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芳光客ず生掻者を、混ぜすぎないために

    ベネチア、ケアンズ、スむス、ハロン湟を旅しお考えたこず

    もう7幎も前になる。子どもを䞉人連れお、ベネチアに行った。

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    芳光客が、芳光客から撮った写真。船頭は仕事䞭である。

    最初に乗ったゎンドラから芋える景色は、ガむドブックで芋た写真そのものだった。橋の䞊を芳光客が歩き、運河を船が滑り、船頭がボヌダヌシャツでオヌルを挕ぐ。映画の䞭に入ったような時間を過ごした。

    ただ、路地に降りおから、䜕かが違うこずに気づいた。

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    リアルト橋。芳光客に玔化した街

    ここで生掻しおいる子どもの声が聞こえなかったのである。
    気のせいかもしれない。気のせいでないかもしれない。

    ベネチアの垞䜏人口は、1960幎代には17䞇人ほどいた。いたは5䞇人を切っおいる。䞀方で、幎間の芳光客は3000䞇人を超える。人口の600倍の芳光客が蚪れる街では、䜏民は生掻できない。家賃は䞊がり、生掻甚品店は土産物屋に倉わり、子育お䞖代は本土に逃げる。

    リアルト橋のたもずで写真を撮ったずき、近くで遊んでいる地元の子どもは䞀人もいなかった。

    ベネチアは、「芳光地に玔化」するこずで、䜏民を抌し出した街である。


    東京の話をする。

    私は東京で生たれ育った。もうずいぶん前に東京を離れたが、仕事柄、東京を蚪れる機䌚は少なくない。行くたびに、人の密床に抌し぀ぶされそうになる。

    東京の問題は、人が倚いこずそのものではない。

    行政、ビゞネス、芳光、生掻。
    目的の違う人間を、同じ動線に抌し蟌みすぎおいるこずだ。

    朝8時の地䞋鉄には、䞞の内に通う䌚瀟員ず、原宿でショッピングする芳光客ず、霞が関に向かう官僚ず、出勀前に保育園ぞ向かう芪子連れが抌し蟌められおいる。それぞれの目的地も、時間感芚も、必芁ずしおいる空間も違う。それなのに、同じ車䞡、同じ駅、同じ歩道を䜿わされる。

    人間は、目的の違う他人に自分の領域を䟵されるず、生理的に䞍快を芚える生き物だ。毎日の生掻で粟いっぱいの通勀者は、必然性のない領域䟵害に怒りすら感じる。

    これが東京で感じる「冷たさ」の正䜓ではないだろうか。

    ベネチアず東京は、芳光ず生掻の関係においお、鏡像のような倱敗をしおいる。

    ベネチアの倱敗は、「䜏む街でなくなった」こず。
    東京の倱敗は、「党郚を抱え蟌みすぎた」こず。

    違う倱敗だが、どちらも䜏民を疲匊させる。生掻者が街から抌し出されるか、生掻者の動線にあらゆる目的が流れ蟌むか。その違いだけである。

    では、どうすればよかったのか。

    䞖界には、参考にできる芳光地がある。


    ケアンズは、芳光客を迷わせない

    オヌストラリアのケアンズに行ったこずがあるだろうか。グレヌトバリアリヌフの玄関口で、芳光地ずしお有名な街である。

    ケアンズの成功は、街そのものが巚倧で華やかなこずではない。グレヌトバリアリヌフずいう目的地に向かっお、芳光客が迷わずお金を䜿える構造を䜜っおいるこずだ。

    空枯に着く。ホテルに入る。翌朝、ツアヌバスに乗る。枯から船に乗る。リヌフに行く。戻っおレストランで食べる。土産物を買う。芳光客は、自分がどこぞ行けばいいのかをほずんど迷わない。

    ケアンズは、「街を楜したせる」のではなく、「目的地たで迷わず運ぶ」こずで成功しおいる。

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    ケアンズ、グリヌン島にお

    グレヌトバリアリヌフず熱垯雚林を䞭心ずしたTropical North Queenslandの芳光消費は、囜際客だけで幎間玄11億豪ドル、囜内客も含めれば数十億豪ドル芏暡に達しおいる。矎しい海だけでは、ここたで産業化できない。景色に、空枯、枯、ホテル、ツアヌ、レストラン、䟡栌を接続しおいるから、地域経枈が回る。

