
新種のトカゲ!?
近所の24時間営業のスーパー。
夜の9時くらいだったと思う。
買い物を終え、自動ドアを抜けて店の外へ。
疲れたような、疲れてないような、
いつも通りの足取りで進むその先に…
そいつは、いた。
ひっそりと。
しっとりと?
気持ち悪いと言ったら申し訳ないが、決して好みではない為、見て見ぬふりをして避ける。
通り過ぎて、足を止めた。
「ん?」
何かが、おかしい。
怖いのに、もう一度見たい。
見たくないのに、好奇心が抑えきれない。
通り過ぎた足を、3歩ほど戻す。
恐る恐る、でも、しっかりと見た。
心臓がお腹の中心にぎゅん、と下がるような感覚。
「え、うそ!?」
私の声に振り向いた旦那が戻ってくる。
「これ、新種のトカゲじゃない!?」
私は、それを指差しながら、バッグの中のスマホを探した。
それは、湿っぽい質感の黄緑色。不気味なことに、動かない。トカゲ?だと思うのに、羽みたいなものが付いている。
私は急いでそれをカメラに収めた。
普段、冷静な旦那も写真を撮り出したことで、私の心にある恐怖は消え、新しいものを発見してしまった、という高揚感でいっぱいになった。
どうしよう?
何に投稿しようか?
カメラに収めた写真の撮れ具合を確認しながら、そんなことを考えていた。
その時。
どこか落ち着いた、そして何となくひんやりとした声が、私の耳に届く。
「デアゴスティーニのフィギュアです」
棒読みの旦那の声。
「え?」
もう一度。
「デアゴスティーニのフィギュアです」
こうして、私の新種発見の夢は儚く消え、また一つ恥ずかしいだけの思い出が残った。
旦那は、からかうようにして笑っていたが、これがオモチャだと、初めからわかっていたのだろうか?
それとも、画像検索して知ったのだろうか?
一刻も早く立ち去りたくて、何も訊くことが出来なかった。

〜あとがき〜
何でこれを本物だと思ったのでしょうか?
また一つ、思い込みによる黒歴史が増えました。