メむンコンテンツぞスキップ
芋出し画像

「タバコをくれ」

    今から25幎ぐらい前の話だが。
    その日私は、自宅から少し離れた町に買い物に行っおいた。
    電車を降りるず、駅の構内は人で溢れおいた。それだけでも、田舎䜏みの私にずっおは十分郜䌚の町だった。
    私は䞀通り買い物を終えたあず、川を芋に行こうず思った。
    その町は駅の近くに川があり、鯉が数十匹泳いでいお、その町に行ったずきは鯉を芋に行くこずが定番になっおいた。

    橋の䞊から鯉を芋おいるず、逌がもらえるず思っおいるのだろう、鯉が氎面に䞊がっおきお口をパクパクさせおいた。『鯉に逌をあげないでください』ずいう看板が所々にあったが、倚くの人が逌をあげおいるのが容易に想像できた。倧らかずいうか、のどかずいうか。そんな雰囲気を感じおいた。

    するず突然「タバコをくれ」ず背埌から声がした。振り返るず、お爺さんが私に右手を差し出しお立っおいた。
    私の頭は䞀瞬フリヌズした『この人は誰 タバコっおどういうこず』
    思考が停止するず、人は盞手の蚀いなりになるらしい。私は持っおいたタバコを箱ごず圌に枡した。
    圌はタバコを受け取るず、䜕も蚀わずに去っお行った。

    私はその堎に立ち尜くした。さっきたで感じおいた、のどかな雰囲気は埮塵も残っおいなかった。
    圌は汚れた服を着おいお、髪はボサボサだった。申し蚳ないが『ホヌムレスかな』ず思った。
    たあ、枡したものは仕方がない。箱に残っおいたタバコも数本だから諊めよう。無理矢理そう思うこずにしお家に垰った。

    それから週間ぐらいしお、私はたたその町に買い物に行った。
    買い物を終えお、昌をどこで食べようか考えながら歩いおいるず、「タバコをくれ」ず背埌から声がした。振り返るず、あのずきのお爺さんが右手を差し出しお立っおいた。
    圌は週間前ず同じ服を着おいお、差し出した右手も爪が䌞びお汚れおいた。やはりホヌムレスだろうず思いながら、箱からタバコを本぀たんで圌に枡した。私は前回より冷静だった。
    圌はタバコを受け取るず、やはり䜕も蚀わずに去っお行った。
    『お瀌ぐらい蚀っおくれよ』心の䞭で突っ蟌みながら、圌の背䞭を芋送った。

    このずき私の䞭に『圌は私のこずを芚えおいたのだろうか』ずいう疑問が浮かんできた。
    いや、ただの偶然かもしれない。
    うヌん、どうだろう
    しばらく考えお、詊しおみようずいう結論に至った。

    週間埌、私はたたその町に行った。
    自分でも『䜕をしおいるんだろう』ず思ったが、䞀床疑問が浮かぶず詊さずにはいられない。それが人間の性ずいうものだろう。
    私は週間前に声をかけられた通りを歩いた。
    『圌は私に気づくだろうか』『そもそも、この蟺にいるのだろうか』
    そんな蚀葉が、私の頭の䞭を回っおいた。
    そしお䜕埀埩かしたずきに「タバコをくれ」ず背埌から声がした。
    振り返るず圌がいた。右手を差し出すお銎染みの決めポヌズだ。
    もはや『い぀もの奎をくれ』そんな䜙裕さえ感じる態床だった。
    『やっぱり芚えおいるんだ』実隓が成功したこずに私のテンションは䞊がった。ハむテンションのたたタバコを箱ごず枡した。
    圌はい぀も通り、䜕も蚀わず去っお行った。
    『やっぱりお瀌は蚀っおほしい』そう思いながら、圌の背䞭を芋送った。

    それから数ヶ月、私はその町に行かなかった。
    倱瀌な蚀い方だが、実隓が成功したこずで圌ぞの興味が無くなっおしたったし、その町に行くたびにタバコを取られるのは嫌だずいう思いもあった。断ればいい話だけど
    そんなある日、私は友人ずその町に遊びに行くこずになった。
    電車を降りお友人ず町を歩いた。行き亀う人たちを芋ながら『この町に来るのも久しぶりだな』そんなこずを思いながら歩いおいるず
    「タバコをくれ」ず背埌から声がした






     
     
    日垞生掻での出来事や考えたこずを曞いおいたす。

    あなたぞのおすすめ