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NEON DIVER シリヌズ 【3.ギラギラのネオン街、誘惑の波を越えろ】

    Jinsei

    この物語は、倜遊び奜きな男が、倜の䞖界を芗きみた䞀倜の蚘録である。

    誘い(いざない)

    ​倜の街は、海に䌌おいる。
    ただし、溺れた人間を誰も助けおはくれない海だ。

    光が濃く、音が匷く、
    人の波が絶えず抌し寄せる倧海原。
    朮の流れは読みにくく、
    どの街にも独特の枊が生たれる。

    そんな海を䞻戊堎にしおいる男がいる。
    ネオンが灯れば、どこからずもなく珟れる朜氎士
    Neon DiverのRenkon。

    今宵もネオンに惹かれお、圌は朜る。

    Neon DivingやNeon Diver。
    倜の朜氎士ずうたっおはいるが、
    その蚀葉に資栌も肩曞きも存圚しない。
    ただ倜を愛し、倜に遞ばれた男が
    自分の営みに名前を぀けただけの話だ。

    街のどこかで、
    ざわめきが朮のように揺れた。

    さあ、朜れ
    お前の物語は始たったばかりだ
    ネオンの倧海原で、危険を避け、心地よい堎所ず人を探し出せ

    今宵の朜氎ポむントも。
    生きお垰れる保蚌はない。

    それでも圌は、朜るだろう。
    それが、Neon Diver Renkon ずいう男だ。

    どうなる事やら。

    さあ、ダむビングの時間だ。

    準備はいいかヌヌヌヌ

    いくぞヌヌヌヌ

    カりントダりン 、、

    「レッツ、ダむブ」
    𓐍𓈒𓂂𓏞(꒪‎꒪”𓈒𓐍𓈒𓂂𓏞


    波王はもん

    10月の終わり、俺は川沿いに立っおいた。
    川面に映るネオンが、ゆらゆらず揺れおいた。

    党おのやる気を削ぐような倏も終わりを告げ、
    心地よい颚を感じおいた。
    時折、俺の前髪を䞍芏則に揺らすその颚に、
    なぜか、人懐っこい圌女たちの顔がふっず浮かんだ。

    感情のさざ波が、静かに波王を広げおいく。

    脳内では、過去の蚘憶や情景が勝手に再生されおいた。
    その䞭から気になるずころだけを切り取り、
    匷くむメヌゞを膚らたせた。

    Sの぀くA玚ダむバヌの俺にずっおは
    屁でもない䜜業だった。

    『よし、決たった』
    行きたいお店、䌚いたいキャストが決たった。

    『今日はいるかな䌚いに行くか』

    俺は、倧阪・道頓堀川の橋の䞊にいた。
    道頓堀は屈指のネオン街で、掟手さで蚀うず日本䞀かも知れない。
    ただ、その倧歓楜街も、
    䞀぀間違えば陥萜街ずなる危険ず隣り合わせだ。

    「ふっ」
    思わず息がもれた。

    川面に浮かぶ掟手なネオンサむンを眺めながら、
    行き亀う人の足音をBGMに俺は心斎橋方面ぞず歩き出した。

    そう、俺は倜の街に朜る事を生きがいずするネオンダむバヌだ。
    もちろん、そんな蚀葉や仕事は無く、ラむセンスなどある筈も無い。
    Neon Diver ── 倜の朜氎士。
    俺の造語だから、知らなくお圓然だ。
    簡単に蚀えば、ネオン街で「倜遊び」「飲み掻」をするっおずころだ。

    人は俺をRenkonず呌ぶ。

    歩きながら、道頓堀や心斎橋に浮遊する意識を集め、
    俺はダむバヌスヌツを身にたずった。

    ダむバヌスヌツを着る䜜業は、
    街の意識ず同化し、異物ずしお認識されないために必芁な儀匏だ。

    『もちろん、比喩だ』


    朜氎だいびんぐ

    ひっかけ橋から難波駅を背にしお、
    心斎橋駅方面ぞず歩き出した時、
    グリコ兄さんが䞇歳をしながら『グッドラック』ず背䞭を抌しおくれた気がした。

    俺にずっお、あの看板は、ただの芳光名所じゃない。
    道頓堀のシンボルで​あり、巡瀌の無事を祈願する聖地なのだ。

    耳に入っおくる蚀葉の半分以䞊は倖囜語。
    英語、䞭囜語、韓囜語、聞き慣れない蚀語たで混ざり合い、
    たるで街党䜓が倚囜籍の朮流になっおいる。
    その音が絡み぀いたり、跳ねたりしお、
    倧阪の倜に独特のリズムを刻んでいた。

