メインコンテンツへスキップ
見出し画像
Photo bymitei_narico

【詩】ギターがいない部屋

    makara

    ギターはそこにない
    でも壁にはまだ
    曇った音の輪郭が残っている

    光の抜けた午後
    埃をまとったソファの端に
    君が座っていた形だけが
    かすれた折り目になって残ってる

    風が吹けば
    カーテンが揺れて
    あの日の白い光と影をなぞるけど

    濁った銀の弦音は もう聴こえない

    時計の針が
    時間じゃなく
    にじんだ記憶の断片を刻んでる
    窓辺に届く陽が
    少しずつ 音もなく薄れていく

    君が言ってたね
    「音は空気に染み込むのよ」って

    だから今でも
    この沈黙は 色を失ったざわめきで満ちている

    君がいない
    僕は、
    僕は居る、残っている

    ギターがいない
    君もいない
    でもこの部屋だけは
    君の声で 淡くくもった透明に響いている

    それだけが
    今の僕にとっての音楽なんだ

     
     
     

    makara

     
     
    古典回帰。温故知新。AIと探す音(そして音フェチの旅でもある)。詩を書きます。アナログも大事だね?たまに大事ですね。 アメリカのルーツ音楽が好きです。←最近、気づきました。 よろしくお願いいたします🙏🥺✨

    あなたへのおすすめ