謎のAI動画モデルが3日で世界1位に。その正体はAlibaba「HappyHorse-1.0」
2026年4月7日、AI動画生成の世界に突然の黒船が現れた。
名前も所属も伏せた正体不明のモデルが、世界最大級の動画AIベンチマーク「Artificial Analysis Video Arena」に突如エントリー。
盲検人間投票(Eloレーティング)によるリアルな評価で、たった数日のうちに全カテゴリで首位に躍り出た。
その名は HappyHorse-1.0。
📊 数字で見る圧倒的な強さ
Artificial Analysis Video Arenaは、ユーザーが2つの動画を見比べてどちらが良いかを選ぶ「ブラインドテスト」形式。
チェスのEloレーティングと同じ数学で順位が決まる、自己申告ではない純粋な人気投票だ。

従来1位だったByteDanceのSeedance 2.0に対して、音なし部門で約60ポイント差をつける圧勝。
Sora、Veo、Klingといった名だたるモデルを一蹴した。
🔍 正体は「Alibaba発の独立チーム」
「HappyHorse」という名前が何者なのか、AIコミュニティがざわついた。開発元もアーキテクチャも非公開のまま1位に。
4月10日、Bloomberg・CNBC・The Informationなど複数メディアが一斉に報じた。
正体:Alibaba Token Hub(ATH)のAIイノベーションユニット、旧・淘天集団(Taotian Group)Future Life Lab チーム
リーダーは Zhang Di氏。KuaishouのVP(副社長)として、あの「Kling AI」の技術責任者を務めた人物だ。中国AI動画界の重要プレイヤーが、Alibabaの傘下で動いていた。
⚙️ 技術的になにがすごいのか
HappyHorse-1.0の核心は「動画と音声を1回のフォワードパスで同時生成する」という新アーキテクチャ。
従来モデルは映像生成と音声生成を別々に処理して合わせる方式が多い。HappyHorseはテキスト・画像・動画・音声をすべて同じトークン列に乗せてAttentionで一括処理する、40層のSingle-stream Transformerを採用(150億パラメータ)。
1080p映像をH100 GPU 1枚で約38秒で生成
7言語のネイティブリップシンク対応(日本語含む)
オープンソース・商用ライセンス無償
そして完全オープンソース。モデルウェイト、蒸留モデル、超解像モジュール、推論コードをすべて公開予定(GitHub近日公開)。
🌏 なぜ今これが刺さるのか
タイミングも絶妙だった。
OpenAIがSoraを事実上撤退(コスト・戦略上の理由でAGI開発へ集中)
ByteDanceのSeedance 2.0がHollywood著作権問題で展開停止
中国勢の二大ライバルが同時につまずいたタイミングで、Alibabaが手の内を明かした。しかもオープンソースで。
🚀 これから何が起きる?
現在はクローズドベータ中。APIは4月末〜5月ごろ公開予定、モデルウェイトも間もなく公開される見通し。
Kling AIを作ったチームが次に放つAI動画モデルが、クローズドな状態でSoraを超えてしまった。
「HappyHorse時代」は、もう始まっている。