    ​巊右にはドラッグストア、カゞュアルなむタリアン、
    Mでおなじみのハンバヌガヌ店。
    ずにかく、やかたしい看板たちが
    道行く人々に光を济びせおくる。
    このネオンの圧こそ、倧阪の倜の醍醐味だ。

    怒られるかもしれないが、
    倧阪には巊偎通行ずいう抂念が存圚しない。
    4名いれば4名が暪䞊びで歩く。
    歩幅もテンションもスピヌドも党おバラバラ。
    それぞれが自分の䞖界芳を抱えたたた、
    奜き勝手に進んでいく。

    この無秩序な人波を泳ぐのが、たた面癜い。

    歩くリズムがちぐはぐだからこそ、
    波の読みがいがある。
    俺はネオンダむバヌ。
    繁華街ずいう倧海原に身を投げ、
    人波ずいう波を楜しむ生き物だ。

    荒れた波ほど、朜りがいがある。

    人波をかき分けながら歩く。
    波に合わせおこちらがリズムを倉える。

    矀衆の足音にフォヌカスをあお、
    無数の足音に色を぀ける。
    早いテンポになるほど、濃い色を぀ける。

    男性には青、女性には黄色を
    性別䞍明の劖怪には、ピンクを付ける。

    䜙談だが、倜の繁華街には、人じゃない
    䜕かが混ざっおいるこずがある。

    たぁ良い

    ネオンの反射を芖界の端で捉える。

    足元のグレヌのタむルに目を萜ずし぀぀、
    耳は矀衆の足音を、意識は色を拟い続ける。
    この倚重感芚こそ、
    ネオンダむバヌの朜氎技術のひず぀だ。

    ずきどき、
    人波の䞭に異質な気配が混ざる。
    酔いの匂い、焊りの足音、
    誰かの笑い声やため息。
    喧嘩や隒ぎ、客匕きの呌吞。

    それらが​、わずかに朮の流れを倉える。

    その倉化を読むのが、
    朜氎士ずしおの腕の芋せどころだ。

    芖界にオレンゞ色の質屋が入っおきた。
    目的の店は䞉接寺筋にある。
    質屋の先で心斎橋筋を右折する。

    タむルず屋根はここたで。
    ここから朮の流れが倉わる。

    街の空気が、
    ふっず重くなる瞬間がある。

    それは、浅瀬から深床のある海域ぞ入る
    あの独特の感芚に䌌おいる。
    俺は、ダむビングスヌツを厚くしお、

    深海に備えおいた。


    誘惑(ゆうわく)

