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毎週ショートショート「大嘘寺」

    ここは、世の中の嘘を供養する「大嘘寺」。

    毎日何百という嘘が持ち込まれる。
    「1999年、世界は滅亡する」といった、暴かれた嘘だけではない。
    「努力は必ず報われる」「人類はみな平等だ」といった、綺麗事と種別される嘘もまた大量に運ばれてくる。

    ある日、一番弟子の頼亜は寺の奥で古びた登記簿を見つけた。
    そこには驚くべき記載があった。

    大嘘寺は昭和半ばに改名したもので、もとは「真実寺」という名前だったのだ。

    頼亜は、和尚に真を問うた。
    和尚は、静かに応えた。

    「私は四半世紀にわたり、真実寺で真実を説き続けた。
    『人は宇宙の塵に等しい』『生きる意味など、後付けに過ぎない』と」

    「しかし、世間は受け入れず、聞きたくない真実に『嘘』というレッテルを貼ったのだ。

    だから、私は『大嘘寺』と改名した。
    真実が嘘と言われるならば、せめて『嘘』として供養してやりたいと思ってね」

    和尚はふっと笑った後、小さく言った。
    「この寺に運ばれてくる『嘘』の半分程度はね、実は『真実』なんだよ」

    頼亜は、それが嘘なのか真実なのか分からなかった。
    彼はただ、和尚の言葉をそのまま受け止めようと心に決めた。


    今週も下記の企画に参加させていただきました。
    よろしくお願いします。


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