【詩】とても単純なこと
雨上がりの草むらをゆく
露草を避けながら
生まれた時を考える。
たとえそれを覚えていなくとも
私はその日に生まれたの
とても単純なこと。
傾いた太陽が
最後の光を投げる時
眩しさに目を細める
とても単純なこと。
草むらから
並び歩くつがいのカモたち
私を見つけた黒い瞳
大袈裟な羽音で飛び去っていく
柔らかい風が私を包む
私はひとり
彼らの幸せを願う
とても単純なこと。
始まりのその日がいつだったのか
わからないまま
いつかを思い
伸びた影を踏んでゆく。
最後まで読んでくださり、ありがとうございます。
また会いましょう。