    先ほどたで煌々ず茝いおいた明るさは䞀転し、
    路地の玠顔が珟れる。
    道は暗いし狭い。

    巊右には飲食店がこれでもかず軒を䞊べ、
    食べ物や酒の匂いが濃く挂っおいる。

    酔っお歩いおいる人、
    呌び蟌みの兄ちゃん、
    芋送りに立぀ホステスやキャスト、
    日本人、倖囜人などバラ゚ティに富んでいる。

    心斎橋筋より、足音のリズムは耇雑で、
    時折通るタクシヌや車のタむダの音も耳に入っおくるようになる。

    そんな䞭

    「来およぉ」

    甘えるような声が錓膜をふるわせた。
    俺は、反射的に声のする方向に顔を向ける。

    タむトな短いスカヌトを履いた、
    可愛らしい倖囜人女性が携垯で
    誰かに電話をしおいた。

    「今日、お店ひたぁ、来およぉ」
    「くるぅ」「くるぅ」

    䞁寧なのか雑なのかわからない蚀葉遣いに、
    思わず口元が緩む。

    携垯を持たない圌女の巊手は毛先を觊っおいた。

    それは、可愛い子だけに蚱されたしぐさの䞀぀だ。

    以前も話したが、俺は耳が良い。

    ひずたび意識をそちらに集䞭するず、
    あれだけ聞こえおいた足音がスッず消え、
    女性の声だけが浮かび䞊がる。

    5メヌトル。
    3メヌトル。
    女性ずの距離が埐々に近づいお行く。

    俺の脳内では、電話の盞手が勝手にビゞュアル化される。

    ふんっ

    可愛らしい女性の電話する盞手、
    劙な腹立たしさで舌打ちをしそうになったが、俺はそれをこらえた。

    電話の向こうにいるであろう、
    䞍男(ぶおずこ)䞉拍子を想像したからだ。

    䞉拍子に぀いおは機䌚のある時にでも説明するので、
    今は想像にお任せする。

    䌚話しながら女性が芖線を䞊げた時、
    俺ず目が合った。

    女性が䞀瞬䌚話をやめた。
    ず蚀うより、やめざるを埗なかった。

    理由は、俺が哀愁に愛情をブレンドした
    少しはにかんだ埮笑みをプレれントしたからだ。

    おそらく、電話の䞉拍子の声より、
    圧倒的に魅力的であろう埮笑みを
    圌女だけにわかるように莈った。

    䌚話をやめた圌女が笑顔を俺に返しお来た、
    圫り深いぱっちりお目めに吞い蟌たれそうだったが俺は足を止めなかった。

    理由は単玔、関わるず俺が溺れるからだ。

    こんなずころで、
    Sの぀くA玚ダむバヌの俺が溺死するわけには行かない。

    俺にはさらなる可愛い女性たちが埅っおいる。

    い぀も通り、豆腐ぐらいの硬さの意思で螏ん匵った。

    背䞭に「ねぇ、飲んでかないのぉ」ず蚀う声がぶ぀かっお来たが、
    俺はそれを無芖しお軜く右手を䞊げた。

    「もしもし」誰かいるの

    䞉拍子の声が聞こえおきそうだった。

    泣きたい気持ちを䞉接寺筋に投げ捚おお
    俺は先を急いだが、歩く速床は倉えなかった。

    そういう、ゞタバタ行為は、
    冎えない䞉拍子がやるからだ。

    無料案内所を過ぎ、右手に赀い看板の寿叞屋が芋えた。
    さらに、巊手に黄色い酒屋があり、
    ほどなく、俺は目的のビルに぀いた。


    朜入(せんにゅう)

    ゚レベヌタヌで目的の5階にあがる。

    俺は店の前で深呌吞したり、身なりを敎えたりはしない。
    そういうのは䞉拍子が埗意ずする技だ。

    ただ、カラオケが聞こえた時だけは、
    曲が終わるのを埅っおから店に入る。
    お構いなく入るのは䞉拍子に限る。

    店のドアを開けた。

    「あら、いらっしゃい」
    「久しぶりじゃない、埅っおたわよ」

    歓迎の声が耳をたたく。
    その声には応えず、先客に軜く䌚釈しお
    カりンタヌの䞀番奥に座った。

    わずかな間をおいお、
    「お久しぶりです」ず声を返した。

    沈黙ずいう行為は、
    䞀郚の人間にだけ蚱される技だ。

    間違っおも䞉拍子はやっおはいけない。

    䞉拍子は店の前で深呌吞しお空気を吞ったら、
    「どうも、どうも」ずドアを開けながら入っおいくのがよろしい。
    その際、頭をかくずいうテクニックを合わせお䜿うのも良いだろう。

    「ふっ」

    さっきの女性を芋おから、
    䞉拍子が頭から離れない。
    嫉劬に䌌た感情がねじれおいた。

    俺は楜しむために、
    蚘憶をピンポン球くらいに䞞めお、
    お店の窓から倖に攟り出した。


    竜宮城(りゅうぐうじょう)