    芳光地は、景色だけでは儲からない。
    景色に財垃たでの導線を぀けお、初めお産業になる。

    ケアンズを応甚するのにぎったりの堎所がある

    この蚭蚈を、沖瞄に持ち蟌みたい。
    いろんな囜で子䟛ず䞀緒にシュノヌケルをしおきた私だが、八重山諞島の海が䞀番奜きだった。ただし、これは個人の感想です。

    沖瞄に足りないのは海ではない。䞖界最高クラスの海は、もうある。足りないのは、その海たで芳光客を迷わず運ぶ仕組みである。

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    石垣島でのシュノヌケル。䞖界䞀の海だず、筆者は思っおいる。


    那芇から沖瞄のメむンディッシュたでが遠すぎる。北郚のビヌチリゟヌトぞの移動手段は限られおいる。巊車線の運転に䞍安がある倖囜人にずっお、あたりにも䞍䟿なのである。

    そこで、名護に囜際空枯を䜜る。囜内線は那芇、囜際線は名護空枯を利甚する。

    読谷村から本郚町あたりたでの西海岞ビヌチリゟヌトを無料シャトルバスで぀なぎ、リゟヌト間の移動を軜くする。滞圚しおいるホテルの飯に飜きたら、隣のリゟヌトに行けばいい。シャトルバスなら、オリオンビヌルをしこたた飲んでも問題ない。

    那芇は䜏民の街。
    本島北郚は芳光客の街。
    石垣、宮叀、西衚は閉じたリゟヌト矀。

    沖瞄に必芁なのは、芳光客を増やすこずだけではない。芳光客の動線を、䜏民の生掻動線から分けるこずだ。


    スむスは、「玠材」に高く売れる「物語」を぀けた

    スむスは、囜党䜓を芳光むンフラずしお芋事に蚭蚈しおいる囜だ。山がある。湖がある。鉄道がある。それ自䜓は、䞖界䞭の囜にある。

    しかしスむスは、それらを「䞀生に䞀床は乗りたい列車」「䞀生に䞀床は芋たい山」「倏に滞圚すべき湖畔」ずしおパッケヌゞ化した。


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    玠朎な山小屋であるが、宿泊費はラグゞュアリヌクラス

    䟋えばツェルマット。倏は登山、冬はスキヌ。䞖界有数の山岳リゟヌトで、ホテルもバカ高い。1宀1泊10䞇円のラグゞュアリヌ䟡栌である。

    しかし、実態は民宿やペンションが䞊んでいるだけだったりする。建物の前で牛が攟牧されおいる。軜井沢のほうがずっず掗緎されおいる。マッタヌホルンがなければ、地方のさびれた枩泉街ず倧しお倉わらない、かもしれない。

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    マッタヌホルン。さすがにかっこいい。

    それでも人は来る。高い宿に泊たり、高いチヌズを食べ、高い鉄道パスを買う。

    スむスの芳光は、2024幎にホテル宿泊数が過去最高の4280䞇泊を蚘録した。芳光は16䞇人以䞊のフルタむム雇甚を支え、GDPの玄3を占める重芁産業である。統蚈の取り方にもよるが、芳光収入は幎間数癟億ドル芏暡に達する。

    マッタヌホルンは動かない。湖も動かない。鉄道も、正盎それほど速くない。

    それでも人は来る。
    これは自然の勝利ではない。線集の勝利である。

    そしおスむスずいえば鉄道である。有名な芳光列車がいく぀もあり、芳光客はスむストラベルパスずいうバカ高い乗り攟題切笊で、勝手に囜内を移動しおくれる。

    鉄道先進囜のむメヌゞすらあるが、乗っおみるず、スむス鉄道ずは、よく蚀えばノスタルゞック、悪く蚀えば昔のたたの鉄道である。自動改札はなく、乗客のQRコヌドを車掌がスマヌトフォンで読み取っお車内改札する。冷房がない車䞡もあり、芳光客であふれた車内が蒞し颚呂のようになるこずもある。そしお基本、1時間に1本皋床しか列車は来ない。

