
酒と肴、六月
カロリーを 集めて増えし 浮き輪肉(千鳥歩)
この頃ふっくらしてきたお腹まわり。
すぐに落ちる内臓脂肪ではなく、運動マストな皮下脂肪だと気付いた嘆きを詠みました。季語は「浮き輪」、気分は「ブルー」、「千鳥歩(せんちょうほ)」は私の俳号です。
真夏の手前、梅雨入り前から暑い日が続くと天気予報士はテレビで言っておりました。旬の食材もすぐにピークを過ぎてしまい、逃したら向こう一年お預けです。転校初日にぶつかる食パン少女よろしく、出会いとは一瞬であり運命的なのであります。
食材には出始めの「はしり」、旬を迎えた「さかり」、仕舞いに向かう「なごり」があって、それぞれ私たちの五感を楽しませてくれます。
今の時季、はしりは鱧に枝豆ですかね。
梅雨の水を飲んで旨くなる魚らしいので、たらふくビールを呑んだ私のハラミも、さぞかし美味なることでしょう。ビールに枝豆は欠かせませんので肥えるばかりです。
さかりを迎えたのは鰯とえんどう豆あたり。
入梅いわしはたっぷり脂がのって、もっとも美味しいと言われます。肉月に旨いと書いて脂なら、肉月の右、ふくらみを表すパーツで腹なんです。ほら、複とか復、馥も増えたり拡がったりする感がありますよね。お刺身にして、豆ごはんのおむすびと冷酒をキメたら、いつまでも梅雨が明けません。
そして鰹やそら豆がなごりでしょうか。
初鰹に戻り鰹、年に2回も楽しめていたら、痩せてる暇がありません。世知辛い現代、せめてこじゃんと旨いものを食べて暮らしたいのです。移りゆく季節、縁側で雨を眺めながら塩ゆでしたそら豆と一緒にやりたいものです。
さてさて、どいつもこいつもお酒が進む酒盗案件、この世は食べたいもので溢れて困ります。身体は梅雨に濡れ、内側が酒浸しでは、ジメッとしてよろしくございません。そこで今回はメインでも豆でもなく、ピリッと爽やかな山椒の実を取り上げることにしました。夏には水着になる予定があるので、カロリーを抑えるという計算も働いています。
さて先日、笑っていいとも!方式でご縁がつながり、たくさんの実山椒を頂きました。

バケ単位に小分けされたものしか取り扱ったことがなく、キロクラスのブツだと果たして末端価格がいくらになるか想像もつきません。

そしてこれだけの量の実を小枝から外すのに、どれだけ時間が掛かるか、想像もつきません。
山椒の香りを胸に吸い込みながら、結果3時間以上かけ爪を黒く染めて出来たのがこちら。塩漬けに醤油漬け、佃煮と粉山椒です。


どれも清涼な香りと爽快な痺れに溢れた品に仕上がりました。いずれも保存が効くので、お腹がへこんできたら魚や肉と合わせる予定です、いえ、でした。
味見のつもりで佃煮をおつまみにしたら止まらなくてですね、ご飯にのせたらメシトモ事案なのです。
酒と炭水化物で、今日も浮き輪を膨らませております。
写真:筆者