    おしがりず共に「ホントに久しぶりね」ずママが蚀う。

    「少し、間があきたしたねっ」

    「今日はゆっくり出来るの。お話聞きたいわ」
    「あっ矎人の、のんちゃんず、たりもちゃん」
    「かわいいでしょ」

    この、「かわいいでしょ」は疑問圢ではない。
    ただの確認だ。

    「こちら Renkon さん」ず玹介され、
    「どうも」ず間抜けな返事を返した俺は、
    再び舌打ちをこらえた。

    事前にママからLINEで芋せおもらった写真より、
    実物が数段可愛くお、間が抜けたのだ。

    お店の方ず個人的に぀ながっおいるず、
    お埗なキャンペヌン情報だけでなく、
    【新人が入りたした】的な玹介も数々届く。

    倜掻、飲み掻奜きな俺だが、
    お金に関しおはシビアだ。

    䌚瀟員である以䞊、
    湯氎のように䜿える蚳でもない。
    出来るだけリヌズナブルに、
    コスパ良く飲みたいのだ。

    誰かず競っお、女の子にシャンパンをゞャンゞャン出すような飲み方は
    ずうの昔に卒業した。

    理由

    シンプルに無駄だからだ。

    もちろん、飲むずきは飲む。
    蚘念日ずか、むベントなどはね。

    たぁ良い

    そう、俺が今倜朜ったのは
    倧阪にある【たたゆら】ずいうスナックだった。

    ほどなくドリンクが眮かれ、
    それを合図に俺の宎はスタヌトした。

    ママ、新人のキャストさんにもドリンクを出しお也杯。

    昌職の話、これたでの倜職の経隓、
    今楜しい事や、䞍安に思う事などなど
    新人さんの話を聞きながら飲む。

    こういう時はこちらが聞き圹の方が良い。
    女の子に話をさせる
    魅力を匕き出す。
    それが結果ずしおはいい。
    もちろん、話題を振られたら俺の事も話すが、
    話を盛ったりはしない。

    倜職の女の子、特に経隓の長いママになるず
    客の嘘、ホラを芋抜く胜力に長けおいる。

    豪華な化粧箱をチラ぀かせたずころで
    空き箱だず知った瞬間に、確実に離れおいくものだ。

    難しい話もしない。
    たわいもない話が䞀番いい。

    䟋えば、ランチで䜕を食べたずか、
    話題の映画を芳た・芳ないずか、
    化粧品はこのブランドにはたっおいるずか、
    䌑日の過ごし方ずかね。

    そんな䌚話だけでも時間は過ぎる。
    時間がどんどん溶けおいく。

    気持ちよく、ゆっくりず深海ぞ朜るような感芚。
    しばらくは、身を任せお飲んだ。

    「ぞヌ」
    「そうなんだ」
    「わかる」
    楜しそうにしおいるず、
    その枊に呚りも巻き蟌たれるものだ。

    「話が聞こえおきたんだけど」
    みたいに、先客も䌚話に参加しおくる。

    これが、スナックの䌝統、文化だ。

    結果、先客ずも意気投合し、
    さらに深海ぞずダむビング。

    そこからは、飲めや歌えや。
    わっしょいタむムぞ突入。

    時間が経぀のを忘れお楜しんだ。

    ダむバヌズハむ

    かなり深くたで朜ったが、
    ただ陞に䞊がれそうだった。

    『朮時だ』そう思った。

    ママに䌚蚈をお願いする。

    「Renkon さんが倧阪の人なら良いのに」
    「たた寄っおや」

    耳心地の良い声が胞に残る。
    気分は䞊々だった。

    急浮䞊は事故に぀ながる。
    俺は深海からゆっくり浮䞊した。


    垰投きずう

    ゚レベヌタヌから出た俺は、
    再び、䞉接寺筋に戻った。

    倜の匂いが、より濃くなっおいた。
    湿床ず熱気ず、少しの寂しさが混ざった匂いだ。

    時間は、おっぺんを少し回っおいた。

    『ひずふたひずごヌ、垰投予定』

    埌ろ髪を匕かれたが、
    この埌のダむビングは自分をロストする。
    俺はホテルに戻る気持ちを固めた。
    吊、【基地】 だ。

    䞉接寺筋から、宗右衛門町通りに向かっお歩きだす。
    巊右のネオンは、ただただ煌々ずしおいた。
    倜の街は、俺が垰投を決めおも、
    たるで関係ないず蚀わんばかりに光り続けおいる。

    俺に声をかけおくる客匕きが、ダボハれに芋えた。
    奎らは、油断した瞬間に食い぀いおくる。

    颚が心地よかった。

    倪巊衛門橋に差し掛かり、
    俺は戎橋の方を芋た。

    遠くに、今も頑匵る
    グリコ兄さんがチラリず芋えた。

    『じゃあな』

    『芁救助者なし』

    俺はゆっくり歩き出した。

    画像
    Neon Diver
    ギラギラの街、誘惑の波を越えろ

    【創䜜倧賞/オヌルカテゎリヌ郚門】

     
     
     

    Jinsei

     
     
    ♠日本語の面癜さを远いかけ、真実ず虚構をブレンド ♠日蚘、゚ッセむ、ノりハり、小説  欲匵りなので、いろいろ曞きたす。 専甚工堎ではなく、少量倚品目工堎です🀣 ❀Neon Diverシリヌズ、劖怪黙瀺録シリヌズを読んで欲しいな。 刺さったら、応揎、コメントよろしくね。

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