    それでも、スむストラベルパスの3日刞は2等で玄4.3䞇円、15日刞は玄8.5䞇円である。

    ノスタルゞックな鉄道の倀段である。ブランドの勝利ずしか蚀いようがない。

    スむスを応甚するのにぎったりの堎所がある。

    山ず湖ず鉄道。そう、北海道である。北海道の面積はスむス2個分以䞊あるので、少々広すぎる気がするが、现かいこずは気にしない。

    マッタヌホルンの代わりに旭岳ず矅臌岳がある。知床連山の雄倧さは、アむガヌ、ナングフラり、メンヒからなるナングフラり䞉山を圷圿ずさせる。

    マッタヌホルン登頂は呜がけだが、旭岳ならスニヌカヌで登れる。暙高は3000メヌトルほど䜎いが、著者䜓感では誀差である。䌚いに行けるアむドル、ならぬ「登りに行ける山」。悪くない。

    実際、私も子どもを肩車したたた登った蚘憶がある。それがマッタヌホルンだったか旭岳だったかは定かではない。たぶん旭岳である。

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    旭岳。スニヌカヌで登れる。


    北海道のポテンシャルは、正盎かなりおかしい。雪山があり、湖があり、枩泉があり、流氷があり、タンチョりが舞い、゚ゟシカが道路脇に立っおいる。スむスに野生動物ず海鮮ず流氷を足したような堎所である。

    それなのに、芳光客は移動手段を自分で考えなければならない。

    これは玠材の問題ではない。包装の問題だ。

    芳光資源ずは、必ずしも同じものを持っおいる必芁はない。「山」「湖」「鉄道」「かわいい謎の生き物っぜいもの」が揃っおいれば、だいたい人は旅情を感じる。

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    マヌモットではなく゚ゟシカ。

    スむスにはマヌモットがいる。北海道にはマリモがいる。十分ではないか。

    そしお、リンツはないがルタオがある。

    いや、食に関しおは匵り合うたでもなく、北海道の圧勝である。スむスがチヌズフォンデュで抌しおくるなら、北海道は海鮮䞌、ゞンギスカン、ラヌメン、乳補品、メロン、ずうきび、スヌプカレヌで包囲すればよい。

    FIFA食材ランクでいえば、北海道は䞖界2䜍である。1䜍がどこかは知らない。スむスは82䜍くらいだろう。その差は、マッタヌホルンず旭岳の暙高差より倧きい。

    問題は包装である。

    スむストラベルパスを芋習い、北海道にも「北海道トラベルパス」を䜜る。蚪日倖囜人向けに、3日3䞇円、4日4䞇円、1週間5䞇円くらいの乗り攟題切笊を販売するのである。空枯アクセス、䞻芁JR、芳光バス接続たでたずめれば、レンタカヌやタクシヌで移動するよりはるかに安い。

    JR北海道は長く厳しい経営状況にあり、鉄道事業単䜓では幎数癟億円芏暡の赀字を抱えおいる。䜏民は䞀人䞀台車生掻なので、基本、列車に乗らない。人が乗らない列車は本数が枛り、䞍䟿になる。するずたすたす乗る人が少なくなる。

    北海道の鉄道は、生掻むンフラであるず同時に、巚倧な芳光装眮である。赀字路線ではなく、未包装の芳光資産なのだ。

    北海道のむンバりンドは幎間数癟䞇人芏暡である。圌らの倚くが北海道トラベルパスを買えば、鉄道の赀字補填になる。芳光客は迷わず移動できる。JR北海道には倖貚が入る。䜏民の路線は維持される。

    むンバりンドが、䜏民のむンフラを支える。これが理想圢だ。


    そしお、もう䞀぀持っおきたいものがある。トロッティバむクである。

    トロッティバむクをご存じだろうか。スむス山岳リゟヌトでは倧人気のアクティビティで、キックボヌドのタむダを巚倧にしたバヌゞョンである。バッテリヌなしのLUUPず思っおもらえばいい。

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    氞久機関、たたは郜垂远攟されたLUUP


    これも導入する。ロヌプりェむのゎンドラの䞋に括り付けお山頂たで運び、客に乗らせおふもずに䞋す。氞久機関である。郜垂郚では忌み嫌われるLUUPであるが、山では人気者になれるだろう。

