、

    また手をつなげばいい。

    それでもある時から、

    身体がついてこなくなった。

    朝だった。

    カーテンの隙間から光は入っているのに、
    身体だけが静かに布団へ沈んでいた。

    「起きなきゃ。」

    そう思うほど、
    身体は動かなくなっていった。

    疲れ。

    痛み。

    だるさ。

    動けなさ。

    それは壊れたのではなく、

    「もうひとりで頑張らなくていい」

    そう伝えてくれていたのかもしれない。

    止まることは終わりではなかった。

    むしろそこから、

    自分に戻っていく時間が始まっていた。

    人生最大の傷は、
    人生最大のギフトだった。

    失ったと思っていたものの中に、
    ずっと“ここにいる私”がいた。

    そしてある日気づく。

    探していたものは、
    最初からここにあった。

    安心も。

    愛も。

    答えも。

    本当の私も。

    全部ここに。

    あったぁ♡

    その瞬間、
    探す人生は終わるのではなく、
    気づく人生に変わる。

    人生は美味しい宝箱♡

    泣いた私も。

    迷った私も。

    頑張りすぎた私も。

    止まれなかった私も。

    全部ここにいた。

    だから今日も私は生きていく。

    そして何度でも思い出す。

    あったぁ♡

    窓の外を見た。

    いつもと同じ景色だった。

    でも

    私だけが少し違っていた。


     
     
    悲しみも、喜びも 人生の宝物。 自分とつながることが すべての始まり。 内側の声を大切に わたしを置いていかない生き方を 一緒に育んでいます♡ 人生は美味しい宝箱♡ MANA美愛の楽園へようこそ♡ 一緒に歩こう♡ 🌿✨💕 \\ ワクワクワープ☆// 楽園長 月神喜美子

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