    旭岳でも、ニセコでも、富良野でも。スニヌカヌで登り、トロッティバむクで䞋る。子どもが倧喜びする。たぶん倧人も倧喜びする。


    ハロン湟は、景色を回転する宿泊装眮に倉えた

    ベトナムのハロン湟に行ったこずがあるだろうか。奇岩が無数に浮かぶ䞖界遺産の海域で、芳光客はクルヌズ船に乗っお1泊2日で巡る。

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    ハロン湟。曇りでも、奇岩は奇岩。

    ハロン湟の成功は、奇岩の矎しさだけではない。景色を「回転する宿泊装眮」に倉えたこずだ。

    船はホテルであり、レストランであり、移動手段であり、展望台である。芳光客を船に乗せ、食べさせ、寝かせ、芋せ、降ろし、次の客を乗せる。その䞀連の流れが、驚くほど滑らかに蚭蚈されおいる。

    朝、客が䞋船する前に船内で最埌のランチを食べさせる。客が食事をしおいる間に、枅掃チヌムがベッドメむクず客宀枅掃を完了させる。客が船を降りた瞬間、すぐ次の客が乗り蟌める状態になっおいる。枯に停泊する時間がほがれロ。船は垞に動いおいお、垞に客がいる。

    クアンニン省は2024幎に芳光客1900䞇人、芳光収入玄46兆4600億ドンを蚘録しおいる。もちろんこれはハロン湟だけの数字ではないが、湟を䞭心にした芳光産業が地域経枈を動かしおいるこずは間違いない。

    客が寝おいる間も、食べおいる間も、景色は売䞊に倉わり続ける。

    ハロン湟を応甚するのにぎったりの堎所がある

    これを、瀬戞内海でやる。

    瀬戞内海には、すでに「ガンツり」ずいう玠晎らしい客船がある。けれど、あれは1泊50䞇円超、客宀数19宀の超富裕局向けで、幎間で乗れる人数は限られる。戊略ずしおは小さすぎる。

    ハロン湟モデルなら、1泊3䞇円、食事蟌み、客宀150宀クラスの䞭型クルヌズ船を10隻走らせる芏暡感が必芁だ。
    瀬戞内海には、ハロン湟を䞊回る決定的な匷みがある。

    たず、枯湟むンフラが既に揃っおいる。瀬戞内海は橋ができるたで、船が生掻むンフラだった。だから本州、四囜、島嶌にわたっお、持枯、客船桟橋、小芏暡枯が異垞に密に敎備されおいる。広島の宇品、岡山の宇野、高束、尟道、今治、束山、別府。欧米の芳光地が䜕癟億円かけお新蚭しおいる枯湟むンフラを、瀬戞内は昭和の生掻遺産ずしお持っおいる。

    次に、島ごずの個性が立っおいる。盎島、豊島、犬島は珟代アヌト。したなみ海道は村䞊氎軍ずサむクリング。鞆の浊は江戞の枯町。倧久野島はりサギ島。厳島は䞖界遺産。小豆島はオリヌブず醀油。男朚島は猫島。2泊3日でも、3泊4日でも、飜きる暇がない。

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    盎島のかがちゃ


    そしお、囜際空枯が3぀もある。高束、岡山、広島の3空枯のどこから入っおも、瀬戞内クルヌズに合流できる。空枯から専甚バスで30分、枯に盎行、そのたた乗船。飛行機を降りお2時間埌にはクルヌズ船ずいう、䞖界的にも珍しいシヌムレスな動線が組める。

    䜕より、芳光客は海の䞊にいるので、寄枯地の䜏民ずほが干枉しない。船で食べ、船で寝る。寄枯地で2〜3時間散策しお、たた船に戻る。䜏民の生掻圏は、ほが䟵されない。

    ベネチアの倱敗を、海䞊ホテルずしお回避するのである。


    芳光地の成功は、景色の勝利ではない

    ケアンズは、リヌフを迷わず買える芳光商品にした。
    スむスは、山ず湖ず鉄道を囜家ブランドずしお高く売った。
    ハロン湟は、景色を回転する宿泊装眮に倉えた。

    どれも、ただ矎しいから成功しおいるのではない。

    矎しいものに、動線ず䟡栌ず運甚を接続したからうたくいっおいる。

    芳光地の成功は、景色の勝利ではない。蚭蚈の勝利である。

    日本には、矎しい堎所はすでにある。足りないのは、それを芳光商品ずしお成立させる蚭蚈だ。

    芳光客ず䜏民の動線を、分離する。
    空枯から芳光地たで、シヌムレスな動線を䜜る。
    既存むンフラを最倧化し、新芏倧芏暡投資は最小限にする。
    芳光客䟡栌ず䜏民䟡栌を分ける。

    沖瞄は、ケアンズのように。
    北海道は、スむスのように。
    瀬戞内は、ハロン湟のように。

    それぞれの地理に埓っお、芳光経枈圏を蚭蚈し盎す。

    その効甚は、東京、倧阪、京郜ずいう既存の混雑芳光地から、芳光客を分散させるこずにもある。京郜の祇園にあふれおいる芳光客の䜕割かは、本圓は瀬戞内クルヌズに乗りたかったが、遞択肢を知らなかっただけかもしれない。

    おわりに

    芳光地は、地球が安定しおいるこずを前提に成り立っおきた。

    雪は冬に降る。
    氷河は倏にも残る。
    サンゎは海の䞭で色づく。
    海面は、枯の高さを越えない。

    そういう前提の䞊に、スキヌ堎があり、リゟヌトホテルがあり、クルヌズ船があり、海蟺の街がある。

    けれど、その前提は少しず぀揺らいでいる。

    避暑地だったはずの北海道は、倏の暑さが目立぀ようになった。スむスでは氷河が埌退し、山岳リゟヌトの景色そのものが倉わり぀぀ある。グレヌトバリアリヌフではサンゎの癜化が進み、海蟺の芳光地は海面䞊昇や異垞気象ず無瞁ではいられない。

    芳光ずは、本来ずおも脆い産業なのだず思う。

    矎しい景色があるこず。
    そこに暮らす人がいるこず。
    その土地の季節が、その土地らしく巡るこず。

    そのどれか䞀぀が厩れるだけで、芳光地の魅力は倧きく様倉わりする。

    だからこそ、芳光客をただ増やすこずだけを目暙にしおはいけないのだず思う。芳光客の満足だけを远えば、䜏民の暮らしが削られる。䜏民の暮らしを無芖すれば、街は芳光地に玔化しおいく。そしお自然環境を前提ずしお消費し続ければ、い぀かその景色そのものが倱われる。

    芳光客ず生掻者を、どう共存させるか。
    芳光ず自然環境を、どう共存させるか。

    それは、別々の問題ではない。

    旅をしおいるず、矎しい景色に出䌚う。けれど同時に、その景色の背埌にある生掻や、気候や、むンフラのこずも考えおしたう。

    芳光地は、芋る人のためだけに存圚しおいるわけではない。
    そこには、暮らす人がいお、働く人がいお、守られおきた自然がある。

    日本には、ただ十分に䜿い切れおいない芳光資源がある。北には山岳ず湖ず雪があり、南には珊瑚瀁ず島々があり、瀬戞内には穏やかな海ず無数の枯がある。倧郜垂に芳光客を集め、生掻者の動線ずぶ぀け続けなくおも、芳光立囜は成り立぀はずだ。

    必芁なのは、芳光客を増やすこずだけではない。

    どこに来おもらい、どう移動しおもらい、どこでお金を䜿っおもらい、どこを生掻者の堎所ずしお残すのか。

    芳光の流れを、地理に埓っお蚭蚈し盎すこずだず思う。

    この蚘事は、旅先でい぀も道に迷い、芳光地で生掻者の顔を探しおしたう著者が、日本をもう少し幞せな芳光地にできないかず考えた蚘録です。

     
     
    サラリヌマン女医。3児の母。 奜奇心の赎くたた、人生ずいう倧地に倚数の知的掘削跡を残しおきたした。 本業の傍ら、子育お、AI、心理、クラフト、スポヌツ、UXデザむン、旅行  趣味ず孊びの領域は無尜蔵に拡倧䞭。

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